SABRINA HEAVEN

2003-03-24
先日、JOY-POPS(弘前にある地元の CD 屋)に探しものをしに行ったんですが、その時、店内に流れていのが、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT の最新アルバム『SABRINA HEAVEN』。
アベ・フトシのギターのカッティングにウエノ・コージのドライヴィン・ベースが轟音を上げる・・・ うう、この世界、たまらんばい。ワタシが抵抗できないタイプのサウンドに、ミッシェル・ガンはしばらく控えてた(?)んだけど、もーダメ。やっぱり買っちゃった。

「ブラック・ラブ・ホール」は巨獣の足音のような衝撃音の連続で幕を開ける。
そしてチバ・ユースケのヴォーカルに導かれて繰り広げられる「記号」の疾走!あの GT400 の「へだるさ」はもちろん無い。
続く「太陽をつかんでしまった」。ドラムに始まるこの曲では重く遠く渦を巻く意味のスパイラル。リリカルな歌を優しく包む音群はゆるやかに旋回をつづけていく・・・
変わって「ヴェルヴェット」では変調をかけたパーカッションからベースへ。繰り返される強いビートに収斂してゆくシンプルなシーン。流れてゆく和音のかげりが温度を下げる。
「メタリック」・・・ 流線形にも感情があって・・・ という、突き放したようなセリフで始まるグラインドするロックンロール。このめくるめく熱風はナゼか「渇き」に快い。
そして「ブラッディー・パンキー・ビキニ」。やや軽く、浮上してゆく、とある日のエピソード。アベ・フトシのギターが揺らすリフが日常の水面に波紋を描く。ほうき星が空に残した傷跡なんて、ホントに見たくなっちゃった。やがて訪れる静寂の中から、ウエノ・コージのクロースなベースのリフが呟き始め、コンパクトなエピローグ。ブルージィな小宇宙。
「マリアと犬の夜」はクハラ・カズユキのシンバル・レガートにランニング・ベースのジャジィなオープニング。アリゾナ砂漠・・・ブルガリ・・・草の生えたエルビスの死骸・・・イメージのカテドラルを巡る醗酵し続ける言葉たち。
「ジプシー・サンディー」では炸裂のオープニング。自己主張を繰り返すギターとドラムが不思議な調和を見せて、架空の座標を目指す。汚れた12月には背を向ける、ってワケさ。そして轟音が消えてゆく瞬間の美しい[VOID]、エネルギーに満ちた真空が時間軸を停止させる。
アベ・フトシの輝くギターで始まる「マリオン」は、喪失の謝肉祭だ。次々と通過してゆく鮮烈な画像たち。足元を揺るがす地響きは、そう、いつだって自分から出ているんだよ。
最後の曲は「サンダーバード・ヒルズ」。ジャジィな4ビートを装って、でもその裏にたっぷり塗られた「猛毒」がじわじわとにじみ出してくるよ。やがて仮面は落ちて牙を剥き、疾走が始まる。音のひとつひとつが鋭さと輝きを増して、空一面を埋め尽くした先にある世界はどっちに転がるのか?ハロー・ベイビー。そうだよ、ハロー・ベイビー。お前の未来を愛してる・・・
エピローグでは、ドラムとベースの強いビートを、まるで、それ故に愛してでもいるかのような美しいピアノがゆるやかに流れ、静かに自転は止まる・・・

やはり、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT を語るときには、独特の言語になってしまいますね。ブルースのインプレとは、なんか「相」が違うんですよ。
たぶん、いつもこの日記をお読みいただいている方たちの中で、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT を好き、という方は(いえいえ、それどころか、知っている方だって)あまり、いないんじゃないでしょか?だから、今日の日記には「???」だと思いますが、ま、タマにゃあワタクシのワガママにも付き合ってくださいませ。え?「タマに」じゃねえだろ?にゃはは、ごもっとも!

でも、ショージキちょとコアに走りすぎたかも?

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