Herb Ellis

2003-04-17

なんとか Screamin’ Jay の CD をアップした後も、accompanist(伴奏者)について調べ続けています。その辺も、少しまとまって来たら、HP 内に記述を追加してこ、思ってますのでしばしお待ちを。

たとえばギターの Herb Ellis です。わたしゃあ殆ど存じあげないんですが、どやら有名なズージャのギタリストらしいですね。『SPELLBOUND 1955-1974:Bear Family Records BCD 15530』の2枚目の2曲目「FEAST OF THE MAUMAU」じゃ、終り近くに、そんなバリバリのギターってワケじゃないですが、ケッコウ手堅いアドリブを聴かせてくれます。トーンも(ワタシの嫌いなズージャにありがちなボソボソした音じゃなく)かなりアタックの利いたクリアーでトレブリーな音で、こゆのだったら意外と好きかも。「THING CALLED WOMAN」でも参加してる(らしい)のですが、この曲ではあまりギターが聞こえず「?」でございます。
「ASK HIM」では(たぶん)Gibson 系のハムバッキングらしき、やや立ち上がりにクセのある、でも基本的にはクリアーなトーンで「ブルージイ」なオブリを聴かせてくれます。ギター小僧たちが「ス、凄え!」なんてノケゾルよーなプレイじゃあないですが、なかなか「切り込んでくる」ギターでございますねえ。

とは言え、これはスタジオ・ミュージシャンに徹して、バッキング・ワークとしての演奏なんですよね。だから、彼自身がリーダーとなったアルバムとかじゃどーなんでしょ?やはりあのボソボソとした、音消えの早い「いわゆる」ジャズ・ギターになっちゃうんでしょか?だとしたら「ガッカリ」(ジャズ・ギター好きの皆様ごめんなさい)でございますよ。
ワタクシ、ジャズ・ギターに対しては「おおいに」偏見がございまして、ま、実際にジャズ・ギターやっておられる方には、そのうち暗殺されちゃうかもしれないんですが、ジャズにギターは「要らない」って「感じて」おります。まっこと言語道断とはこのことなのでしょうが、なんせ個人的な「印象」ですから、そりゃ「間違っとる」言われましてもねえ・・・
ジャズでピアノ・トリオ(piano、bass&drums)っての、ナットクできるし、同じよにサックスをトップに持ってくるのもワカるんですが、ギターとなると、アコーステイック・ブルースのセッションにウクレレで参加してるみたいな「違和感」を持っちゃいますねえ。

ひところウェス・モンゴメリーのギターを聴いてたこともありましたが、それは「ジャズ」としてじゃなく、イージイ・リスニング系の(今で言う「和み系」?)音楽として、ま、ある種、ジャズの周辺領域の音楽として聴いておりました。当時のワタシにとって「ジャズ」とはアルバート・アイラーでしたし、妥協してもオーネット・コールマンのストックホルムや、あるいはアート・アンサンブル・オブ・シカゴまでだったのです。
ワタシにしてみれば、圧倒的に支持者の多いジョン・コルトレーンでさえ、「熱さ・黒さ・肉体性」に欠けており、ジャズとは「認めない」という姿勢でございました(今はどうか、って?そりゃ多勢に無勢、みなさん、あれが素晴らしい!っつーんならそーなんでしょう)。でも、世の中ジャズが幅広い層に浸透して行くにつれ、どんどん軟化し、商業化し、「おっされ〜」になって行くよーで(商売としちゃあ「正しい」)、そんな時、アルバート・アイラーの訃報に接し、どうもワタシの「ジャズ観」ってのが、明らかに大勢と離反してる、ってのを思い知らされるような二、三の出来事を経て、それ以来、いわゆるモダン・ジャズ(のフアンたち)とはキョリを保つようになったのでございます。
てなワケで、ワタクシの実に「狭〜い」ジャズ観の中にギターという楽器は存在したことが無いんですよ。

現実にはあり得んハナシやけど、もし今からジャズやらにゃならん、みたいなハメになったら、必死こいて練習してでもサックス覚えますわ。ギターやったら、やっぱスクィーズ「クィ〜〜ン」とキメな弾いた気がしまへん。

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