White is white

Alligator Tales vol.75


06-12-28 THU




1998 年の最後は、AL-4862 で、Little Charlie and the Nightcats の Shadow of Blue。
なんだか、バックの音を聴いているかぎり、昨日の Kinsey Report よりも「いわゆる」ブルース!てな仕上がりなんですよね。
以前はもっと「ロックンロール色」が強かったような気がするギターも、ここでは丸くなり、Got It Good なんてナンバーじゃ、まるで Little Walter?っちゅうハープに、これまた 1960 年代っぽいバッキングするとこなんて「見かけ上の」ブルース度はメッチャ上昇しておる⋯部分もあるのにナゼ?と言うと、それはヴォーカルでしょね。
黒人のブルースを「ココロから理解して敬意を払っておりますぅ」なんてカン違いをせずに、だってワシ、白人じゃけぇ、と「これでもか」的に白人らしさを強調したこの歌いっぷり!尊敬に価します、ホントに。
まるでバックのサウンドが(自分のギターも含めて)よりブルース度を高めてくのに反比例するかのよに、いっそう白人ぽさが強化されてってる(あ、対比で目立つよになっただけ、っちゅう可能性もあるか⋯)ように思えます。
なんだかこのバッキングをそのままで、ヴェテランのブルースマンをフロントに「懐かしのシカゴ・サウンドを再現したい」なんて時代錯誤なマニアが夢想しそうなくらい、どっかで聴いたサウンドと、あっけらかんと「ろけんろー」的能天気で飛び回るヴォーカルの結合は、ちょっと不思議な世界を現出させますねえ。
少なくとも、クソ真面目な顔して、ブルースに真剣に取り組んでおります!てな「いわゆる白人ブルース」より何十倍も爽やか、と思うのもこれまた私だけなんでしょね。がはははは
録音は California 州 Sacramento の Paradise Studios で、そこでもしてますが同じく California 州 Richmond の View Studios がミックスダウン、マスタリングは Chicago ではなく、これまた Los Angeles の GKS Entertainment と、すべて西海岸で仕上げてあります。で、Bruce Iglauer の名はどこにも登場しておりません。

ということで 1999 年になりますが、そー言やあ世界の最後が⋯なんてハナシがこの頃にありましたねえ。あれを騒いでたヤツらってちゃんとセキニンとったんでしょか?⋯ま、もっとも、いま現在がそれを笑いとばせるほど「良い世界」になっているとは誰も言えないでしょうけどね。

さて前作 AL-4838、Cool Downでは

こゆのを歓迎する市場が現に存在する以上、そこを狙った製品を投入して会社の経営基盤をさらに強化する、ってのは「実業家」としてはとーぜんでございましょ。
いえいえ、いいんじゃないですか?きっとこの期に及んでアコースティックでプリミティヴなスタイルでブルースをやることにもなにかしら重要な意味があるのでございましょう。
判らないものを、判らないからって理由で貶してはいけませんね、はい。

などと憎まれ口を叩いておりましたが、案の定、リッパに支持されて、二枚目の登場でございます。
おそらく、こゆのが好きなひとは、ここなんて読んでいるハズがない、っちゅう「決めつけ」から、今回もこの方たちについては「パス」。
ま、前回はアルバム・タイトルすら書いてませんでしたが、今回はそのくらいは書いておくとするか⋯
AL-4863、Cephas & Wiggins、Homemade。どんなに忠実に再現しようがニセモノはニセモノ。

続いては、またしても Deluxe Edition の三連発です。
AL-5605 が Hound Dog Taylor で、AL-5606 は Katie Webster、続く AL-5607 はウィリアム・クラーク(こいつ⋯うっぷす、こ、この人についちゃ江戸川スリムさまのサイト、BlueSlim 内の WABI's BLUES BOX で面白いエピソードが掲載されておりました。よかったらそのページもご覧になってくださいませ)。

まず Hound Dog Taylor ですが、既出のすべてのトラックはリマスタリングが施され、さらに今回、このアルバムのために 1974 年 1 月18日、Illinois 州 Evanston の Northwestern University でのライヴを WXRT-FM が収録した音源から Phillips' Theme、同年11月の22から24日にかけて行われた Ohio 州 Cleveland の Smiling Dog Saloon でのライヴを WMMS-FM が収録していた音源から Ain't It Lonesome? 、という二曲の未収録曲が突っ込まれております。
いくらリマスタリングで音が良く(?)なっているとは言え、すでに出てるアルバムには収録されているワケですから、その二曲と、そして同梱されるブックレットにカネ払ってるよなもんですね。
あ、もちろん、これまで Hound Dog Taylor は友人から借りたのをコピーしてたけど、一枚、自分でも買いたい、なんて方にはいいかもしれません。
ただ、今日び、iTunes で編集して「マイ・ベスト」を作っちゃう、なんてのが主流になってきてますから、こうやってレコード会社がセレクトしちゃうことの「功罪」ってものも、そろそろ意識され始めてるんじゃないかなあ。
この選曲を見ても、なんであれが入っとらんのじゃあ!って声は出て来ると思いますんで。

次の Katie Webster の場合でも同様に初出のナンバーが二曲( Hallelujah, I Just Love Him So と The Love You Say May Be Your Own )含まれておりますのでコレクターのみなさまはガンバってくだされ。


どうも、あんまり年末気分が盛り上がらないなあ⋯ってのは、ヒョっとすると、まるっきり雪が見当たらないとっから来てるのかもしれませんねえ。
そりゃ降れば降ったで文句タレるのは「お決まりのパターン」ではあるのですが、今日だってほとんどの用事は自転車で済ませることが出来ましたし、その後だって雪じゃなくて雨なんだもんなあ。
ま、あまりゲンミツなるデータの突き合わせで証明されとる、っちゅうワケではないようですが、暖冬の年は冷夏になる、とか、天候不順になりやすい、てなことも言われています。
近年、だんだんとそんな俗説すら通用しないよな「こんなの初めて!」っちゅう気象災害が起きるケースが増えているよな気がしますが、なんにしても、「悪い方に」シフトしてってるよな感じですよねえ。
子供たちの世代、孫たちの世代がメインとなる頃の地球はいったいどんなふうになってるもんだか、ちょっとコワいくらいです⋯

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