LIVE in PIER 新宿

2002-12-09
さて、ステージ用の(ってほどじゃないけど、手持ちの中じゃあ、ステージ向きかな?ってヤツ)オープン・シャツの上にジャケットを羽織り、かなり前に一度見たきりの地図の「感じ」から、この辺りじゃねえかな?ってトコを「野生のカン」で右に入ります。
ちょっと歩いてみて、まあ、この通りになきゃあ次の通りだな、なんて思ったあたりで、ゲゲッ!あった!我ながら「いいカン」しとるわい、なんてマンゾクしつつ入ってみると、いたいた!いとしのぶぅちゃんあ〜んどヌマの長老ヌマタイガー!

地下が会場なので降りてみると、セッティングの最中です。さっそく最前列に場所をとってストラトの準備開始しましょ。
噂のイケナイ仕掛け、ボディバックに潜んだ PANDORA のバッテリーを新しくして、ちゃんとチューニングもしとかなきゃね。
一瞬、最前列っちゅーとオレンジ・カウンティでの某 G. とマーシャルの「悪夢」がよみがえり、うっ、難聴のキケン?とも思いましたが、なあに、今回はブルース・ナイト、そんなムチャなヤツはおるまい、とそのまま。
さいわい、スピーカー正面からハズレてるので、たいしたコトなかったです。

Twelve Position の演奏で始まったステージは、 Silver Back、Nite Crawler、そしてお待ちかね、Tokyo King Delux!そう、りっきーさんがベース、おゆうさんがヴォーカルを務めるファンキーなバンドです。とここまでがバンドによるステージでした。
Twelve Position はヌマタイガーの「MARSHLAND」からのバンドです。
さきごろ結婚されたばかりの長野夫妻がギター&ベースで入り、完成度の高いオリジナル曲を演奏してました。
そしてベース&ヴォーカル担当のバンマスのみょーに温度の低いMC が大ウケだった Silver Back は自称91才の怪人、O.Jトコ George と、Godin のエレガットを抱いたりっきーさんを擁するアダルトなアコースティック・バンドで、ヴォーカルにはおゆうさんも加わっています。「懐かし」系のナンバーをさりげなくコナシて行きますが、なかなかタダ者ではおまへん。途中いきなりブレーカーが落ちて、演奏がストップしちゃったんですが、それさえも味方につけて盛り上げちゃうんだから、客あしらいの巧さもなかなかです。
一方、それと対照的に「初々しい」ステージとなったMACさんたちの Nite Crawlerはクラプトンがらみのブルースをやってましたが、独自のアレンジを加え、さらに「お茶目な」そまちゃんのギターが加わることで独自のカラーを作り上げています。
もうひとりのギター、長野さんのスライドやハープも織り交ぜて、なかなか広がりのある世界を持っています。でもね、意外と(シツレイ!)良かったのはMACさんです。
これまで画像だけの印象で、ハウリン・ウルフみたいなドス効いた声でストイックに押してくるんじゃないか?なんて思ってたのが(良い方に)裏切られました。
とっても人間味のあるあたたかいヴォーカルで、なんだかココロの中まで、どっか判んないとこまで「暖かくなる」ような歌を聴かせてくれます。
いいなあ、MACさんのお人柄だよね、これって。
それにMACさんのギター、もっと聴きたかったなあ。
プリセットのエフェクター、誰かさんに踏まれちゃったんでしょか、曲の途中で急にヘンな音になっちゃって、ギョっとしてたMACさん、急に全体の MC やるコトになってアセってたMACさん、そのひとつひとつが、とっても「いい」んですよね。いやあ、なかなかタダ者じゃありませんよ。

Nite Crawler のブルースは、まだちょっと粗いんですが、でもどんなに緻密でスキが無くても「冷たく、ソリッドな、おジョーズ」なブルースにはゼッタイに無い、「人生を語るモノ」が溢れていたように思います。あんまり練習し過ぎないようにねん(?)。

Tokyo King Delux は、まさに「King」でした。
ワタシの隣に偶然となりあわせたコが、もうノリノリで、前にテーブルが無かったら立ち上がって踊り出しそうでしたよ。まずドラムが抜群にいい!セカンド・ラインのグニョったリズムを打ち抜くリム・ショットも冴えまくって、場内のヴォルテージが一挙に上がったところで歌いだすのは、ぬゎあ〜んと「Got My Mojo Workin'」じゃあ〜りませんか!やりますねえ〜、ウマいですねえ〜。サックスなんて、ソロを楽しむ余裕さえありますからねえ。こりゃ蓄積したモノの質・量ともにハンパじゃないシルシ。今回のドラムはパートタイムらしいんですが、それでもこれだけのグルーヴを紡ぎ出せるのはスゴい!ホント出来るコトならこのドラマー、お持ち帰りにしたかったざます。

りっきーさんのベースも目立たないよに暗躍してまっせ!Mr.Bunchin のヴォーカルもいいですが、なんたって圧巻はおゆうさんでしょ。時々みせる「イタズラっぽい」声がとっても魅力的。う〜んスゴいなあ。単に「歌がウマい」ってだけじゃなく、全体の流れを瞬時に掴みとり、レスポンスする「ミュージック・メーカー」としての(スポーツ界でよく言うところの「ゲーム・メーカー」みたいな)感覚が素晴らしいんですね。だからお客さんたちも安心してノレるんですよ。
場内あちこちで踊り出す人たちが出て来たのも当然です。あの「音」はなけなしの(?)理性なんぞの下に潜り込んで来て、もっと深いところを揺さぶるんですよ。
いきなりのご指名でりっきーさんに「Bye bye,Baby」歌わせてましたが、最近やってねえよ、つーことでだいぶ歌詞がトンじゃってましたが、そこはホレ、百戦練磨、なんとかしちゃう。りっきーさんのヴォーカルもナチュラルでいいなあ。
張らない・リキまない・カッコつけない!これがポイントね。
ナンバーカードによるお客様抽選会をはさみ、いよいよセッション・タ〜イム!

しかし、この抽選があのような事態をひきおこすコトになろうとは・・・Tokyo King Delux で踊り出しそうになってた隣の席のオンナのコ、どうやらおとうさんがワタシと同じ年らしく、でも、ブルースって年齢を越えて一緒に楽しめるんですね、なんて言ってくれて仲良くなりかけてたってのに、その向こうのお知りあいらしき連れの男性に抽選であの地酒蔵「寿家」が当たったのがコトの始まりでした。
彼はとても嬉しかったみたいで、お店から小鉢みたいのをお借りしてまわりじゅうのお客さんにそれを振舞いだしたのです。やがてセッションが始まったころ、隣のオンナのコがものすご〜く静かになったんで、「ん?」と見てみたら、まさに秒殺!地酒蔵「寿家」で昇天あそばされておられたのでございます。
どうやら「かんぱ〜い!」と、みんなで唱和したイキオイでグイっといっちゃったみたいなんですねえ。つーワケで途中リタイア。
無事、お帰りになることが出来ましたでしょうか?ちょっとシンパイ。

ま、あそこで呑む地酒蔵「寿家」がまたウマいんだよねー。
やっぱブルースに合う?・・・ と、そのようなサイド・ストーリィをちりばめつつも、いよいよセッションっちゅーとこですが、お時間がよろしいようで、この続きはまた明日っつーコトで。(いつまで引っ張る気だ?)
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