HONDA RN 01

2003-02-06

マウンテンバイクってのも今じゃスーパーあたりで1万円台でそれっぽいのを売ってたりして、ちょっとゴツい街チャリとなってるみたいですが、本来はアメリカのモノズキが、山野を自転車で走りたい(考えてみりゃクレイジーだよね)ってんで、クルーザーって言うタイプのドッシリしたやつに悪路対応のブロック・タイヤつけたのが最初だそうです。
でも、実際に山にもってくと、そのままじゃダメ。
登りもあるから変速機つけて、クルーザーじゃ重すぎるんでフレームを軽量化して、ブレーキも強化して・・・ てなワケでどんどん独特の「文法」をカクトクしてったんですが、基本的にゃ「強度優先」ですから、どうしてもロード・レーサーあたりよりも確実に重くなっちゃうし(あ、通販とかの安いのだと2倍近く重いのもありまっせ!)、タイヤも抵抗が多いんで、スピードは出ないし、キョリも伸びないワケです。
ま、唯一のメリット、悪路の走破性は、むしろ大都会の舗道との段差や、工事中の鉄板敷なども「無視して」走れることから、街中をブっトバす、バイク・メッセンジャー(あ、バイク、ってのは米俗語で自転車のコトです。Bicycle→Bike ね、原動機付二輪車は「Motor-bike」や「Motor-cycle」で、原チャリに相当する一番シンプルなヤツで、ソレックスみたく、ペダルのある自転車にエンジンを載せたものを「Mo-ped」、 いちおーキック始動になり、自転車みたいなペダルの無いヤツは「Mo-kick」と言われます。この日記で Bike と言うのは全て自転車のほーなんでお間違い無く)に支持され、それがある種のブームにもなったりして、さらに街中で普及するようになりましたね。
日本でもナイナイの矢部っちが主演した映画が作られましたが、飯島直子(でしたっけ?字が違ってるかも?)が「必ず」自転車を
 JI-TEN-SHA じゃなく
 JI-DEN-SHA と
発音してて、うわあ〜ダッセ〜っ!と思ったもんでした。誰か注意しろよ!

さて、ほなマウンテンバイクは山野ではどーなったのか?ってえと、まずファッションとしてのアウトドアを演出する小道具として、ハゲ隠しのバンダナかぶり同様、キャンプ場周辺でよく見かける光景とはなって行きましたが、だいたいは3万円以下のなんちゃってマウンテンバイクで、本気でフっとばしたらフレーム真っぷたつ間違い無しクラスね。

で、たまに、本気で山に入ろう、なんてモノズキもいますが、そゆ人たちは軽く十万超えるフレーム(アルミとかチタンだと、安くは無いんですよ)に、自分でセレクトしたパーツ組み込んで、自分の目指すフィールドに合わせてくワケです。
自然に分け入ってく、って遊び方ね。
ま、一見自然愛好家っぽいですが、実は登山道を自転車で走って、歩いている人たちとトラブルになったり、動植物に多大な被害を与えてばかりで、まったくロクなもんじゃありません。せめてシングル・トラックには入らない(林道など、クルマのタイヤの痕跡である二筋のワダチがある道がダブル・トラックで、それに対し登山道や踏み分け道などをシングル〜という)などの最低限のマナーを守らないと、とんだエセ・ナチュラリストですよ。

さて、そーやって組み上げたのは、いくら軽量化を図ったところで、路面がスムースじゃあないんでスピードは出ません。そーなると、誰だって「楽しい」のは下り坂、ってコトになりますよね?
なら、いっそ、スキーと同じ発想で、上までリフトやゴンドラで自転車ごと持ってっちゃって、下りだけ楽しもう、なんて不精こくヤツラが出て来るワケですよ(距離スキーに対するゲレンデ・スキーみたいなもんやね)。
それが「ダウンヒル」と言われる遊び方です。体力はさほど必要とせず、有り余る体重もモンダイな〜い、とくりゃ、体脂肪とお小遣いならタップリあるぞ〜!ってな「オヤジ」たちにゃあピッタシでしょ?
不整路面をトレースすんのに腕力が必要だ?ならサスペンション付けちゃえよ!少しばっか重くなったって構うこたあ無えやな、下るだけなんだからな。チェーンがバタつく?変速機のコーゾー変えちゃえ・・・ てなワケで「ダウンヒル・バイク」つーまったくトクシュな自転車が出来ちゃいました。
でも、そんなサス付きが投入されたおかげで、スピードはどんどんアップして、ケッキョク鍛えてないブヨブヨ・オヤジじゃ出る幕は無くなっちゃったんですがね。

そのダウンヒルも国際的な主要競技のひとつになってしまいました。年間を通してチャンピオン・シップを争うワールドカップが 7戦、年に1度だけの世界選手権 1戦、同じく日本国内だけのシリーズ戦となるジャパンシリーズが 6戦あり、そして年に1度だけの全日本選手権と、アジア選手権がそれぞれ各1戦です。
それらのレースはいまや「たかが自転車」なんて言ってらんないハイテク総動員のスーパーバイクによって支えられているのですが、ここに来て「 Honda 」がファクトリーとして参戦することを表明しました。

Hondaのダウンヒル競技専用マウンテンバイク「RN01(アール・エヌ・ゼロ・ワン)」にジャパン・シリーズ・ランキング5位の井出川直樹選手の組み合わせで、2003年のジャパンシリーズ(全戦)と、ワールドカップ(スポット参戦)に参戦するそうです。
「RN01」は、変速装置(トランスミッション)を、フレームマウント(ペダル軸からすぐ上にある変速機に移し、後輪のシングル・ギアと等速?でチェーン駆動するもの。フレーム側の駆動ギアは後輪サスペンションのピヴォットとセンターを合致させてあるので、サスの動きによってチェーン・ラインの長さが変わることが無く、したがってテンションを保つためのアームも不要となり、チェーンは常に張ったままなのでアバれてハズレたりするトラブルも無い)としてあるので、旧来のディレーラーや8〜9枚あったギアを1枚に減らせるのでバネ下荷重が軽減され、トラッカビリティが向上し、さらにチェーン・ラインもかなり高いところになりますから、そっちのトラブルも減ります。とまあ、こりゃかなり「本気」かも。

なんだってホンダがいきなりそんなこと始めちゃったのか?ってのがいまいちピンと来ないんですが、ま、そこら辺がホンダのホンダたるとこなんでしょねえ。
あ、面白い(か?)のは、このマシーン、完全なファクトリー・オンリーらしく、どこでも「買えない」らしいんですよ。ますますワケ判らん。
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