Strange Brew

the Golden Cups


08-11-11 TUE.





まだそんな年齢じゃないと思ってたのに、ゴールデンカップスのディヴ平尾が急死したんですね。

いわゆる日本における「グループサウンズ」ブームの時代、そりゃもう楽器さえできりゃあ、ってんでいろんなグループが出来て、なかには、これじゃ歌謡曲じゃん!てなクサいのやショッパいの、いなたいのにカッコ悪いのまで、そりゃもう実にいろんなヴァリエーションがあったものですが、そんななかにあってひときわカッコよかったのが Golden Cups でした。

ま、特にワタクシの場合には、あのルイズルイス加部のベース、そう、あのイタリア・エコーの矢みたいなデザインの Rokes(イタリア語でロケットのことらしいっす)にクラクラ来てましたっけ⋯
もちろん、なんたってそのベース・プレイがスゴかったんですけど、それには、バンド自体のサウンドも「ただもんじゃない」からこそ、てな側面があります。

そしてまたカヴァーする「向こう」の楽曲をセレクトするセンスが良かったし、さらに、それを自分たちで「どう料理するか」みたいなアレンジメントだって、それを可能にする演奏センスがあったからこそレヴェルが高かったんですよね。

当時のバンドのなかには、演奏技術って意味で言えば、譜面で初見でもガンガン弾ける、ちょっと聴いた音楽をすぐ譜面に書ける、なんてスゴいひともけっこういました。
でも、それは「演奏のクォリティ」には結びつくでしょうが、新たに作る楽曲の「創造性」みたいなとこにはまったく寄与いたしません。
そう!断言します「寄与しません!」
まあ、なかにはキセキテキに寄与しちゃった(?)ってケースもあるかもしれんけどね。

そんなですから、カヴァー曲と、自分たちのオリジナル曲ってのを比べたとき、その「落差」がヒド過ぎるグループってのイッパイいましたよね。
コビーだとスゴいが、オリジナルはショポいってのなんだか情けねえな⋯現代でもそのまんまかも。
それが「猿真似ジャパン」の国技(?)ってことなのかもしれませんけどね。

そんななかにあって Golden Cups は、カヴァー曲であっても、独自な魅力を持たせ得た希有なパンドだったのではないでしょうか。
たとえば Classics IV(知ってる?そっから Atlanta Rhythm Section が生まれてるの)のヒット曲、Spookeyにしても、また「あの」Cream の Strange Brewって曲でも、ハッキリ言って、オリジナルよりも好きなくらい。地を這うような重心の低さが「より破壊力ある」んだよな⋯なんちてクリームにそんなもん求めてねえよ、とクラプトン・フリークなら言うんだろな。

⋯と、カップスについて熱く語っても、実はディヴ個人については「さほど」思い入れってのは無いんですよね。もちろん嫌いじゃないし、別にサウンドの足を引っ張ってるなんて思ってもいませんが、やはり他のメンバーに比べると影が薄いかな?「音」の上ではね。

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