Unknown bakery

After one-third cetury


08-04-21 MON.





確か、いまからもう三十年以上も前のことですが、当時、子供連れで東京に行ってたかたが、弘前に帰ってくるのに、当時はまだ存在していた東北本線の上野から青森までの寝台特急、はくつる(だったか「ゆうづる」だったか)に乗ってきたそうですが、まもなく青森県に入るかな?とゆうあたりで、どうも前方で別な列車を巻き込んだ事故かなにかがあったらしく、岩手県と青森県の県境あたりで列車がストップしてしまったんだそうです。そしてそのまま五時間ばかり動かなかった⋯

ご、五時間ってああた⋯ってゆう」とんでもない目に遭ったそうですが、そのハナシを聞いてて、イチバン印象に残ったこと、ってのが、そのタイヘンさより(?)しかたがないので乗客が列車を降りて、並行して走ってる道路の先に見えた食料品のお店(たぶん、田舎にはよくあるタイプの、野菜から豆腐からインスタント・ラーメン、さらには生活雑貨も、てなお店だと思いますが)にそろぞろと大挙しておしかけ、おそらくそのお店、開店して以来っちゅう最高の売り上げで、すぐ喰えるものはなにひとつ残らなかった!っちゅう⋯まるで軍隊アリに襲われたかのようになってしまってた〜!ってとことでしたねえ。
で、そしてもうひとつ、そのとき早めに行ったのでまだあった菓子パンみたいのが「かなり美味しかった」ってえとこでした。
聞いてみたら、そのパンってのが、当時の弘前界隈では名前すら知られていなかった「イチノベ・パン」ってメーカーのものだったそうでございます。

なんたって当時は弘前周辺じゃクドーパン(実際には工藤パンだったらしいのですが、みんな「クドパン」ユウテマシタッケ)ってのが圧倒的シェアで(あ、今だってここらで売ってるヤマザキのバンをライセンス生産してる業者で、スーバーに並んだヤマザキのパンの製造工場の表示を見るとクドーパンになってますよ)そんなイチノベパンなんて聞いたこともなかったのですが、それだけにいっそう、喰ってみてえ!と思ったものでした。

たぶん、その事件(?)の十年くらいあとでしょか、ようやくそのイチノベパンがここらへんでも流通するようになったのって。
でも、そのころには逆に全国ブランドの進出もハゲしくて、なかなか定着してないんですよね。

そのイチノベパンの新製品、米粉入りのパンが、新装開店したマックス・ヴァリュの安原店のオープニング・セールで売られておりました!
それがトップ画像の、パンなんですよね。

ここんとこリンデンバウムなんていう凄いレヴェルの高いパンなんぞに親しんでおりましたが、板柳の小松原菓子店のクリームパンや、このイチノベパンみたく、とっても懐かしさのある「親しみを持てる味」のパンってのもなかなかいいものです。
そりゃ「本格的な」パンや、家庭での「手造り」パンもいいものですが、こんな、まだ半分「お菓子屋さん」的クリシェの残るパンも捨てがたいな。うん!

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