Under the Spell

Alligator Tales vol.76


06-12-29 FRI




まずもって Corey Harris の場合は、歴史的名曲の再演(再現、と言ってよいものまであると思うけど)に過ぎないじゃないか、ということで、特にデビュー・アルバムなどは「無視する」に等しい扱いだったのですが、ここに来て、前作でも少しはその萌芽が見られた、彼自身の音楽にする、という方向性がやや鮮明になって来ておる、とゆうことで(エラそうじゃのう)ここではカタカナ名からシフト。
ただし、おそらく、そのデビュー作でファンになった、なんてゆうノスタルジックな層からは、このアルバムってあまり評価されないかもしれませんねえ。

AL-4864、Green from the Garden では、彼が教師として勤務していた Louisiana の音楽環境やら、あるいは大学卒業後、Pidgin English の研究のために赴いていたアフリカのカメルーン(そう、彼はバリバリの「インテリ」なのじゃ)で触れた現地の音楽、そのようなトランス・アトランティックな(ってふつー、アメリカとヨーロッパっちゅう意味で使うことが多いようだけど、モチロンここじゃアメリカとアフリカ、ね)音群を、たとえば New Orleans 風なブラス・バンド的なアウトフィットで提示したり、さらにはおそらくケイジャンをルーツとするサウンドを借りてみたり、とけっこう面白い位相へと変化してて(もっとも相変わらずの復古調もヤメちゃいませんが)ま、そこら、さすがインテリじゃのう、てなもんですが、おそらく、これまでのアルバムを「いい」と思ったひとの大半は、こんな Corey Harris にはキョーミ無いかも⋯
New Orleans の The Funky Butt でのライヴを録音した Congo Square Rag と Honeysuckle 以外の曲(ただ、Teabag Blues は Dublin の Totally Wired Studio で録音され、同じく Dublin の Windmill Lane Studios でミックスダウンされた、っちゅうクレジットもあって「?」)は Virginia 州 Charlottesville の Paragon Studios で行われ、同じく Charlottesville の Virginia Arts でミックスダウン、マスタリングはこれも Virginia 州 Springfield の Airshow Mastering でなされています。
Bruce Iglauer の名前は出てきてませんねえ。

さて、前作ではその Bruce Iglauer の決断(たぶんね)によって、「シカゴのスタジオでシカゴのミュージシャンをバックにシカゴのレコード会社に録音する」っちゅう夢を果たすことが出来た Dave Hole でしたが、これはまたまたオーストラリアでの録音です。
AL-4865、Under the Spell(「呪われて」?)。う〜ん、このタイトルがある意味、この出来を表しているかもしれません⋯
なんだか、なまじ「あんな経験」をしちゃったもんで、ミョーに硬直してる、っつうか「いまだに呪縛が解けずにいる」よな気がするぞ。
音的にはとっても安定しております。
でも、それが魅力に結びついておるか?となると⋯ん〜、どうなんでしょ?
以前にはあったよな気がする、「ブルース出来てメッチャ嬉しい!」みたいな、ま、こっちが「おいおい、いいのか?それで⋯」と言いたくなるよな一直線の暴走みたいな勢い、っつうんでしょうかねえ、そんなものが魅力でもあったように思えるのですが、なんだか、このアルバムじゃ、そもそも走ってない、っちゅう感じなんですよね。
いえ、そりゃブルースとしては「走ってる」ことがプラスになるワケじゃありません(どころか、ヒョっとしたらマイナスかも?)。でもね、彼の持ち味ってそういった「バキュ〜ン」さ(?)にあったんじゃないの?
なんだか最初は気に喰わなかったけど、これなら少しはいいかな?ってのもあれば、おやおや、最初は良かったのになあ、ってのもあって、まことに様々でございますねえ。


昨日のハナシになりますが、自転車で外回りの途中(と言うにはかなり無理矢理なルートなんで、ホントなら外回りを「中断し」、が正しいかも⋯)りんご公園方向の「佐藤餅店」を覗きにいきました。
そう、お目当ては「おいなりさん」!
でも、やはり、っつうか「おいなりさん」はいっこも無く、かわりに「のし餅」っての?あの長方形に「のした」でっかいお餅、そして鏡餅がいつものケースに並んでますよ!
そうだよねー。
餅屋って、本来、こんなふうに「搗き賃」をもらって餅を搗くのが「本業」なんだもんね。
「おはぎ」やら「おいなりさん」は、そうゆう注文が無いヒマなときの副収入てなもんなのかもしれません。

そう言えば、最近お餅って食べてないよなー、と言ったら、「ほら、こないだのお好み焼きで餅チーズ食べたじゃない!」だって。
げげ、た、確かにそんなもん喰った記憶はあるけど、あれ、「お餅を食べた」なんて実感はぜ〜んぜん無いんですけど。


さて、また新しいお店です。とは言っても、開店したのはもっと前じゃないでしょか。
今年の前半から黒石の伝承工芸館の浅瀬石川側、「こけし博物館」のお向かいにある民家が売りに出されていたのですが、秋以降、そこが「花いちもんめ」という古着と(!)「そば・うどん」の店としてオープンしたのでした。

最初に行ったときには、まだ古着の商いだけで、そば・うどんの部(?)は準備中でしたが、「もういくらなんでもやっとるじゃろ」と、黒石へ行ったついでに足を伸ばしてみました。
昼時ですが平日のせいか、お客さんは他に地元のおばちゃんらしき方々が四人ほど。

なんたって古着屋さんも兼ねている(!)だけあって、座敷の周囲の廊下と仕切る障子前やら鴨居からは「ずいぶんと」古びた和服、そしてタマに洋服などが下げられ、もの凄~く「異様なムード」。
まさに古い民家らしく、座敷の外に廊下が巡らされており、外側にもガラス障子は入れてあるのですが、「どこからともなく」忍び入る冷気のせいで、全部つないで 40畳ほどの座敷にファンヒーター三台では、「外よりは暖かいでしょ?」てなレヴェルでございました。
メニューを拝見すると、およよ、ラーメン?焼きそば?しかも「もり」は無くて「ざる」?
うっひょ~、こうゆうとこではだいたい「大ざる」なんて頼むと後悔するパターンが多いんで、「ざる&タヌキ」でいきましょう。これならいっこダメでもなんとかなる、と。
で、ケツロン。まっこと正解でございました。


ざるはマズい、ってワケじゃないのですが、ツユがやたら甘いですね。で、その色の割には塩分もキツい、っちゅう、ま、良く言えば、実にハッキリした味で、逆に好感が持てます。
タヌキのほうも見た目より塩分が強く、あとでノドが渇きそうでしたが、少なくともそばとして食べてる間はなかなか「よろしい」。
これ、夏場の冷やしタヌキなんてのも楽しめるかもしれません。


ただ、古着から由来するのではないかと思うのですが、なんとも独特な匂いが漂っており、ひとによっては嫌う場合もあるかもしれませんね。
ま、焼きそばなんかだと、んな匂いにも負けないかもしれないんで、こんど、そこらもチェックしてみよかな?
味的に素晴らしくてリピーターになる、ってのではぜんぜんないんですが、ケッコー、オモシロいんで、も少し行ってみよかな?っちゅう存在でしょか。

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