Best of Carey Bell!

Alligator Tales vol.56


06-12-09 SAT.




Kenny Neal の AL-4825、Hoodoo Moon に続くのは、例の(?)サファイアでございます。
まあねー、世の中、イロイロでございますから、「こうゆうブルースだったら聴ける」なんて方もおられるんでしょうね⋯てなワケで AL-4826 は Old, New, Borrowed & Blue でございました。

で、次の AL-4827 はウィリアム・クラークの Groove Time。これもセルフ・プロデュースで California 州 Culver City の Pacifica Studios での録音ならびにミックスダウンで、マスタリングが Chicago の Monster Disc。
例によって Bruce Iglauer は、どの工程にも参加しておりません。

そしてようやく Real Blues です!
AL-4828 は Carey Bell の Deep Down!
2003 年の 7 月に行われた第一回青森安潟(やすかた)フェスティヴァルでのシカゴ・ブルース・オールスターズでは、Bob Stroger がベースを左右に揺らすようにしてそのリフを弾き始めて、ワタクシなんぞ思わず歓声を上げてしまった I Got To Go で始まる「ちょい」ファンキーなアルバムでございます。
ま、なんたってキーボードが Lucky Peterson ですからデジタル音源らしきピアノでくるくるまわすリフだってひと味ちがうし、ボトムをささえるベースが Johnny B. Gayden ですからねー。そりゃ旧来の「シカゴ・ブルース」なんてえワクに収まるワケございません。
もちろん Little Walter でお馴染みの I Got To Go、そのオリジナルの香りをよく残しておりますが(って、そー思わないひともいるんでしょね)、さすがバックのギターだって「あの」Carl Weathersby と Lurrie Bell ですからねえ、リズムの取り方ひとつだって、実に柔軟で、でも出てくるリフとしちゃあタイト!っちゅう、いっつもそれを逆にしたのに苦しめられることが多いワタシとしちゃあ、もうヒジョーに「羨ましい」!
ベースだって、一見、ありがちなパターンを弾いてるように思うでしょが、そこはさすが Johnny B. Gayden、独特な送りピック⋯ってピック使ってないか?え〜、なんちゅうかオルタネイトっぽい、っちゅうのかな?その引っかけ具合がたまりませ〜ん。
そして意外だったのは、Carey Bell 自身のヴォーカルもハープも、そんな「ファンキー」テイストに良くマッチしてる、ってこと。もう明らかに Chess の時代とは違う、まさに 1990 年代のブルースなんですよねー。
前述の 2003 年のライヴでもやってくれた(っつうか、この時の Carey Bell は、このアルバムに収録したナンバーをメインにしてたんじゃないかなあ)Low Down Dirty Shame なんて(青森ではベースが Bob Stroger じいさんだったんでそれほどのキレは無かったんですが)Johnny B. Gayden のベースが「シカゴ・ブルース・ファンダメンタリスト」のみなさまがゼッタイにユルさないだろなあ、っちゅうメッチャ Slappy で、もろ骨盤に来ます。サイコ〜!

そして唯一、ワタシ「は」あんまりご存知じゃなかった、ドラムの Ray "Killer" Allison にしたって、Lonesome Stranger じゃ、まさに「とんでも」な超倍速刻みかいな?っちゅうハイハット・ワークで驚かせてくれるじゃないの。うん、それでこそ「現代の」リズム・セクションっつーものでございましょう。
かと言ってシャッフルがダメか?っちゅうとそんなこともございません。エラそなこと言ってもブーギひとつまともに叩けないなんて連中が多いなか、さすがプロはちゃうわい、てなドラミングを見せてくれてますよん。
またワタクシも(ナマイキにも)レパートリィに加えさせていただいとる I Got A Rich Man's Woman での重心の低い、でも決してモタっていない(スローっちゅうと「モタっていい」、いえそれどころか「モタらなきゃ」なんて手合いもいるようですが、それはちゃうぞ!)スムースさ!

いやもう、このアルバムについちゃあ、いくらでも語ってしまいそうになりますね。そのくらい気に入っているアルバムなのでございます。
もちろん、ご自分でもハープをおやりになる方ですと、またワタクシとは聴き方、あるいは聴きどころも違うでしょうから、異なった評価を下されるやもしれませんが、もともと偏向しとるワタクシめにとっては、マチガイなく、このアルバムこそが Carey Bell の「ベスト」!
さらにワタクシ、ハーピストの中じゃあ、この Carey Bell がいっちゃん好き、ってなもんですから、その意味では「マイ・ベスト・ブルース・ハープ・アルバム」っつーことになりますね。
なんたってこの人にとってのハーピストってのが Little Walter、Sonny Boy Williamson II、そして Big Walter Horton ってあたりに(勝手に)ココロ通うものがありますなあ。

たとえばこの Carey Bell がシカゴに出てきたのって 1956 年の 9 月、19 才のときだ、ってんですから、1946 年( 1948 年という説もある。最近はややそっちが優勢か?)に出てきてる、っちゅう Junior Wells とは 10 年の開きがあるワケです。
で、聴いていただけば判るとおり(え?判らん?そゆひとはここトバしてねん)、その Junior Wells と Carey Bell では、単に年代がどうこうじゃない、なんか本質的な違いがあると思うんですよね。ま、変な概念かもしれないけど、自分に対する「買い被り度」みたいなとこで。
そりゃ Wells はホントにウマい!
トークから入って自然に歌になっていくところ、曲の見せ方、聴かせ方、万事ソツがありません。ま、天与の才、っちゅう感じのエンターテインメントを身につけてるのかもしれません。
それからすると Carey Bell は、なんだかもっとナチュラルに、「生きているそのままのテンションで」当たり前なブルースを紡ぎだしているんじゃないか、てな印象があります。
そんな彼のアルバムのなかでは、この Deep Down、実に充実したバッキング陣を与えられて、珍しくアグレッシヴな Carey Bell が描き出されたのではないでしょうか。

ま、ワタクシ、なんたってこのアルバムにはかなり入れ込んでますので、ハナシ半分くらいに受け止めていただいても結構ですけどね。

市の西側、岩木川の川沿いにショッピング・センターがオープンいたしました。
もちろん、さっそく「視察」に行ってまいりましたよ。
なんですか、今後は郊外型大店舗の新規開店に対する規制が強まるとかで、当地区では最後の(?)新設になるのかもしれません。
さすがオープン人気(?)、ひともかなり入っていましたが、なんか入ってる店舗の魅力みたいなもんじゃ、五所川原エルムに負けてるよな気がするなあ。
あっちのほがオモシロい店があるし⋯

でも、これでまた旧市街はさらに落ち込むのかも。
クルマじゃ不便でしょーがない、っつう古い町並みも、逆転の発想で、クルマなんか無くたって、雨の日も雪の日もまったく濡れることなく買い物にも行けるし病院もあって、幼稚園に学校もある、なんて高密度な市街地を形成するために、上階はすべてマンション、みたいな高層化で人口密度を上げる、ってのが解決策になるんじゃないの?
それだったら除雪の効率(除雪距離当たりの受益居住者数が多い!)も上がるし、暖冷房のエネルギー効率も上がるので環境にとってもいいですからね。

もういいかげん、郊外に一戸建てがオトコの甲斐性、なんて発想は捨てないと⋯

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