Clock tower

Time is the tide


07-10-06 SAT.






この「突き当たり」も、ある意味、とても有名「だった」のかもしれません。
一戸時計店の時計台が狭い路地を通して見える、という印象的な光景を見せてくれていたものでしたが、その小路の右側にあって、「狭さ」を演出してくれていた一方の建物であった「奧太下駄店(市民からは「おくたのげたや」と言われていた)」が廃業して取り壊され、更地となってしまった今では、あの狭いところに見える、一種の「望遠効果」が薄れてしまい、ちょっとつまらない気はいたしますが、それでもそれなりの趣きのある「突き当たり」であることには変わりありません。
観光パンフレットやガイド・ブックなどにも、その光景が多く紹介されてきたため、ここを実際に訪れた際に自分でも撮影してゆくひとは多いのですが、ザンネンなことに、近くで撮影しようとすると、実にもうグロテスクなまでに錯綜する無神経な電線が手前にあり、落胆させていることが多いようです。
しかし、考えてみれば、この「洋装(なんて言うこと自体がすでにアナクロニズム!)」全盛の世の中で、平成の時代にまで「下駄店」が當業を続けていた、ということのほうがスゴいのかもしれませんね。
そりゃ店頭には、さすがに下駄ばかりじゃなくサンダルなども並べて商ってはおりましたが、 「おくたのげたや」という愛称がこの旧来のメイン・ストリートたる土手町筋ではリッパなランド・マークとなっていたのですから、その年代の市民には「忘れられない」存在だったことと思います。

ただ、明治期の寫眞で、もっと蓬莱橋に近いところに別な時計塔が撮影されてるものがあり、そもそも最初っからこの場所だったのかどうか、ちょっと疑問も持っております⋯
元は仙台市からの三原時計店であった、ということらしいですけどね。

permalink No.1993

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