Cadillac?

Alligator Tales vol.61


06-12-14 THU.




前作の AL-4815、Back Where I Belong で「戻ってまいりました」宣言(?)をした Billy Boy Arnold の、言わばアメリカにおける彼自身のアルバム第二弾、とゆうことになりますね。
そのときもバックを務めたのは Los Angeles のブルース・バンドらしい the Taildraggers っちゅうたぶん白人じゃないか?っちゅうのをバックにしておったんですが、今回の AL-4836、Eldorado Cadillac でもバックは昨日の「ステディ・ローリン」ボブ・マーゴリン一味(?)なんですねえ。
ワタクシはよく、フロント・マンがちゃんとした個性を持っていたら、バックは白人でも一向にかまわん、てなことを言っておりますが、ただそれにはもちろん条件がありまして、バックがそのフロントマンに対し「充分な敬意を払っていること」が必要なのは言うまでもありません⋯
なんてことを改めて言う、ってのは、どーもこの場合ちょっと「?」な印象があるからで、いえ、もしかするとちゃんと敬意は払ってるのかもしんないけど、こうゆうギターしか「弾けない」から仕方なかったんですかねえ?
この Sunday Morning Blues などでのえげつな~い「お下品な」トーン。
それが「チープなトーン」だってんなら、それはそれでいいんですよ。
でも、ここでの「ステディ・ローリン」君のギターは「逆にリッチ」、それもリッチ過ぎて、そのままじゃフロントのヴォーカルが埋没してしまう、てな懸念からでしょか?やたら Billy Boy Arnold の声にリヴァーブを掛けてるんですよねー。
しかもそれがいったい誰の趣味なのか、現代のクリーンなディジタル系のリヴァーブではなく、(たぶんわざと)狭帯域感のあるローファイな、1950 & 1960 年代チックな R&R っぽい残響を付加して浮き上がらせようとしたんじゃないか、っちゅう感じで、おかげでそのヴォーカルが、まるで Little Charlie & the Nightcats みたいになっちゃってます。(しかも「皮肉なことに」Little Charlie のギターのほうがブルージィだぜ!)
ですからむしろ Man of Considerable Taste みたいな「ブラス比率の高い」曲のほうがブルース度(?)は高いよな感じでございます。

ただ、こんなこと言うとなんですけど、このアルバム全体を通して、なんだか Billy Boy Arnold っぽさ(ってのはどうゆうとこにあるんだい?なんて訊かれると、まあ、それもまた説明に困るんですが)が「薄い」よな気がしてしょうがありません。
前作の Back Where I Belong では音全体に「厚み」が無く、それが逆に Billy Boy Arnold のエグみ(?)を浮き上がらせてくれてたものが、今回のアルバムでは、なんだか音を作り込み過ぎてるっちゅうか、厚く豪華に、かつヴァラエティに富むカラフルな出来になったぶん、彼の持ち味が埋没してしまってるんじゃないのかな⋯
もっとも、本人がこういうサウンドを指向してた部分もあったから「こうなっちゃった」可能性もありますからねえ。プロデュース陣の一角に本人も名を連ねていますから。
前作では「戻ってまいりました」的側面を強調したぶん、今回は「今の Billy Boy Arnold を!」みたいな力点もあったのかもしれません。
そして前作よりはバックが「ウルサい!」っちゅう意味で、個人的には「マイナス評価」ってとこですが、それはもちろん聴くひとによるでしょう。
録音は Chicago の Chicago Trax で Additional Recordings が Rax Trax( Chicago )、ミックスダウンは同州 Palatine の Studio 53。そしてマスタリングはいつもの Monster Disc です。

さて、続く AL-4837 は、ってえとコーリー・ハリスかあ⋯
Between Midnight and Day でデビューした「現代のインテリ」でありながら戦前の弾き語りのカントリー・ブルースを「再現」してるよなひとでございます。
そしてもちろん、世の中にはこゆのが好きな方がどっちゃりいるみたいですねえ。
ま、ワタクシの偏屈はいまに始まったことじゃないし、そこらはみなさまも既にアキラメておられることでしょうが、そう!予想どおり、ワタクシ、この手のブルースを「いい」なんて思うワケはありません。
申し訳ないけれど、ワタクシ、このアルバムって「カタチばかり」で、ブルースのココロを感じません。きっとそんなワタシのココロが汚れておるのでございましょう。
Virginia 州 Springfield の Bias Recording Co. Inc.で Monster Disc のマスタリング。

でもって、次の AL-4838 ってのもなんだか同じ匂いがすんな⋯
まあね〜、こゆのを歓迎する市場が現に存在する以上、そこを狙った製品を投入して会社の経営基盤をさらに強化する、ってのは「実業家」としてはとーぜんでございましょ。
いえいえ、いいんじゃないですか?きっとこの期に及んでアコースティックでプリミティヴなスタイルでブルースをやることにもなにかしら重要な意味があるのでございましょう。
判らないものを、判らないからって貶してはいけませんね、はい。
貶さないかわり、語るのもヤメときましょ。


とある個人クライアントからの依頼で新たなブログを準備することとなり、ともかくひととは違う感じで、ということでしたから、海外のブログ・サービスでしかも日本語表示に対応したとこをサーヴェイしておりました。
いやあ、結構あるんですねえ⋯ってこれは国内向けの PC で見ているから「ちゃんと」表記されているだけで、おそらく非日本語対応の PC ではなにやらワケ判らん「超文字化け」状態の暗号みたいな文面になっているハズ。
そこだと、どうやら検索もルートが違うせいなのか、アップした記事の内容を一般の検索サイトで探して出てきません。
ご本人はだいぶ慣れてきたらみんなに公開したいんで、それまでは誰も偶然に立ち寄ったりしない、だからとーぜんコメントなんて書いてくひともいない、っちゅう状態が理想だ!なんて言ってましたから、その意味ではまことにケッコーてなもんでしょか。

どうやらいまのとこ訪問してるのはすべて海外のブロガーばかりで、するととーぜん、なにが書いてあるのかすら(しかも文字化けしてますから、おそらく Japanese → English の翻訳サービスも使えないはず⋯)判りませんから、「読まれた」ことにはなりません。

うん、なかなか面白い手だ!


見た目はパっとしませんが、それでも空を仰ぐと少しにじんだ太陽が見え、気温は案外、低くない、という一日でした。
高崎から、次のアポが石川ですからここは平川の河川敷を強行突破!と思ったら、あらら、雪なんて完全に消えてしまってました。


102 号線の橋の下ではずいぶんリキの入った「落書き」を発見。


ふだんは一段降りた、ほんとの川沿いの道を行くのですが、この季節になるとやっと植物に塞がれていた土手の上も見通しが良くなって通れますから、今日はこのセクション、「お初」でございます。

もはや遠景の山並みはすでに「冬」の眺め。
こんなとこ、こうして走れるのも、年内はもう二度と無いかも⋯

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