ウワサの二人

02-10-03
さて、りっきーさんからのヴィデオ、Les Paulおじさんの’88年の、などもあるんですが、なんといっても、アルバム「Aja」にまつわる Steely Danの(というより Walter Beckerと Donald Fagenの)エピソードなどを本人たちのコメントや収録風景を交えてヴィデオにしたもの、これがスゴい!
表立ったサウンドだけ(でも、そーとーなもんなんだけど)じゃなく、バッキングのそのまたバッキング(?)あたりまで、どれだけ神経を配っているのかを知ることが出来たのですが、普段やってるセッションでの完成度なんて、Ajaを100とすれば7か8くらいのもんですね。そして参加したミュージシャンのレヴェルが、これまた半端じゃあない。
普段、ブルースはアドリブ!出たとこ勝負じゃ負けないぜ!なんてウソぶいてましたが、その「アドリブ」のレヴェルにしてからが、「濃密さ」「独創性」など、もう問題外なんですよ。比較になりません。
なんて言うと、え〜たいしたコトないよ、あれくらい叩けるぜ。なんて言い出すアンポンタンが出てくるんですが、そりゃおめえ、CD聴いてその通り叩けるっつーだけだろ〜が!(しかもホントはリズム感ワルくてグズグズ、「その通り」にすらなってねえ)ナニも無いとこからあのリズムを創造出来るか、っつうの。ゼッタイ無理だね、そんなコト言ってる程度のアタマじゃ。
と、ドラムにこだわるってのも、やはり「Aja」のキモはリズムだ、と思うからなんですよ。ギタリストのはしくれとしちゃあ悔しいけど、Ajaでのギターは、かなりプライオリティが低いと思うんですよね。なんだったらギター居なくても充分イケるんじゃないか?って気がするくらい。その点、ROYAL SCAMがギタリスト天国(はちょとオーヴァー?明らかにこのフレーズ、「ちょんまげ天国」にインスパイアーされてますな)だったのとは対照的、と申せましょう。
その意味では Wayne Shorterの証言(?)の一方で、それと絡む Steve Gaddが登場していないのがマコトにザンネンでございます。初めてこのアルバムを聴いた時に一番「来た」のが彼のドラムでしたからねえ。
ベースについては、以前りっきーさんにも伝えたことがありますが、DEACON BLUESでの Walter Beckerの変態ベースが実は一番の「お気に入り」だったのですが、このヴィデオでは、彼自身の証言として、もう入っていた音と音を接ぐステップを乗せた、みたいなコトを言ってます。にゃるほど、リアル・タイムで弾けるようなフレーズじゃないもんなあ。ありえないよなスケールで降りて来るとこがイイんですよ。うへ〜!って感じで。
Chuck Raineyのベースも、もちろん素晴らしいのですが、(じゃオマエやってみろ、と言われたらゴメンなさいなのですが)ベーシストとしての「常識」に囚われているために、安心して聴ける一方、驚きが無いんですね。その意味で Walter Beckerのイマジネーションのレヴェルに追いついていないような気がします。
なんにしても、彼等がアルバムを作るに際して、サポート・メンバーに要求するレヴェル(決してスキルだけではなく、音楽性そのものとも言うべき)の高さは、実に驚異的なものです。その替わりと言っちゃナンですが、もはや彼等の曲は「ギターでは弾けない」ものになっちゃってるような気がします。別にいいんですけど、一沫のサビシさが・・・
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