GOOD DAY,
GOOD TASTE!!


2002-12-01
スカ!っと抜けるように晴れ上がった一日、昨日オープンしたばっかり、と言う「縄文時遊館」(じょうもん・じゆうかん)を青森市の三内丸山の縄文遺跡まで、「ぷ」さんと一緒に見に行って来ました。
要するに、北に青森市街を望む(という書き方から、中心市街からの距離感が判っていただけると思います)三内丸山遺跡に隣接した展示施設なのですが、好天と週末、しかも入場無料とあって、親子連れもたくさん来てますねえ。

かなり広大な駐車スペースが用意されていますが、さすがに今日は混雑を見越してか警備員さんを動員して、次々に到着するお客さんのクルマを誘導しています。
一般の乗用車のスペースの他にも、大型バス専用のエリアや、そしてもちろんファサードに最も近いところには身障者用のエリアが用意され、そこからなら、一切の段差ナシに入館することが出来ると。
「順路」という案内ポストに導かれて館内に入ると、吹きぬけの明るいエントランス・ホールとなっており、受付嬢(?)のいるカウンターが「総合案内」です。
ここでパンフレット(もちろん無料)をいただきましょう。ここからは、いわゆる時計廻りに、右にガラス窓の向こうに明るい中庭を見ながら回遊していく形となります。
エントランス・ホールからは2階に上がってゆく階段がありますが(当然、車椅子の方のためのエレヴェーターもあります)、そっちの探検は後まわしにして、ひとまず回廊に歩を進めると、すぐ左にはコイン・ロッカーが用意されていました。そしてトイレ。当然、車椅子でも利用できます。ウォッシュレット装備。そーこなくっちゃあ!

あ、そうそう、回廊のガラス窓の手前には、目の不自由な方のための手すりが続いていますが、その丸断面の木製の手すりの自然に手が触れる位置に、点字によって、回廊の左側に展開する各種の展示内容や、現在位置などの案内が用意されています。そして、点字の上にはそれがどのような内容の点字であるのか、を普通の文字でも「表示」してあるので、介護者も、そこで何を読みとったのかを理解出来るようになってます。

最初の設備は「縄文シアター」と呼ばれる視聴覚室のような部屋で、ハイ・ヴィジョンによるプロジェクションで、2種類のプログラムを交互に上映しているのですが、危険防止の観点からか、室内の地明かりが明るすぎて、画面の暗部の描写がトんでしまう傾向にあるのが惜しまれるところです。
そして、これも床が平らな方が安全、ということからか、みんな同じ高さの椅子が用意されているため、座る位置によっては、運が悪いと(というより、最前列以外ではもれなく)画面の下半分が前の人のアタマで見えない、なんてコトになってしまう。ま、平日だったら空いてるでしょから、あまりモンダイにゃならないかもしんないけど。

そこを出るとまたすぐ左に缶飲料の自動販売機、公衆電話のコーナーがあるのですが、そこは喫煙コーナーにもなっているため、電話をかけるために汚染された空気にさらされてしまうことになる。これはダメだね〜。要改良!
そしてトンネル状の半月形断面の通路が外に向かって突き出し、そこを出ると、有名な6本柱なども復元されている「遺跡」そのものへ向かうアプローチになっています。また、この出口に隣接して上に昇る階段があり、屋上に出ることも出来ます。
屋上はすべて土で覆われ、色々な植生が配置されていました。
階段の次にあるのは「縄文ギャラリー」という大きな部屋で、ここでは子供たちにゲーム感覚で縄文の言語(推定)に触れさせたり、画像ソフトを利用して、自分の顔をとりこんだものに縄文人のヘア・スタイルをペーストして縄文の衣服を着せてみたり、とパソコンを利用したものの他、実物による火起こし体験、同じく実物の黒曜石ナイフによって紙を切ってみたりできる、など、実体験型の展示が用意されています。
そして、この部屋の幅 40m の大壁面がマルチ・プロジェクションの連続&分割画面によって、「縄文の四季」をテーマとした映像のスクリーンとなります。また、回廊のこのあたりの手すりには、先史時代からの歴史の流れを点字化してありました。

続いてはレスト・コーナーとなり、またトイレが設置されています。
また体験工房での実習の申し込みカウンターも。続いてその体験工房が続き、それが終わると例の六本柱を室内で基部を再現したモニュメントを配した「観光プラザ」です。マウスのみで操作するPCが4台ほど用意され、観光ガイドとなっているらしいのですよ。
コドモに占拠されていたので、内容を確認することはできなかったんだけど。

次はかな〜り大きなレストランで、名前は『五千年の星』(!)縄文人が食べてたんじゃないか?って食材を採り入れたメニューなんだって。「まほろばそば」とか「縄文貝塚鍋」なんてえのらしい。え?喰いませんよ、そんなデンジャラス(?)なメニュー。
だって、三内まで行ったんなら、例の油ソバの「とん吉」があるんですからねえ。そこパスしちゃったら「ぷ」さんが黙ってませ〜ん!油ソバ美味しかったよ〜ん!
・・・ と。これでほぼ一周してきたことになるな。
楕円のリングが一箇所切れてるような形で中庭が外につながってるんですが、そこに螺旋階段があって、昇って行くと、エントランス・ホールの上部につながる空中通路があり、中庭の幾何学的なステップダウン・カスケードを見下ろすと、なかなか「いい」眺めでしたよ。
そこから受付の真上にあたるエントランス・ホールの2階に入って行くと、左側にかなり豪華なソファの並んだ「特別室」のようなものが見え、あ、スゲっ!「貴賓室」か?と思ったら「会議室」なんだって。ここにもトイレが。
そのまま下のホールに降りないで裏山に出られるようになってて、将来は遺跡にここからも行けるようになるみたいです(まだ工事中)。現在はさっきも触れた、トンネル状出口横の階段で上がる屋上のプロムナードにつながっています。

正直言って、なかなか面白い施設になってますねえ。
そして、なにより、回廊から常に見えている中庭の眺めが「いい」です。
建築としては、それほどイノヴェーティヴなものではありませんが、なかなかいい空間感覚を味わわせてくれました。
これでタダなんだからいいやね。平日なんかだったら、もっと静かな時間が流れてそうだから、ゆっくり、中庭でも眺めながら「思索」にふける、なんてのもいいかも。

弘前から行くぶんには、市街の手前みたいなもんだから、まあいいとして、青森の市街からなら、クルマの無い人にとってはちょっとツラいかもしれません。JRの駅からだと、南西方向に直線距離でも約3.8kmはありますから(もちろんバスはありますけど)。
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