1993

Alligator Tales vol.47


06-11-30 THU.




年がかわって 1993 年、最初のリリースは AL-4812、Little Charlie and the Nightcats の Night Vision でした。
その歌にしてもギターにしても(別に、そう意識してのものではないかもしれませんが)徹底的に「白人文化(?)」のクリシェを当然のようにちりばめて、悪びれることなく演奏してるあたりが、ヘンに意識して「ブルース」やってる白人、ってのとはまるっきりちゃうプレゼンスをもたらしてるんじゃないでしょか。
あまりブルースは感じないけど、これはこれで「ロックンロール」と「ブルース」をつなぐもの、みたいな面白いポジションにあるのかもしれません。
いちおう Crying Won't Help You じゃスライドまでそれらしく組み込んで、かな〜りブルースっぽくなってますが、それでもヴォーカルはヘンに気取ることなく、いつもの調子で「明るく軽く(?)」そこが、こいつら(「こいつら」?)の清々しいとこ、と言えるかも。
なんだかホワイト・ブルースなんて言われる連中の演奏って、特にヴォーカルに感じるウソ臭さがキモいのですが、この Rick Estrin はそこら軽々と飛び越えて彼なりに楽しんでるみたいで、そのカラっとした能天気ぶりが快い。
ま、そこらウェストコーストの「いい」部分が働いてるのかもしれません。

別に Georgia On My Mind に「張り合った」ワケじゃないでしょが、自作のナンバー California On My Mind なんてえ存在に、彼らの「自覚」のありようが感じられて面白いですねえ。
ただせっかくのそれも、ザンネンながらキャリフォルニア州民がこぞって歌いたくなるよな「名曲」の域には達していないようですけど⋯

このアルバム、録音はとーぜん California 州で、Richmond の Bay View Studios で行われ、プロデューサーでもある(!)Joe Louis Walker も二曲に参加しております。
マスタリングは North Hollywood の Tin Roof Studios。

続いての AL-4813 は、以前 BLUES Diary でも採り上げた Eager Beaver も収録された Maurice John Vaughn の In the Shadow of the City です。
さすがに本人もサックスをやるだけあって(か?)、ホーン・セクションの扱いがウマく、よくある「いい気になった」ソロのサックス・プレイヤーを録音に参加さすと、他のギターやらハープを台無しにしちゃう、ってえ(ワタクシの考える)ブルースにおける楽器のプライオリティを理解しないドあほ⋯うっぷす、じ、自信過剰な方、ね、え〜、それとはちゃうぞ、と。
ま、ケッキョクはサックスのスキルがどうこう、ってな問題じゃなく、ブルースでは、どのくらい「吹く」のが「適度」なのか?っちゅうあたりのセンスですからねえ。
その点、この Maurice John Vaughn の場合、サックスだけってんじゃなく、なんたってドラム、ギター、クラリネット、そしてサックスと遍歴し、途中サックスでセッション・マンとしてレコーディングも経験してるワケで、もっと全体としての視野も持っている、ってとこがサックスだけの誰かさんとはちゃうんでしょね。

⋯と、その器楽演奏面(とはまたズイブン堅い言い方だなあ)はともかくとして、その歌となると、なんだかちょっと、これまでのブルースマンたちとは「違う」テクスチュアを感じませんか?
ま、それってワタクシだけなのかもしれませんが、この歌いっぷりに、なんだかこのまま延長してくと、あの Aaron Neville にまでたどり着く、なんちゅうか、「ソウル的」と言うとまたバクゼンとし過ぎてますが、なんかそんなメタリック(?)に「作為的なもの」の「萌芽」があるよな印象が紛れ込んでくるんですがねえ。
ハートよりスキルがやや先行するような⋯

録音はシカゴの Chicago Trax で、マスタリングはずっと「ここ」になってる Massachusetts 州 Southborough の Northeastern Digital。

さてと、お次はまたオーストラリアの Dave Hole。ますますパワフルにロックしてますが、時代とシンクロしてるかどうかは別問題⋯ってか?
パワフルなスライド(と言っても Hound Dog Taylor における「パワフルさ」とはちょと位相が違うんだけど)や、アコースティックなスライドも入ってるんですが、なんだか「この人のギター」化してて、これはこれでいいのかも。
Mean Old Airplane(このアルバムには他にも Stormy Sea とか Twenty Years なんて「どっかで聞いたよな、でもビミョーにちゃう」なあ、ってタイトルがあって⋯)じゃあ、かなりアコースティックのスライドを弾いてるんですが、あの Clementine(クレモンティーヌ。おフランス)のバックで「なんじゃこりゃあ〜っ!」ちゅうスライドで光ってた松田 文ほどではないにしろ、ブルースの文法からハミ出しかけてるとこが、むしろいい味を出してます。
AL-4814、Working Overtime。
録音はオーストラリア、Perth の Planet Studios で、マスタリングは Northeastern Digital。
ともあれ、コイツ、かなりブルースが好きなんだろな、ってのは伝わってきます。



市内某所での北海道のお菓子ワゴン・セールで入手した「しらかばバウムクーヘン」です。
周りのアイシングにチョコで筋目を入れて「しらかば」のつもりらしいですが、なんでか全周に入ってるんじゃなく、お客さんに見える側だけでした(「しらかば」、逆から読んじゃダメよ)。
ん〜、そこら、いかにも「土産物」って感覚ですよねえ。見えるとこだけ、って⋯

で、お味のほーですが、ん〜、可もなく不可もない、ってとこでしょか。
ただし⋯ナゼか、これをいただくと胸焼けするんですが、きっと気のせいでしょう⋯

え?またセールやってたら買うか、って?⋯No!!

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