Crucial?

Alligator Tales vol.85


07-01-11 THU.




さて、2003 ってなると字面があまりよろしくないですねえ⋯ま、しかたないんですけど。

2003 年の Alligator は、またまったく新しいシリーズをでっちあ⋯うっぷす、スタートさせております。それが Crucial シリーズっちゅうか、要はこれまでのアルバムのなかから抜粋したテーマ別「寄せ集め」てなもんでしょか。
Crucial には「決定的な」とか「最後の」てな意味合いもあるようですが、ここではスラングとしての「スゴくいい!」あるいは「スゲえ!」てな意味合いで使われてるんじゃないでしょか。

AL-114: V/A : Crucial Guitar Blues
AL-115: V/A : Crucial Harmonica Blues
AL-116: V/A : Crucial Chicago Blues

三つ目はちとナンだな、てな感じがありますが(というか、他の楽器、例えばピアノなどでアンソロジーを編むほどのストックは無い?)ま、初心者向けのブルース・ガイドにはなってるんでしょうかね。

Guitar では Luther Allison をはじめ Michael Burks、Albert Collins や  Son Seals に Gatemouth Brown。そしてとーぜん入れないワケがない(?)白人ギタリストどもまで収録されております。
ワタクシと違って人種的偏見(ま、ワタクシは「定見」だと思っておりますが)が無い Alligator ですから、この基本姿勢は他のアルバムでも同様で、次のハープのアンソロジーでは Big Walter Horton & Carey Bell、Billy Boy Arnold、Sonny Terry、さらに Harp Attack からは Junior Wells & Billy Branch、そしてそれとは別に単独で James Cotton、Carey Bell のそれぞれのアルバムからも抜粋されており、他にもっちろん白人ハーピストも収録。
⋯と来ると三つ目の Chicago Blues ってのも?と思いきや、意外に(意外に?)もマジメに、ちゃんと Real Blues だけでまとめてあるのはさすが(?)ですねえ。
収録されているのは Luther Allison、Koko Taylor、Junior Wells、Hound Dog Taylor and the HouseRockers、Son Seals、Carey Bell、Magic Slim、Lonnie Brooks、Pinetop Perkins、Lil' Ed and the Blues Imperials、James Cotton に Fenton Robinson⋯
このヘンはまあまあ、良心的なセレクトと言えるかもしれません。どのアーティストからどのナンバーを選ぶか、なんてとこじゃそりゃ「好み」っちゅうもんがありますからマニアからはイロイロとありそうですが、まあ、とりあえず Alligator の代表的ブルースマンの紹介としちゃあいいんじゃないでしょか。

ただねえ、iTunes でダウンロードして自分なりに集めて聴く、しかもシャッフル再生で、なんてのが主流になりつつある昨今、もはやこうゆう「寄せ集め」アルバムの意義ってどうなのよ?てな気もしますけどね。
まあ、いろんなひとがいますからそれなりのニーズはあるのかもしれませんが。

続く 4枚は通常のアルバムで

AL-4889 : Roomful of Blues : That's Right!
AL-4890 : Dave Hole : The Live One
AL-4891 : Marcia Ball : So Many Rivers
AL-4892 : Michael Burks : I Smell Smoke

と、4枚だけですから、前年より一枚減ってます。ま、言い方を変えれば 21 世紀に入ってからは毎年一枚っつリリースするアルバムが「減ってる(!)」とゆうことになりますねえ。

最初の Roomful of Blues っての、まあ、なんと言うかブルース版のディズニーランドっちゅう感じでしょかね。
なんだか良く出来たショーを観せられてるみたい。
は〜い、いかがですかー?ブルース、たのしんでいただけましたか〜?っちゅうノリやね。
まるでエレクトリカル・パレードみたいな「とっても判りやすい」楽しさを追求しました、みたいな⋯
いや、よろしいんじゃないですか?ワタシゃゼッタイ買いませんけど。

それとは対照的にある種「クドい」とも言える濃さがあるのが Michael Burks の I Smell Smoke でしょ。
このアルバムからは過去に二曲を BLUES Diary でも採り上げていますが、やはり「ハイライト」は一曲目のナンバー、あの Dion Payton でお馴染みの All Your Affection Is Gone でしょうねえ。
ちょっとそう言ってしまっては斬り捨て過ぎ、と言えないこともないけど、この一曲にこのアルバムのすべてが「ほぼ」集約されている、てな感じかな?
ま、実際には Lie To Me(と言うと紛らわしいけど、あの Don't Lie To Me とはぜ〜んぜん違う曲です)みたいな、もはや「スロー・バラード(?)」てな、ソウルに傾斜したよな曲も混じってはおるのですが、やはり彼のヴォーカルってのが、全体的なロック・テイストのアレンジメント向きで、あんまりしっとり歌われてもなあ、っちゅう浮遊感が(つまり、なんだか聴いてても落ち着かないんですわ、どっか。まあ、単に好みの問題かもしれませんが、そこらは Carl Weathersby のほうがしっくり来ます)やや居心地を悪くする、と。
でも、このアルバムは個人的に気に入っております。
フと、Gibson 系のハムバッキングもいいよな〜、なんて日和りそになるくらいに、ね。


ようやく雪が!
積もり「かけ」てる!
ん〜、除雪車が出動するかどうかビミョーなとこではあるけど⋯

てなワケでとても冬らしくなりました。


この通りは、弘前市の西側を北上する岩木川を越え、そのまま「ず〜っと」辿って行けば日本海に面した「鯵ヶ沢」まで続く街道筋、「浜の町(はまのまち)」の様子です⋯

あ、その鯵ヶ沢まで行くワケじゃなく、この先に市内でいっちゃん安い価格のガソリン・スタンドがあるので給油しに向かってる途中ね。

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