THE DAY

2003-03-20
世界中の大半の人々の反対にもかかわらず、アメリカ軍はブッシュの決断によって、イラクにたいする攻撃を開始してしまいよった。

ブッシュは、イスラム教を攻撃しているのではない、問題はフセインだ、と言う主張を繰り返していますが、一方のフセインは、これはアラブの民と、イスラム教に対する攻撃である、として「すべての」イスラム教徒に「徹底抗戦」を呼びかけています。
まったく、ブッシュもフセインも「自分のプレゼンスを誇示」することに拘泥し、将来の厄災のもととなるような言質を無神経に垂れ流してるんだから、どっちもロクなもんじゃねえ。

さて、「世界中の〜」と、つい書いてしまったけれど、その「反対」の中身は「相当な開き」があるようです。
イスラム圏では、最初っから、査察で平和的にどうこう、なんてコトに関係なく、これは「イスラーム」にたいする異教徒の侵略であるから、絶対に許さない!と言うニュアンスでしょう。
ここには、アメリカの言い分より、同じイスラームの同朋(と言い切るにほどには、イスラームも一枚岩ではないのですが)と見なされる、イラクの言い分の方が正しい、と決め付けている「危うさ」があるのですが、今のところ、それについてイスラーム圏内で冷静に言及する声は届いて来てはいません(無い、とは言い切れませんが)。
こうした米欧とアラブ社会を中心としたイスラム教勢力との「断絶」は、今回の攻撃によって、修復されるどころか、より一層、絶望的になった、と言ってよいのではないでしょうか?

フセインの独裁から、イラク国民を解放し、大量破壊兵器の周辺諸国に対する脅威を除去する。と言うブッシュと、悪魔に魂を売ったブッシュは、イスラム教を絶滅させようとしている。と言い、ほとんどのイスラム教徒に、それを信じ込ませるコトに成功したフセイン。
たとえイラクが「制圧」されたとしても、イスラームの戦士による「反ブッシュ」「反アメリカ」に燃え上がる「聖戦」は、今後さらに激化して、各種のテロの脅威は全世界に拡散していくことでしょう。
「憎悪」の悪循環を断ち切る「勇気」は、どっちにも無いようですね。それが出来たら、後の歴史書では「聖人」扱いされるでしょうが、その時点では「国賊」の汚名を着せられるかも。
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