田澤食堂再び

2002-12-19
日記で「アンプ」について書いたら、板のほうに結構その反響がありました。アンプって実は「よく判らない」ところが多いですよね。
いわゆる有名なアンプにまつわる「神話」や、もはや「迷信」と言うべきホラまで、テンコ盛りすぎて、いったいナニを信じればいーのか困るんです。
ひところ、輸入物の一部のアンプがダメだこりゃあ!なんて言われてましたが、並行輸入のヤツで電源トランスを日本の電圧に適合さしてないのが出回り、それは昇圧トランス使わないとマトモな音しないんですが、それを知らないで「ダメ」とされちゃってた、そんな時期もあったんですよ。
また、スピーカー・ユニットを交換する、ってのもケッコー効果がありそうですが、それもヤミクモに交換すりゃあ良くなる、ってえもんじゃありません。アンプの終段のインピーダンスによって決まるダンピング・ファクターによっちゃあ、JBL だろうがセレッションだろうが、換装してかえって音がナマったり、引っ込んだり(実際に経験済み!)しちゃいますからねえ。
それと、ギターとの適合ってえ別なファクターもあります。
シングル・コイルとハムバッキングじゃ、アンプのトランジェント特性との絡みが出てくるし、それとは別に、物理的な量としての「出力」はそのアンプ初段のヘッド・ルーム(つまり「天井の高さ」ね)にメッチャ関係してきます。しかもそれさえ単純じゃあなくって、ハムバッキングの高出力を「歪み」として利用したい、ってひとばっかりじゃあないですからね。トランジェント特性だって、むしろハムバッキングでそのクセのある立ち上がりを活かしたい、なんて行き方もあります。
さらに自分の好きなアーティストの使ってる器材っての、つい目標にしたがるケースが多いんですが、でも、自分が演奏する「場」のスケールと、そんなアーティストたちのスタジアム・サイズの「場」の違いを認識してないと、「宝の持ち腐れ」になっちゃいますよね。
ワタクシもかって、Fender のデュアル・ショーマン・リヴァーブってえアンプを某所で見て、憧れてたりしてたんですが、そりゃあもう最低でも市民会館クラスの会場じゃあないとイミないようなヤツでして、とてもとてもライヴハウス程度の広さじゃあ使いこなせるようなシロモノじゃあ無かった(し、とても気楽に買えるよーな「おネダン」でもございませんよねえ。それにその大きさときたら、とてもひとりで持ち運びできるよなもんじゃあなかった)んでげす。
アンプってヤツはいまだ「闇の中」ですねえ。

★昼すぎから夕方にかけて、気温がグングン下がって来ました。昨日までは平均を上回る気温が続いてたんですが、また冬に戻っちゃいましたね。

さて、本日の夕食は「ぷ」さんと一緒に「田澤食堂」でございます。
前回はドライカレーチャーハンってのをトライして、ピリ辛スパイシーなその味にカンドーいたしておったのですが、それに味をしめて、ただの「チャーハン」にしてみました。
いやあ、それがまた実にウマいっ!とは言っても、もちろん、名人のヒラメキがサクレツした度肝を抜くような「美味」、ってんじゃないんですが、およそ「チャーハン」ってものに求められる必要にして充分なる条件をミゴトに満たして、しかも「どうじゃ〜!」っつうカサにかかったところが無いのでございます。
ゴハンは理想的にほどよくパラっておりますし、そこに刻み込まれたチャーシュウの量、刻まれたその大きさともにまっこと適切で、ややストロングな味付けとあいまって、実に「美味しかったあ〜!」
スープ替りに、と一緒に小中華もオーダー(でもちゃんとスープ付いてきたんですが)しましたが、う〜ん、これも相変わらず美味しい!「なごやか」に美味しいのです。
最近の東京ラーメン戦争(?)などを扱った特番などを拝見いたしますと、こりゃ、ラーメンにイノチかけてんのちゃうか?みたいなゴッツい「イレ込み」様が描かれておるのでございますが、ここ田澤食堂のラーメンときたら、そんなのとはまるで別世界、ゆったりと自然体で「我が道を往く」。ウマきゃあいいのよ、って感じで、サラっとやってますでしょ。だからその味も、ひと口で「ガ〜〜〜ン!」と来るよなんじゃないんですが、でもしばらくするとまた食べたくなるのねん。

たぶん、いま東京で話題の「行列の出来るラーメン」ってのは、「作品度(?)」が高いと思うんですよね。なんか、それについていくらでも語れるみたいな。しかも秘められたエピソードやら、プロジェクトX顔負けの開発ストーリィやら苦労話、なんてのがドッチャリと詰まってそうでしょ?それ食べたら、かなりな印象が残るような、そんな個性に溢れていそうです。
そうゆうのも、ハナシのタネとしちゃあ面白いんですが、もっと日常的に、いわゆるラーメンを何気なく楽しみたい、ってえ時には、そのテのラーメンは「ウルサイ」んですよ。
こちらの想定する「ラーメン」の枠から、いろんなモノが飛び出して来て、それがいちいち神経に障るんですねえ。個性がありすぎて。
それが嫌い、ってワケじゃないんですよ。タマにゃあガツ〜ン!と来る個性的なラーメンもいい、と思いますが、そーゆうんじゃない「美味しい、でもただのラーメン」のほーがスゴいんじゃないのかなあ?

田澤食堂、別に行列なんて出来やしませんが

 里帰りしたらお母さんたちと必ず坂を上がって食べに行きます。

って雪乃さんのひと言が「端的」に表してますね、その飾らない味の佳さを。
permalink No.244

Search Form