MARGO TIMMINS─

2003-03-16
日曜日のイトーヨーカドー、それも地下食品売り場、さらに夕方近くともなると、買物客でゴッタがえしてるのはトーゼンつーものでございます。
しかし、それにしても、真剣に夕食の献立と食品の価格を連動させ、吟味を続ける奥様のうしろをウロウロとついて歩くアホ面したダンナの、まあ多いこと。はたまた、早く決めろよ!と言わんばかりの仏頂面。おいおい、一緒に考えろよ。お前に任せる、みたいな顔してるけど、そのくせ、出されたもんには文句たれるんだろ?
ま、それがそのお宅の習慣なんでしょから、ワタシがとやかく言うことも無いんですが、そんなボーっとつっ立ってられるとジャマでしょうがねえんだよ。見りゃあゲンキそなカラダして、安直にカートなんか使うんじゃねえ!ほーら、渋滞だあ。ドンくさいなあ、もう!

なんて地下の混雑に突入する前に上の階で SHINSEIDO の CD コーナーの前を通りかかったら、どれでも 500円!ってえ表示が。どれどれ、どうせロクなのはあるまい・・・と思ってひとわたり見たら、ん!COWBOY JUNKIES lay it down がある!!
このカウボーイ・ジャンキーズは、板でお馴染み(最近はもう現場研修でヒマ無いみたいですが)Marzio さんが、コントラ・アルトの女性ヴォーカルが好きだったら、ゼッタイおススメです!って言ってたヤツじゃないの!500円ってのも気に入って、ソク買いでございます。
ライナーによれば、1995 年の6〜7月に録音され、1996 年に発売されたもののようです。日本語ライナーによれば、これは彼らの6枚目のアルバムで、RCA との契約を解除し、GEFFEN(ロスのレコード会社らしい)に移籍した第一作なんですね。

COWBOY JUNKIES はカナダのトロントを中心に1986 年あたりから活動していたようですが、ま、能書タレる前に、まず音を聴いてみましょ。
一曲目は「Something more besides you」。基本的にはラヴ・ソングなんですが、やや内省的。Alan Anton のベースと、Michael Timmins のギターのアルペジオで静かに始まるイントロに、落ちついた Margo Timmins のヴォーカルが「力み」も無く、透明に、ナチュラルに滑り込んでくる・・・うわぁ〜、こりゃ「いい」!ワシの好みだわん!ギター、ベース、ドラムそしてヴォーカルというシンプルな構成ながら、不思議なエネルギーに満ち、ヘンな例えだけど、う〜んと音をクリアーにしたパンキッシュでコンセプチュアルなロック(なんじゃそりゃあ?)って感じ。なにより、歌詞を、と言うか言葉をスゴく大事にしてるよね。さすがにギターは後からサイドとオブリを乗せてるみたいだけど、スペイシーなまでにスカスカの音空間が、「余白の美」までうかがわせます。Peter Timmins のドラムなんて、一打一打が吟味され尽くしてる、ってえたたずまいがこれまた美しいですねえ。すんげえ「知的」!こりゃクセになりそーじゃ。

二曲目は「A common disaster」。ゾンビーズみたいなリズムで始まりますが、音数はグンと少ない。こんなにウィスパーっぽく歌ってるのに妙にハクリョクあるなあ。ありし日のジェファーソン・エアプレーンの未発表曲でも聴いてるみたいな気がしてくるけど(ベースはジャック・キャサディっぽいし、ギターも時としてヨーマ・コウコネンみたい)でもヴォーカルはこっちのほーが迫って来るものあります。グレース・スリックより全然リキんでないのにね。

三曲目はアルバム・タイトルにもなっている「Lay it down」。アコっぽいイントロから始まるけど、途中から多重録音によると思われるコーラスでいきなり厚みがつきます。
う〜ん、このスキマだらけの音作り、空間という空間は埋め尽くさなきゃ気が済まない(特に)ハード・ロック系のファンにゃ、ゼッタイ受けない曲作りだなあ。

四曲目は、さらに内省的なサウンドの「Hold on to me」。マーゴ・ティミンスのヴォーカルが丁寧にコトバをなぞって行きます。この曲では途中から弦楽四重奏がバックに加わり、珍しく厚みのある音になってはいますが、それでも、全体としては静諡な空気が流れています。
ああ、しかし、ここまで聴いてきても、これ、ブルース一辺倒のお方には、ゼッタイ支持されそもない音楽だなあ、ってのつくづく感じます。かと言ってフォークでも、カントリーでも、いわんやポップスでも「ない」この独特の世界は、なんと表現したらいいのか?誰にでもススメられる、ってえ音楽じゃないよなー。あ、だから 500円の叩き売りなんてえ目に合ってるのか。

うう、いかん、この調子で書いてったらものスゲえ字数になっちまう。この続きはまた明日 or 明後日?つーことに・・・
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