お持ち帰りですか?

2003-04-30

TV のニュースによると、中国から、日本人留学生がどんどん帰ってくるんだって。SARS(重症急性呼吸器症候群)の感染が拡大してる北京には 7,300 人くらい日本人がいるらしいんですが、「日本帰国を含めた北京からの退避勧告」が出されてて、その中の留学生には「日本への帰国勧告」が出てるそうでございます。

そのよーに、政府が勧告をする以上、日本への帰国には、医師や検査態勢をカンペキに用意した「特別機」を用意して、成田到着後も特別な駐機場から一切の地上設備に触れるコトなく特別宿舎に直行して、全員一週間の観察期間をそこで過ごして「感染」の危険性が無いことをカクニンしてから「解放」されるんでしょうな。
完全な隔離態勢で感染を分断し、ミゴトに「非感染地帯」となったヴェトナムより、医療技術的には日本って、ススんでいるハズですからねえ。それが、結果的に、今回の退避活動によって SARS 感染が日本に広まっちゃった、なんてコトにならなきゃいーんだけど。
考えてみりゃあ、現地の医療態勢に不安があるからって、「発症」はしてないけど「 SARS ウィルス」を保有しているかもしれない留学生を、「まさか」ノー・チェックで国内に「野放し(?)」する、なんてそんな「ウィルスの思うツボ」なこと、アタマのいい日本の官僚のみなさんがするハズはないよねー。きっと「ちゃんとした」対策を打ってあることでしょう。

とかく「先進国(と自分で思ってる国ね)」は、発展途上国で疫病が発生すると、自国人を引き揚げさせよとするけど、それが疫病を輸入するコトになっちゃう可能性を考えてるんでしょか?
ただ単に、現地の医療レヴェルが低いから感染が止まらない、と決めつけ、自国に呼び戻しさえすれば充分な治療が施せる、ってえ思い上がりは「エボラ出血熱」などの「初めて遭遇する」疫病の前では極めて危険な「短絡思考」なのです。
今回の「SARS」についても、中国当局の対応に過誤があったのは確かですが、しかしここまで感染が拡大してしまった以上、安易に自国人を召還するのではなく、逆に WHO(世界保健機構)の主導で、各国の先進医療チームを現地に投入し、感染が拡大するのを阻止し、さらにはワクチンの開発に必要な情報の収集や、予防的見地からの対策の指導なんかをガンガンやるべきでしょ。
「そんなヤバいとっから、さっさと帰って来い!え?あとは知らんよ。そっから先ぁ中国がジブンでなんとかするでしょ」ってのが現在のジョーキョーですぜ。この国際間の定期航空便がひっきりなしに飛び交ってる時代に、ビビった観光客がいくら減っても、ビジネスで往復してるヒトがいっぱいいるんだから、「必ず」ウィルス自体は「入って来る」の。現地での感染を終焉させない限りね。
さらに「渡り鳥」によるウィルスの飛来だってあり得る圏内ですから、有効なワクチンの開発など、キチンとした対応策を練っておかないとね。

アメリカ東部における西ナイルウィルスの感染も、航空機による「飛び火」ではないか、とゆう推測がなされていますが、こと国際間の移動では、どーも、その「速さ」が危険の拡大にもつながってるんじゃないの?
むかしだったら、まったく環境の異なる異国の地で感染しても、帰る船の上で発病し、治るなら治る、ダメなら死んじゃう、って形で途中でケリがつく(?)あるいは、対策をたててる時間的余裕があったんでしょうが、現代じゃ、感染した翌日には、8,000km も離れた国際空港に降りたって、具合が悪くなってきたなあ、ってころにゃあ通勤電車のラッシュでモマれてるワケですからねえ。

ワタシ自身、こと国内に限って言えば、ヒコーキでピャっと飛んでくの大好きで(ほら、ムカシっから言うでしょ、なんとかとケムリは高いトコ好きだ、って)、よく利用しますが、こと海外へ、となると、なんか「イヤ」。あの「時差」ってのがナットク出来んのじゃ。地球の営みを無視するよな移動はカラダによくない!
おまけに最近じゃあその航空機を建造物の破壊に使う一派まで出て来てますからねえ。
やっぱ、速けりゃいいってもんじゃないのかも。

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