コピーはあきまへん

02-09-27
普段はあんまり行かない楽器屋さんにフラっと入ってみたら、「ブルース・ギター」のCD付きムックってのを売ってました。
T-Boneや B.B.Kingのタブ譜まで付いてますよ。
もひとり、なんでかクラプトンも入ってるのが「?」だけど、ま、ブルースってえとクラプトンってえ層も多いからでしょかね?

だいたいやね、タブ譜でソロまでなぞるなんて「ブルース」からいっちゃん遠い「行為」なんだけどなあ。ギター・ソロは「アドリブ」だからソロになるんであって、毎回同じだったらイミないじゃん。
これからブルースを弾いてみたい、ってゆうヒトには「はっきり」言っておきます。『絶対コピーなんかしちゃダメ!』

もし好きなアーティストがいるんなら、その人のCDを流しておいて、その上で、あなたも弾くのです。共演者のつもりで。同じフレーズじゃなく、あなたのフレーズで。
それでも必ず影響は受けますから、そのテイストは身につきますよ。
このやり方だと、ムードは移しとることは出来ますが、自分の手クセが活きますからサルマネにはならずにすみます。
たしかにコピーしちゃうと、それそのまま弾いただけでも、知らないヤツは「すげえ!」と言うかもしれないけど、モトを知ってるヒトからすりゃあ、「おやおや、きちんと猿マネ出来たのね、おジョーズ」と、逆にケーベツされちゃいますからね。

ブルースは「カラオケ大会」じゃあないんですから「名盤」をそっくり再現したって、なんの価値も無いんですよ。ウケ狙ってジョーダンでちょろっと挟む程度なら別ですが。
とまあ、こんなコト言ってると、なかなかついてこれるヒトいないんですよね。
なんたって、みなさん、手っとり早く「ウマくなった」ような気がするコピーの方が、投入したドリョクのワリに成果が上がったよーな気がするから「お好き」なようで。
どうも「ソロ」は、そのアーティストに所属する「固有」の著作物である。と言うジョーシキが日本では希薄なようです。美術の世界でも文芸の世界でも、いくら好きだからって、ある作家の作品をすっかりなぞる事は、こりゃもう明らかに「盗作」という犯罪なワケで(刑事罰までは課せられないとしても、民事ではマチガイなく賠償問題になります)、それがナゼ音楽では「許される」と思い込んでいるのか、そのシンケーが判りません。
アマチュアだから?そゆコトじゃあないでしょ。
ヒトの作ったモノを勝手に盗んどいて、自分の手柄みたいな顔してるワケですから、ちったあうしろめたいキモチ持ってほしいっすね。

よくコピーはスキル・アップにつながるから、って擁護するヒトもいますが、スキル・アップだけに使ってるヒトはいませんからねえ。コピーして出来るようになっちゃうと、どこでも弾いちゃうんですよ。ニンゲンってヨワいものですから。

コピーに背を向けちゃうと、そりゃイバラの道です。
自分のフレーズなんて、そうそう才能でもないかぎり、毎回すんげえの出て来るワケないですからね、知らないヒトから観たら「パっとしない」演奏なのよね。
でも、それが等身大の自分なんだからいいじゃないの。
ヒトの才能パクっといて「どうだ、オレってスゴいだろ?」なんて勘違いしてるヤツは、カラオケ歌わせるとイキイキして「なりきっちゃう」オヤジと一緒なんだから。
そんなのと同じ次元にまで「降りる」こたあないです。

最後にもいちど。「コピーやめますか?それともブルースやめますか?」
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