Quartet of Harp

Alligator Tales vol.40


06-11-23 THU.




さて、AL-4790 はスゴいぞう!
HARP ATTACK! っちゅうタイトルもスゴいけど(そしてジャケットの写真もね)なんたって「これでもか!」っちゅうくらいハーピストを集めた、まさにハーピストにとっちゃあ「夢の共演」ってヤツでございます。
まずは Junior Wells。そして James Cotton、さらに Carey Bell に Billy Branch!ぐぉ〜。濃ゆいですねえ。エグそうですねえ。
いわば、この四人が Quad Front ということになるワケですから壮絶ですよ。
ですからバックだってガンバらないと、ってんで(?)キーボードに Lucky Peterson、ギターが Michael Coleman、ベースは Johnny B. Gayden(!)ドラムに Ray "Killer" Allison っちゅう布陣で録音に臨みます。
他に二曲だけ参加したギターの George Baze ってのもいたようですね(このひとについてはワタクシ、さっぱ判りません。どこのどなたやら⋯)。
このアルバムは、これまでライヴの現場などで交流を重ねてきた四人が、一堂に会して録音する初めての機会だったワケで、おそらくこんな企画はそうザラにあるもんじゃないし、また思いついても出来るものじゃありません。

1 - Down Home Blues
Harp [Left - Solo], Vocals [Fourth] - Carey Bell
Harp [Left Center - Solo, Last Solo], Vocals [Second] - Billy Branch
Harp [Right - Solo, Last Solo], Vocals [Third] - Junior Wells
Harp [Right Center - Intro, Solo, Last Solo], Vocals [First] - James Cotton
Written-By - Jackson*
2 - Who
Harp [Left Center - First Solo, Duel], Vocals - Billy Branch
Harp [Right Center - Fills, Duel], Vocals - James Cotton
Written-By - Roth*
3 - Keep Your Hands Out Of My Pockets
Harp [All Solos], Vocals - Junior Wells
Written-By - Williamson*
4 - Little Car Blues
Harp [Center - First Solo, Background Harp] - James Cotton
Harp [Left - Background Harp] - Billy Branch
Harp [Right - Fills, Second Solo] - Junior Wells
Written-By - Love*
5 - My Eyes Keep Me In Trouble
Harp [Center - First & Last Solos], Vocals - Carey Bell
Harp [Left - Fills, Second Solo], Vocals [Third] - James Cotton
Vocals [Second] - Junior Wells
Written-By - Walker*
6 - Broke And Hungry
Harp [Center - First Solo], Vocals - Junior Wells
Harp [Left - Second Solo, Background Harp] - Billy Branch
Harp [Right - Background Harp] - James Cotton
Written-By - Wells*
7 - Hit Man
Harp [Center - Second Solo], Vocals - Carey Bell
Harp [Left - Fills, First Solo] - James Cotton
Written-By - Wells*
8 - Black Night
Harp [All Solos], Vocals - James Cotton
Written-By - Robinson*
9 - Somebody Changed The Lock
Harp [All Solos], Vocals - Junior Wells
Written-By - Wells*
10 - Second Hand Man
Harp [Center - Solo], Vocals - Carey Bell
Harp [Right - Fills], Vocals [Second] - Junior Wells
Written-By - Bell*
11 - New Kid On The Block
Harp [All Solos], Vocals - Billy Branch
Written-By - Branch*

たとえば一曲目の Down Home Blues ひとつを採り上げてみても、まず最初に James Cotton が歌ってハープ・ソロ、それに続いて Billy Branch が歌いハープでソロ、そして Junior Wells の歌とソロ、で Carey Bell も歌ってソロをとる⋯こんなふうに次々とプレイヤーによる違いも、逆に共通するものも「まのあたり」に出来る音源なんて、そうそうあるもんじゃありません。

もちろん、全曲がそんなふうな構成ではなく、曲によっては Who のように Billy Branch をメイン(!)にそこに James Cotton が加わったり、ヴォーカルもソロもゼンブ Junio Wells っちゅう Keep Your Hands Out of My Pocket みたいなの、Hit Man では Carey Bell が中心⋯などとさまざまなスタイルが収録されています。
ま、ワタクシはハープ、ぜ〜んぜんダメなもんで、ほんとーの意味でこのアルバムの「有り難み」が判ってるのか?と言われれば、ちとアヤしいのではございますが、おそらく、ブルースのハープを志す方々には「佳き」アルバムなのではないでしょか?
おそらく、そこらへんはいずれ江戸川スリムさまからヒトコトあるやも?

⋯とゆうような「こってこて」の後はちょうど一息入れるにゃ最適な(?) Elvin Bishop クンの Don't Let the Bossman Get You Down! でございます。
この AL-4791 三曲目の Murder in the First Degree なんてホント、タイトルとはうらはらに、実にまあ「のどか」っちゅうかおっとりした音が相変わらずでキンチョーも解けますねえ。
気取らないヴォーカル、楽しんで弾いてるよなギター、すっとぼけた構成⋯などなど、やはりこれは「お人柄?」てな独特なテイストがここでも輝いてますよ。
これもまた彼のアルバムらしく(?)録音は California 州 Richmond の Straight Sound と同じく Lagunitas( San Francisco から 11時の方向に 36km ほどのところに位置する町)の Hog Heaven(がははは!この名前!)で行われ、マスタリングはニューヨークの DMS ですから、これには Bruce Iglauer の手は一切、入っていません。
あ、Just Your Fool ではギターに Luther Tucker が参加しています。

つづく AL-4792 は Nappy Brown の Tore Up!。あ、どーでもいいけど、今日採り上げたのってせんぶタイトルが「!」で終わっているのねん。
Nappy Brown と言うと Night Time Is the Right Time で有名(か?)ですねえ。
それを 1950 年代にヒットさせ、その後も多少のヒットはあったけど 1960 年代から次第に知名度も落ちていき、やや低迷してたワケですが、1984 年に Landslide Records に録音した Tore Up、つまり本作品でふたたび注目を浴びるようになり、そして 1990 年にはこうして Alligator からリリースされていっそうそのプレゼンスを増した、てなワケでございます。
そんな経緯ですから、とうぜん Landslide サイドで制作したマスターを、例によってニューヨーク DMS でリマスタリングしてリリースされています。
このアルバムでいっちゃんオモシロいのは Hidden Charms かもしれません。もちろん、ここはゼヒともウルフと対比さして聴いていただきたいのでございますが、まあ、好きずきではあるのでしょうが、この Nappy Brown の Hidden Charms、なんだか安っぽいハリウッド映画で気楽に BGM として使いそうなポピュラーみたいな仕上がりで、いささか、いや「かなり」拍子抜けいたします。
なかにはこっちのほうがいい!なんて方もいるかもしれませんが、ワタクシは「ガックリ」でしたねえ。
この名曲をまあ、こんなにしちまって⋯てな感じ。それでもギターは「ちょっと」 Hubert Sumlin を意識してるよなとこもあってまだいいんだけど、この Nappy Brown の歌はねえ⋯なんだかオモシロそうな曲だから歌ってみました、的な「軽さ」があんまり馴染めませんねん。
で、ついでと言っちゃなんですが、アルバムに収録された最後の曲、You Can Make It If You Try は「とーぜん」Sly and the Family Stone のそれではなく、あの Champion、Poncello、Ref-O-Ree、Calvert、Cherokee、Valdot、Spar なんて零細⋯うっぷす、マ、マイナー・レーベルの数々に関わった Ted Jarrett が Gene Allison に 1957 年に歌わせてヒット(もっともヒットしたのはマイナー・レーベルからじゃなく、それが Vee-Jay からリリースされたせい、ってのもあるんですが)したほうの You Can Make It If You Try でございます。



本日は別に雪にもならず(気温はかなり低かったけど)無事、青森までの往復をこなすことが出来ました。
そう!またもや新しい蕎麦屋さんを開拓してしまいました。
聞きかじった店名からイエロー・ページで住所を割り出し、それを Google Map で検索するってえと、ほ〜らイッパツで場所が出る!
弘前から行くと、280 号線が左に分岐してくとこの次、フェリー埠頭に直結する道に入り、旧 280 号線を跨ぐ陸橋の下、旧道から本線に合流するための側道に面した「無垢」というお店です。


「二合ざる」と言って、ざる二枚より百円安く、量は同じってヤツをオーダーしました。
蕎麦はミゴトに細く、しかし東青森の「K」より水切りがしっかりしているし、なによりツユが「美味しい!」
かつおがほどよく薫り、それは最後の蕎麦湯をさしたところで一層、匂い立ちます。
最近はとかくドロっとした蕎麦湯を喜ぶ客が多いせいかどこでも無理矢理に粉を溶かし込んだ別誂えの偽蕎麦湯が多いのですが、こちらのは、ほんとーに茹でた湯をそのまま出しているようで、むしろ清新でよろしい!
ここなら、とめごろおさんも連れて行けます。













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