Sweet as a Kiss

02-10-18
弘前市の南に位置する古くからの温泉街、大鰐(おおわに)町と、田園地帯を抜けて弘前市の中心部とを結ぶ私鉄、弘南鉄道大鰐線の始発駅である「中央弘前駅」(JR奥羽本線の弘前駅からは1.5kmほど離れたところにあります)は、次々と郊外に移転した私立高校に通学する高校生で、朝夕は賑わっています。

かって、その駅のお向かい、ルネス街と名付けられたこじんまりとしたショッピング・モールの一角に、「GARBO」という名のケーキ屋さんがありました。
店内には落ち着いたサロンといった感じの喫茶スペースがあり、そこではテイク・アウト用のケーキとはまた異なった「デザート・ケーキ」をコーヒーなどと共に楽しむことが出来たのです。
そして、テイク・アウト用も含めて、間違いなく、そのレヴェルは弘前市内では群を抜いていたと言ってよいでしょう。
当時、この「GARBO」に拮抗できる店としては、青森市の「白妙」しか無かったと思いますが、その白妙も、青森の店を閉め、東京は赤坂の二木通りに移転してしまった(TBSが近かったせいもあって、芸能人にも良く知られている名店となっています)ので、その後は暫く、近隣に比較の対象となりうる店すら無い「孤高」の存在であり続けました。

しかし、県下一円にチェーン展開をするほどの勢いだった親会社の「ラグノオ」の業績が頭打ちとなって来たあたりから、味のクォリティ優先を維持することが困難となり、ショッピング・モール自体の低迷に歩調を合わせるように、その存在も徐々に薄れてゆき、ついには店舗を閉じ(八戸市にあった「GARBO」も今はありません)、今ではValentine Dayの高級な「本気」チョコレート用にその名を残すのみとなってしまいました。
この「GARBO」の味を支えた人たちも、それぞれの道を歩きはじめたのですが、その一人が松森町の「クローヌ」です。アイデア溢れるケーキたちは、親しみの持てる価格と、よくまとまった味で友人たちの間でも人気上昇中です。

そして今月に入って、かって GARBO のチーフを務めた方がチーフとなった新しい「ケーキ屋さん」が登場いたしました。
と言っても路面店ではなく、城東地区で新装開店した「カブ・フーズ」という大型の郊外型スーパーの一角に出来た「croissant」というお店です。
オープン当初は準備の問題があったのか、あまり種類も揃えられなかったようですが、最近では軌道に乗ってきたようで、ややアメリカン・スタイルのシンプルながらメロウなケーキをとり揃え始めています。
ケーキ、ときたらダマっていられない「ぷ」さんと一緒に、さっそく訪れ、ミルクレープを買ってまいりました。
少し大きめのサイズのケーキは¥350で、さすが、クォリティの高い仕事をしています。

青森市のアメリカン・ケーキのお店、5th AVENUE の味をもっと繊細にしたような、丁寧な作りとなってますね。
ミルクレープにはフレッシュ・フルーツを使っていますが、それがけっしてクリームと分離していない(あ、この場合の分離してる、ってのは、舌の上でそのふたつの調和がとれてない、ってことを意味してます)。この辺りがウデの見せどころでしょ。

ま、音楽もそうですが、そもそも「味」などとゆうものを、文字で表そう、なんてゆうことは、こりゃ「ムリは百も承知」なんでげすが、言わずにゃおれないんですよ。
もしかすっと、ワタクシの拙い一文を読んで、どれ、そんなにゆーなら試してみよか?ってえヒトだって居ないとは限りませんからね。
もしかすると「あなた」の好みとは違っているかもしれないけれど、その存在すら知らないでいるよりは、「どんなかな?」と試してみるコトはゼッタイ無意味ではないと思いますからね。
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