Heartsman? who?

Alligator Tales vol.44


06-11-27 MON.




AL-4799 まで進んだシリアル、次の AL-4800 で記念すべき 100 枚目!てな捉えかたも出来ないワケじゃありませんが、でもねーゲンミツには、例のティンズレー・エリスの最初は 47 シリーズ、次は 39 シリーズ、なんて「?」な扱いもあるし、それに他のシリーズも通算するとホントの 100 枚目はとっくに通過してるハズなんでタンジュンに「わ〜い 100 枚だぁ!」なんてヨロコんでる場合じゃないようで⋯

てなことはともかく、いちおー 4701 から始まったシリアルの 100番目は、Johnny Heartsman の The Touch でございました。
で、ワタクシ、無知をコクハクするよーでございますが(え?んなこと、とっくに判ってる、って?)、この Johnny Heartsman、ま〜ったく、いまのいままで「知りませんでした」。
だって 1950 年代半ばから 1960 年代にかけて Al King や Jimmy Wilson などのレコーディング・セッションで活躍し⋯っちゅう、そもそも、その Al King に Jimmy Wilson だって、たぶんどっかで聞いたことはある名前だけど、そのひとのブルースを「ちゃんと」聴いたことがあるかどうか「あやふや」、てなジョータイですからねえ。
ですから Dick Shurman が当時の録音を聴いて、そのバックで弾いているギターの素晴らしさに衝撃を受けて探し始めた、なんて聞いても、まったくピンと来ません。
もっとも 1967 年に、その Johnny Heartsman は結婚生活に破綻を来したことから(か?)、第一線からは姿を消してしまってたようなんですが。
1977 年にようやく連絡がとれて、Living Blues のためのインタビューを行い、それを契機として Dick Shurman は Johnny Heartsman のアルバムを作りたい、と思い始め、まず 1980 年には Bruce Iglauer にも打診しています。
しかし、その時点での Alligator はまだそのような「ニッチな」アルバムを制作するほどの余力はなく、レコーディングには至りませんでした。
そのかわり(?)1983 年には San Francisco のレーベルからアルバムをリリースし、さらに 1988 年にはドイツのレーベルからも一枚がリリースされています。
そしてようやく Bruce Iglauer から「お許し(?)」が出て、ついにこのアルバムが出来た!ってことらしいですね。

さて、その音ですが⋯
ブルース「的」な部分もあります、そりゃ。
ただ、ギター、キーボード、ベース、フルートっちゅう彼の「こなす」楽器の多くを「活かそう」としたためか、ややワザの「見本市」化してるよな気もするんですよねー。
もちろん、それぞれの楽曲( Please Don't Be Scared of My Love 以外のすべては Johnny Heartsman 自身による⋯したがって 3 曲目の You're So Fine だって「あの」シカゴの名曲とは別なものでございます)の仕上がりのレヴェルは高いし、なかなかにスキルに溢れた演奏(ま、それが逆にヴァーノン・リードみたく音数が多すぎて空疎な印象を与える部分もあるのですが)はブルースを、ってより、ブルース・ギターを、てな志向で聴くひとにはそれなりの収穫をもたらしてくれるのかもしれませんが、ま、こー言っちゃうとミもフタもないけど、「ココロに残るものが無い」んですよねー、ワタシには⋯
ただ、そのヴォーカルは、まったく嫌みがなく、聞きやすいのは確かですね。
ただ、印象的では「まったくない」けど。
しかしまあ、なんですねえ、ついつい Lucky Peterson を連想してしまいますけど、このてのひとたちって、他人のバッキングっちゅうポジションにおさまると、そりゃもう素晴らしいプレゼンスを発揮するんですが、だからってフロントとしてどうか?ってことになると、そりゃまるっきり「別なハナシ」なのねん⋯ってのがヒシヒシと感じられますねえ。

続いての AL-4801 はチャーリー・マスルホワイトの Signature。ほとんど彼の自作曲ですが、最後の Cheatin'on Me だけはジョン・リー・フッカーのナンバーで、ご本人も参加してます⋯
録音は主にキャリフォルニアで、Sausalito の The Plant に Studio D、San Francisco の Editel、それにニューヨークの Sear Sound で行われ、ミックスダウンがこれもキャリフォルニア、San Rafael の Skywalker Sound で「ここには」Bruce Iglauer も来ていたようです。

さて、次の AL-4802 ですねえ。ま、こうゆう「わざとら」なアコースティック・ブルース、っちゅうの、ワタクシとしてはあんまりキョーミが無いのですが、こうゆうのがお好きなかたも多いんでしょね。
そう、Buddy Guy と Junior Wells が 1981 年におフランスはパリの Sysmo Studios で二人だけでしこしこ演奏した「アコースティック仕立て」の音源、最初はフランスの Isabel Records から Going Back としてリリースされたものを、オリジナル・マスターから選曲も変えてリリースしたもののようでございます。

ま、独断でもってヒトコト言わせていただくならば、同じよなギターいっぽん&ハープでヴォーカルってんなら、あの Billy Branch と Kenny Neal の I Just Keep Lovin' Her みたく、シカゴ初期の混沌としたエネルギーに満ちたあたりを「もいちどやってみよう」っつうあたりにはそれなりの意義も、また聴いてて面白さも感じるのですが、このアルバムについて言えば、こんなスタイルでやることになんの意義があるのか?なんてゆうコンポンテキな疑問が付きまとってくるのを拭いきれません。
いかにもヨーロッパの(タキシードとイーヴニングで正装して謹聴するよな?)「フォーク・ブルース」好きにターゲットを据えた音、っちゅう感じがしてしまうんですけど。
もっとも、こうゆのこそブルースだ!なんてかたもいらっしゃるようですが⋯つまり Dion Payton の All Your Affection Is Gone なんて「死んでも」ブルースとは認めん!てな手合いね。ま、そこまで強硬じゃあないにしろ、ドラムもベースもいらん!静か〜で「おじょーひんな」ブルースが聴きたい、なんてえ層はけっこう多いんでしょう、きっと。
そんなマーケットにもブツは供給せないかんワケですから、ショーバイとしちゃ、これもまた「あり」なんでしょね。

で、ぜんぜんカンケー無いハナシで恐縮ですが、このジャケットで写ってるギターとハープ、これが「まったくもって」Buddy Guy にも Junior Wells にも縁がないのを撮影してるんですねえ。
このジャケット写真の Guild ギターは Andy Aledort(誰?)ってひとのだし、ハープはこれまた「なんと」Lee Oskar の、なんだって⋯


昨日、あんだけ天気が良くて、出来過ぎだなあ、と思ってたら、案の定、今日は雨でございます。
でもまあ、タマにはいっか?といちんち歩きで用事をたすことといたしました。
なんだったら自転車ででも行けないことはない程度の弱い雨なんですが、フェンダーのない MTB では、ゆっくりとしか走れないんで、それだったらハネの心配もせずに「つかつか」と歩いたほーが気持ちいい、っもんです。
そうやって歩いてたら、ま、そのおおかげで、と言うほどのことでもないんですが、かってはダイエーがキーテナントとして入ってて、ダイエーが「消えた」後、しばらく上階のテナント部分だけで営業してたビルの一階に靴屋さんがオープンしてるのを発見いたしました。
まだ全床がふさがってはいませんが、それでもそれらしく明かりがついて、営業してるのを見るとホっといたしますね。


先日より続いております Dacquoise 探査(?)ついに「いい」手がかりを発見したようでございます。
しかも、なんとも「灯台もと暗し」で、うちのすぐ近く、いわばいっちゃん近いケーキ屋さんである、富田大通りの「ジャルダン」で発見した「それ」が、うん、これはなかなか!

まあ、確かに 16 区と比べ、やや「重い」のは事実ですが、逆にその「食べ応えのありよう」が、独自のポジションとして、これはこれでケッコー魅力的なんですよ。
なんだか久しぶりに「歩いて」前を通りかかり、フとボードに書かれた「牧場果」とかゆう、なんじゃそりゃ?っちゅう好奇心をシゲキする文字に気づいたばっかりに「ふらふら」っと店に吸いこまれ、そこで目にとまったのがこの Dacquoise でした。

あ、そうそう、その「牧場果」、Dacquoise の向こうのチーズ・タルトでした。
これもなかなかイケます!
⋯ということで新シリーズ(?)今日のオヤツ、でございました。

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