Born to be Blue

02-10-08
大体の日本人の音楽的履歴ってのを考えてみると、まず乳幼児期には、おそらく家庭のテレビからの「幼児向け番組」の歌や音楽に始まり、アニメの主題曲、そして幼稚園でのお遊戯や唱歌。
で、もうこのころにはリッパに?CMにも汚染されていることでしょう。
そして小学校に上がるころにはアイドルにハマったり、と、もはや学校教育の「音楽」はほぼ完全に生活とは乖離しています。
およそ中学校のころには大半が音楽への興味を失い、例えばスポーツであったり、家庭用やアーケードを問わずゲーム機に夢中になったり、いろいろな「趣味」の雛型に接近して行くワケですが、なかにはロックや J-POPS などの学校教育では出会わない音楽に向かう少数派もいます。
そして高校生くらいにもなると、それも細分化されて、「音楽」を聴くのが好きな層、自分で歌うのが好きな人たち、楽器を弾くことに集中する人・・・

でも、この時期までに、「ブルース」に触れた経験を持つ人はどれだけいるでしょうか?
もちろん、マニアが聴けば、あっ!このBGMはサニー・ボーイだ!なんてのが、TVドラマやヴァラエティ番組でちょいちょいあるのですが、普通の人の意識まではたしてのぼっているかどうか?
ここで乱暴に分類してしまうと、フォークからカントリー・ブルース系に辿り着き、ブルースに入ってくる場合と、ロックからブルージィなロックあるいはホワイト・ブルースなどを経てバディ・ガイなどのバンド・スタイルのブルースに到達するケース。
現代のアメリカにあって、若い黒人たちですら、「ブルースだけを聴いて育った」なんてのは、もはや稀有なケースだとは思います。
しかし、それでも、幼児期になにげなく聴いていたのが「ブルースであった」可能性はありますよね。
さらに、純粋なブルースではなくとも、その周辺の音楽、R&Bやソウルが耳に入ってくる率はかなり高いのではないでしょうか。

日本では、そもそも、ブルースをはじめとする「ブラック・ミュージック」の中で育ってきた、なんて層は(皆無ではないようですが)ほとんど居ないハズです。
いまMACさんの「巣」に代表されるブルースのサイトに集まってくる方たちにしても、たいていは「後天的に」(ってのもヘンだけど、一応、便宜上のハナシとしてね)ブルースに出会い、惚れ込んだり、興味を持ったりして深く関わり出した人たちだと思うんですよ。そのイミでは、ブルースしか知らない、なんて人はおそらくいないでしょう。
みんなそれぞれ、いろんなスタンスでブルースに絡んで来ています。

また、私やりっきーさんみたく、ブルース、もちろん好きだけど、一方ではアンビエント系やエスニック系、Steely Dan のようなスタジオ・ミュージック系(なんて分類は無いと思うけど)まで、めちゃめちゃ幅広く聴いているのもいるんですよ。
あ、別に「幅広く」聴いてるのがエラい、なんて言ってませんからね(思ってるけど。ってウソだってば)。MACさんにしても、ブルース以外に色々な音楽を持っておられます。
それがブルースに関わる際の、その人の「カラー」になっている、と思うんですよ。そこがあるから「面白い」と。

とまあ、このように言わばブルースと「無縁に」育ってきたわれわれが、なんでまたハマっちまったんでしょうね?
そんだけブルースって「素晴らしい」音楽だってこってしょうか?
うん、そーゆーコトにしておこう!
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