Crisis

2003-02-22
夕方のニュースで、Rhode Island 州(なんと、この州の正式名称は「 The State of Rhode Island and Providence Plantations 」なのだそうで・・・Rhode というのはギリシャの「ロードス島」から来ているようです)West Warwick(人口が3万弱のケント郡の都市)のクラブ・ハウス火災の映像が流れてたけど、あんなとこで、いかに演出のためとはいえ、かなり永い間、一定の方向に火花が吹き出す花火を「室内」で使っても「ダイジョーブ」なんて、どこのバカが判断したのかね?

見た目ほどじゃないにしても、いわば一種の火焔放射器でしょ?
フツーに考えれば「火事」になるのは「当たり前」だと思うんだけど。
大邱市の地下鉄火災は「故意」に基づく「放火」で、これはもちろん「重罪」だけど、この花火を使った演出を考えたヤツも、故意にではないにしろ重罪だよね。
そんなことしてアブナくないのか?って、ちったあ考えなかったんだろか?
まったく、こんなレヴェルの低い「技術者(?)」のせいで死んだ人間が浮かばれないよ。

スペース・シャトル、コロンビアの事故でも、大邱市の地下鉄火災でも、起きてから「こんな事態は想定していなかった」みたいな発言が周辺から出てきます。「想定できなかった事態に対してはセキニンが持てない」と言わんばかりですが、本来の「技術」ってのはそんなもんじゃないでしょ?いくらなんでも、そんな攻撃なんてするハズがない、なんてのは9.11テロで「幻想」に過ぎない、って判りました。自分が想定できないコトを他人がするハズが無い、なんて、ずいぶん尊大にして傲慢な考え、っちゅーもんでしょう。
あんたは「神」かっ!

そんな「故意」による攻撃だけじゃなく、ハードにまつわるトラブルや、また運用ソフトに潜む陥穽などによって、考えたことも無かったような「事故」が起きる可能性は、「すべての」システムにつきまといます。これまでは「想定できなかった」でアキラめて来たかもしれませんが、もはや、いかなるシステムも、その運用に伴う社会全体に及ぼす影響がかってとは比べものにならないくらい「巨大化」していますから、それじゃあ済まないんですよ。
逆に言えば、どんだけ「まさか」の事態を想起できるか?が今後は「技術の命運」を握っている、ってことでしょね。こんなコトが起きるまでは、マスター・キーひとつで車両の全機能を停止させるってシステムに誰も疑問を持たなかったし、むしろ「ベンリだ」ぐらいに考えてたんじゃないでしょか。日本ではシステムが違うので、そのよーなコトはない、なんて言ってますが、そこで終らずに、ありとあらゆる可能性を考慮してみなきゃ。
普通なら「あり得ない」と考えてるコトも「ゼッタイ起きない」なんて保証はないですからね。地下鉄のトンネルと地表との間で、まったく別な工事が原因でガス爆発が起きて、落盤事故が起きたら?その時の危機管理は?局所的な大豪雨、あるいは大容量の水道管の破裂などによって、トツゼン浸水したら?
特に東京の地下鉄は新設に伴ってどんどん大深度化してますから、その際の救助・避難などの方策はどうなるのか?このようないろんなシステムに対し、「まさか」と当事者が言いそうな「クライシス・シナリオ」を提供するコトを仕事とするプロフェッショナルを養成する必要があるんじゃないの?

そして、その対策も「本腰入れて」考えなきゃ。たとえば、9.11に関しても、GPS ナヴィゲーション・システムが完全なものであれば、航空機に対し、全ての地形のみならず、地上構造物のデータをもマークさせ、たとえ暴力によるハイ・ジャックに遭っても、「航空機自体のハードが」ランドマークへの「接近」を拒否し、回避する、というシステムが可能だったハズです。
航空機産業や、各国の航空会社が、そのようなシステムの開発に着手した、というコトはいまだ聞こえてきませんねえ。
最初にやられた時は「アナを突かれた」で済んだ(ホントは済まないんだけど)かもしれないけど、それに対する、ホントに有効な「手」を打ってないんじゃ、「何も学んでない」のと一緒です。例えば、あの「サリン」にしても、密かに作っている個人が「ゼッタイ」いない、と思いますか?それが不可能になるような「手」を打ってるんでしょうか?
日本でも「自爆テロ」は起こり得るのですが、どうやったら防止できるか「研究」してるんでしょうか?

ここ日本じゃ「必ず起こる」って判っているハズの「地震」でだって、あれだけの犠牲者を出してしまいました。さて、あの後、どんな「根本的な」対策が導入されたでしょうか?
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