Win? or Loose?

Alligator Tales vol.82


07-01-08 MON.




え〜、みなさまお察しのとおり、わたくし、Koko Taylor をはじめ、青森にも来た Bonnie Lee、はたまた Big Mama Thornton などと言った、いわゆる女性ブルース・シンガーがあまり好きではありません。
ただし、それが他のジャンルではそんなことも無く、たとえば Be My Baby を歌う The Ronetts の Veronica Bennett( Veronica の愛称 Ronnie とその苗字 Bennett を合成して Ronetts になった、と聞いた記憶が⋯)の声なんてだ〜い好きだし、また I'm Livin' in Shame などでの the Supremes の Diana Ross、あるいは Smooth Operator の Sade Adu⋯と黒人女性の声自体が嫌いなワケではまったくないんですよねー。
え?好きだってのぜんぶ痩せてる?だはは、そういう突っ込みを期待してわざとそういう並びにしてみましたが、デブ系で「いい」のもいます。
例えばあのベルリン・ライヴでの超高速 How High the Moon を歌う Ella!
⋯ま、実はブルースの世界でだって例外ってのはありまして、あの 1972 年の Ann Arbor での Lucille Span の絶唱、Dedicate to Otis や、かなり枯れてきていい味だしてた Woman Be Wise の Sippie Wallace とか、ってのは好きなんですが、どうも「きっちり」作り込まれたバリバリにパワフルな見た目も「どすこい」な方々のブルースにはどうもいまひとつのめり込めないんですよ。

いえいえ、もちろんアーティストとして素晴らしいタレントをお持ちであることは否定いたしません。
その歌唱力、スキル、強い意志、どれをとっても、さすが Recording Artist!てな「輝き」に満ちております。
ま、もしかすると、女性ブルース・シンガーにつきまとうそのような「スター性(?)」が気に喰わないのかもしれませんけどね。
ま、誰とは言いませんが「おいおい、このしょぼくれたおっさん、どっから見つけてきたんだよ?」てな、パワーもスキルも、おまけにヒョっとしたら生きてく意欲さえあんまり無さそな爺さんが、凄え味のあるブルースを演奏してくれる、なんてのとちょうど対極にある、って感じかな?
そんなのだけがブルースではないし、別にパワフルでスキルフルだって構わないんですが、どうも「図式化」されてるっつうか、ひとつのパターンに収束してってるみたいなとこがあるように思える⋯なんてのもまあ、例によってワタクシの「妄想」でございましょうから、あんまり気にしないでくださって結構ですけど。

と長々と前置きがあるので判るとおり、またまた大好評(らしい)Shemekia Copeland の登場だからなんですねえ。
AL-4875、Wicked はこれまたキッチリと作り込まれ、彼女の魅力をフルに発揮すべく(って割にはちとロック色が薄れてるのが気になりますけどねえ。ま、そこら「売る側」の要求だったのかそれとも本人の⋯?)バックはさらにクォリティ高く、しかしそこそこ控えめに、かついっそう都会的な洗練も加え⋯てるよな気がするけど、これって彼女の以前からのファンにとってはどうなんでしょね?と要らぬシンパイなんてちょっとしてみました。
ワタクシ自身はこの Shemekia Copeland、決して嫌いではありません。
ただ自分でもアルバムを買ったり、あるいはたとえ一曲だけでも、あ、この曲いい!とダウンロードしてみたりする気にはまったくなりませんが。
それでも前のアルバムと比べ、え〜?この方向性でいいの?てな「ささやかな」疑問が萌したってのも事実で、ま、そこら音楽業界のプロがそう判断したからには(ってケッコーそれでコケてる例もあるんですけどね)こっちがしのごの言う立場ではございません。
ホントはこんな Alligator Records 特集やるんなら、社外秘のハズの各アルバムごとの売れ行きデータなんて欲しいとこなんですが、それは無理っちゅうもんでしょ。
ま、それが判ったからって、それで会社の戦略の当否を判断することなんて出来ないのはとーぜんでして、それを受け入れる側の消費者サイドだって流行やら世界的な事件とかで「いきなり」嗜好が大きく変化したりするワケですから。
ま、そんなことは会社の経営陣がシンパイすりゃいーことで、ワタクシが「趣味で」どーこー言うモンダイじゃありませんからいいんですが。

録音にはゲストも多数参加してますが、ま、そこらはクレジットを見てください。かなりおるので。
New York の Sorcerer Sound でレコーディングが行われ、同じく New York の Studio 900 と Las Vegas の Digital Insight で Additional Recording。
ミックスダウンは New York の BMG Studios で行われ、マスタリングはいつもの Monster Disc でした。
このアルバムでは最初の録音から Bruce Iglauer が関与しているようです。

さあて⋯ふぅ。次の AL-4876 なんですけどねえ。
ま、ジャケットの写真も良くないのかもね。なんだかアメリカン・ヒーロー・コミックに出て来そうなマッチョなんだかデブなんだかよー判らんキショいこのスタイル。なのにボーイッシュな声⋯なんだかしっくり来ん!
ま、唯一 Moonlight Blues で Elvin Bishop がスライドで参加、ってのがあるから、こうしてちょっとは触れてるけど、でなきゃタイトルだけでおしまい、ってクチだな。
つーワケでラスティ・ジンで The Chill。録音は California 州 Richmond の Bay View Studios でございました。

⋯と、これで 2000年も終わり、いよいよ明日からは 21世紀です。



どうやら風もおさまって、昼前には青空も見えて、時に風花が舞うものの「意外と」いい天気で、もちろん路上には雪ゼロ。
いったい誰のココロガケが良かったんでしょねえ?
ま、ワタシじゃないことは確かですが。


成人の日だっちゅうことで、また全国の成人式でこんなバカが!って報道が増えるんでしょか。
そんな新成人を育てちゃったのが自分たちだ、なんてことを棚に上げてコメンテーターとかゆう猿どもがエラそうなこと抜かしくさるんでしょねえ。
あんなつまらん催しにみんな最後まで我慢してくれるハズ、なんて思うその感覚がどうかしてると思うんだけどなあ。
そしてその前に 20 才になったからってどうだって言うのよ?っちゅうコンポンテキな認識がまず不思議。この日から急に大人になれ、なんて言ったって、もっと年くってるのにちゃんとしてないヤツばっかの社会を「もう知ってますから」ねえ。
な〜にをエラそうに、てなもんでしょ。
人間の成長なんて年数とリニアに相関なんかしてません。それを理解できないとまたムダな騒ぎの繰り返し⋯
ま、風物詩みたいなもんになっちゃえばそれはそれでいいんだけど(?)。

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