Once upon a time...

Don't burn down the bridge


08-05-13 TUE.





それほど深い考えがあったワケじゃないんだけど、弘前の街にはこんなとこもありまっせ一、てなシーンをカメラで切り取っていたのですが、例えば上の写真⋯

まあ、ちょっと趣きがあるなあ、てな光景みたい(?)ですが、でもねえ、この通りの右側にそびえる伝統的な住宅ってもの、もし、それが建て替えられて「ふつ〜」のおうちになってしまったら、そりゃもはや「弘前ならでは」なんてこと誰にも言ってもらえない、それこそどこにでも(?)ありそうな「通り」のひとつになってしまうんじゃないの?

それは、昭和初期の香りを残した町並み、なんてのを売り物にしてるとこも、あるいは「大正ロマンの」さらには「明治の」それぞれ遺産としての建造物などを抱えている自治体では等しくモンダイになるところじゃないでしょか。

それが市の、あるいは町や村の公共建造物ならまだしも、個人所有になる、しかも、すでに「不便だから、と」部分的に「今の流儀で改築してしまってる」なんて物件だったら、どの自治体も、それを旧状に復させる、さらに維持管理のための補助をする、なんてのイヤがりますよね。
こうして、旅人をして、「さすが弘前!」なんてブったまげさせた、特徴的な屋根を持っていた某食品店は普通のモルタルに建て替えられ、「かけがえのない」遺産がまたひとつ消滅してしまった⋯

茂森新町の刃物鍛冶のツイン・キューポラ(ってより「煙突」かな?)であるとか、現代の普請に比べ、軒の低い、独特な存在感のある(って、昔はみんなそうだったんですがね)店舗や作業場、そうゅうものは、そりゃ「木造洋館」なんてのに比べたらイバリは利かないかもしれないけど、それに出合った旅人には「しっかりした」印象を残してくれてると思うよ。
木造洋館ってことなら、函館なんかと比べられちゃったら、その歴史でも数でも規模でもヴァリエーションでも「まったく」及ばないワケですよね。
でもね、旅人のココロを惹きつけるのって「明治◯◯年の」とか「文人の誰それが」はたまた「アメリカ人の宣教師の」なんて由緒・由来なんかじゃなく、見たひとに直感的に訴えかけるその存在感でしょ。

ケッキョク街の印象を作るのは、「わあ、凄い古そうなお店!」あるいは「面白い建物!」なんていう、そっちのほうなんじゃないの?
明治何年だろが、ンなこと知ったこっちゃナイでしょ。観光客にしたらさあ。
見て面白いかどうか、フンイキあるかどうか、なんだよな。ケッキョク⋯

ただ、動態保存しましょ〜!ってのには矛盾もあって、じゃ、そこで暮らすワタシたちは不便をガマンしろってえの?なんてことになりますよねえ。
外から見たぶんにゃ明治から大正・昭和初期って感じでも、中だけ近代的にしちゃう!なんて出来ればいいんだけど、たいて〜はもう建物にガタが来てるからそれも無理⋯

そこら町全体での「合意」がなきゃ無理でしょね。
しかも、この弘前ってとこ、減多にそんなの「合意」しない、と来てる!

まあね一、そうゆう個人所有の面白い建造物を保護しよう!なんて言うこと自体が 30 年遅かった!

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