Analyze me ?

If you want it !


07-05-23 WED.




なんですねえ、まったく金目のものには見えなかったんでしょか、雑多な品々の中から ↓ こんなものが出てまいりました。

これはなにか、ってえと、Audio Frequency Analyzerってえものでございまして、いわゆる再生系の通過周波数特性をチェックできる機器なんですよ。
左手前のダイアルで発振周波数を決めて背中のアウトプットからオーディオ機器にライン・レヴェルの信号を送り出し、オーディオ・システムではそれを増幅して最終的にはスピーカーから音として出てくるワケですが、それを右手前の高性能マイクで拾って、再生系の通過レヴェルをメーターで表示するので、周波数をスイープしつつ「その山やら谷の様子を」調べられる、まあ、はっきり言って「めちゃくちゃアナログな」測定器でございます。

ですから、パルス一発通して、それを逆フーリエ変換して f 特がカンペキに判る!⋯なんちゅう「気の利いた」ことはできません。
自分で用意した片対数グラフに、これまた自分で書き込んでって、あとからその点をつないでくと、周波数特性、俗に「 f 特」っていうグラフが得られるのでございますよ。
気が遠くなるよな「超アナクロ」⋯じゃなかったアナログ!でしょ?
さて、なんでこんなもんがウチにあるのか?ってえと、それはひところ、ワタクシが音響屋でもあった時期に、一番の大物としてはデネガのホールの音響設計を行ったのですが、当然、こちらが指定した壁装材であっても、その施工手順が不適正だったりすると、計算された周波数特性を持たなくなる可能性があるため、完成後のチェックを行って、修正するためのデータ採りにこれを利用していたのでした。
さらには用途別に三種類の完全にオリジナルなスピーカーを設計して製作もしたのですが、その完成品の特性チェックにも使用してたのでございますよ。

そのデネガが完成してからは、むしろオペレーターとして音響にも携わっていましたが、次第に映像方面に仕事の主軸が移り、いつしか、このアナライザーは姿を消してしまったのでした。
それがまあ、こうして再度、目の前に現れるとはねえ⋯
おっかなびっくり、電源スイッチを「バッテリー・チェック」のポジションにスライドさせてみたところ、フル・レヴェルまでは行きませんでしたが、充分に測定には使用できる程度の電圧を維持しておるようです!もう 30年近くなる、というのに!
いま、ディジタル・オーディオ全盛のまっただ中で、こんなライン・レヴェルで信号を送り出し、最終的にオーディオ・システムから出て来る音の f 特を調べる、なんて「概念」自体がもはや意味をなさなくなってきていますよね。
また、ヘッドフォン・オーディオでの音を、スピーカーで再生する音と同じスタンダードで語ることは出来ません。

いま、これを活かす、とすれば、自作のエンクロージャーに自分で考えたスピーカー・ユニットを組み込み、フル・レンジじゃなく「ウーファー+スコーカー+トゥイーター」なんて 3 way にしたときのクロスオーヴァーの設定が適切であるかどうか、またそれぞれのレヴェルが合っているかどうか、などをチェックする程度でしょうか?

音場のチェックでしたら、すでにスペクトラム・アナライザーとマルチ・エレメントのグラフィック・イコライザーなんて「派手な」デヴァイスに負けてますし、まあ、どっちかってえと、かなり「粗大ゴミ化」しておる、っつうのもやむを得ないでしょ。
とは言え、マイクの f 特そのものが劣化さえしてなきゃ、「使えない」ことは無いワケですから、ほかしたりはいたしませんが。
ん〜、一種のタイム・マシーンやね⋯

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