I PUT A SPELL ON YOU, AGAIN !!

2003-02-26
スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの二枚組CD『SPELLBOUND 1955-1974』 Bear Family Records (ドイツ)BCD-15530 を東京で仕入れてきて、ついに今日、カクゴを決めて(?)聴き始めました。
1曲目は「VOODOO」。1974年の10月、ニューヨーク、The Hit Factory での録音で、RCAPB 10127としてリリースされたもの。バックは「不明」です。
いきなりコサック・ダンスみたいなリズムで始まりますが、すぐにクラビがらみのファンクにナダレこみます。Levine-Bellack というクレジットがありますが、ワタシは知らないヒトでんなあ(この時のプロデューサーみたいでっせ。Joey Levine と Marc Bellack )。ただ、曲調はいかにもスクリーミン・ジェイにピッタシのおちゃらけ指向でございます。
続いての「You put the spell on me」は、そう、自作の大ヒット、I put a spell on you のアンサー・ソングっちゅーか、自分でツっこんでるちゅうか・・・やや静かなバックにのせて、絶唱チックにリキんでおられます(つまり「いつもどおり」でんな)。あいかわらずゼータクに女性コーラスをムダ使いしくさって!
3曲目になりますってえと、オープニングは岸に打ち寄せる波の音・・・そしてたゆとうようにスティール・ギターのポルタメントで和音が滑り込んでくる・・・そう!どっからみても、誰がなんと言おうと、スミからスミまで「ハワイアン」なのでございます。どやら、60年代にハワイで休暇を過ごした際に現地の音楽にいたく感銘をお受けになって、どれ、ワシもひとつハワイアンを、てな気になったんでしょかね?「MAKAHA WAVES」は Joseph Ryan つーひとの作ですが、次ぎの「THERE’S TOO MANY TEARDROPS」は、なんと「自作」でございますよ。ま、そのせいか、同じスティール・ギターでも時折り、ハワイアンっつーより、C&W っぽいとこがあったりいたします。ま、そこらあまりシリアスになんてやってなさそーですから、ツイキューしないどきましょ。だいたいやね、あのシャウトがハワイアンなワケないざます。
さて、5曲目でございます。あの、あまりにも有名な「I PUT A SPELL ON YOU」なのでございますが、皆様、ワタクシめの HP の「Voodoo Cafe(スクリーミン・ジェイ・ホーキンスのお部屋)」にお入りになったコトはございますでしょうか?え?あるワケ無い?でげすよねえ、なはははは。えー、そこで紹介しておりますアルバムのうち、『THE BEST OF SCREAMIN’ JAY HAWKINS』 Classic world CWP2011ってえのがありまして、こいつ、「EBB TIDE(引き潮)」なんてチョー有名スタンダード・ナンバーなんぞもカヴァーしてて、そのイミじゃとってもオモシロいんですが、どしたワケか、音質が「最悪」なのですじゃ!
『このCDだけのモンダイなのか、録音レヴェルは低めだし、高域もナマってるし、 まるでアナログ・テープで再生ヘッドの位置が合ってないような位相の狂いも見られる。音質は(ノイズこそ無いものの)最悪!こりゃゼッタイに「バッタもん 」なんじゃないの?』
と、当時のワタクシはコメントしておりますが、いま聴いてもやはりそうでございます。
で、そこに収録されておりますところの「I PUT A SPELL ON YOU」が、今回の BCD 15530 の「それ」とまったく同じテイクのように「思われ」ます。ただし、とーぜん、こちらのほーが「音」もよろしい。ホーン・アレンジやムリヤリなブレイクに次いで入るセミ時雨みたいな、女性コーラスによるウィスパリング? 「フサフサフサフサ...」ってのまで一致いたします。ううむ、ついにこのテイクのパーソネルが判明したぞう!ギターに William Butler と Eric Gale。ベースが Jouis Mauro。ドラムは「あの」Bernard Purdie (他に Warren Smith: perc./ Ernest Hayes: piano/ Joseph Grimaldi: ts/ Buddy Lucas: bs/ Ernest Royal & Joseph Wilder: tp/ Benjamin Gordon Powell: tb/ Norbert De Coteaux: leader/ Dick Jacobs: produce Dec.29,1966. Associated Recording Studio, New York City )と。
ワタクシのインプレは『イントロはやたらハデ、かつクレイジー!ホーン・ブロウ& SJH のシャウトで始まります。ドラムはモロ 8 beat系で疾走するスゲえチョーシいい "I put a spell on you" 。女性コーラスつき。でも、バックのタンバリンがなんだかウルさいなあ。』がそのまま使えます。実は、その『THE BEST OF SCREAMIN’ JAY HAWKINS』を紹介した際に、「おそらく、同内容で、ちゃんとした音質のオリジナルCDが存在するのではないでしょーか?」と言っておったのでございますが、その原盤ってのが Decca32100 ( CD じゃなく、シングル)らしいです。これでよーやくナゾが解けた!とヨロコんでいたのも束の間、なんとこの後、21曲目にふたたび「I PUT A SPELL ON YOU」が登場するのでございますよ!そして、「さらに」音質が良くなって、しかもステレオになって、その替わり、女性コーラスが跡形も無く消え去っておるではあ〜りませんか!しかも、この分のディスコグラフィーは記入されておらず、ただ年度だけは「1990」とクレジットされております。で、よ〜〜〜く聴くと、これって、66 年吹き込みの「そのもの」としか思えないんです。女性コーラスが消えたアナを埋めようともしておりません。
ううう・・・判らん!しかもあと3曲「TWO CAN PLAY THIS GAME」「SHATTERED」「YOUR AN EXCEPTION TO THE RULE」もそうなんですよ。ま、三つめのは「I PUT A〜」の B 面なんですが。
さあ、困った。このステレオ版、女性コーラス無し、っての1990 にシングルでリリースされたんじゃろか?リリースされてなきゃ、録音年度の1966 になってるハズだしなあ・・・
てなワケで、けっきょくナゾがまた増えて「おしまい」。全部英文のライナー、根気よく拾い読みしてみよかな?なんか判るといーんだけど。
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