パクリ疑惑

2003-05-16
本気で「一日一枚」でトバして来たMACさんが、本日は都内某所で「呑み」の予定だとかで、さすがに「やすませていただきます」だそう。
おっしゃー、しからばワタクシめが「なんちゃって」一日一枚をば・・・

偽音盤日誌『一日一杖』
2003年5月16日(金)
エルヴィン・ビショップ『STRUTTIN’ MY STUFF』(POLYDOR P20P 22022)
初期のホワイト・ブルースのブームを、マイク・ブルームフィールドらとともにポール・バターフィールド・ブルース・バンドのメンバーとして、さらにバンドを離れてからは、アル・クーパーとのセッション「フィルモアの奇跡」を経て自分のバンドを結成し、ウェスト・コーストを中心に活動。
しかし’74年には「あの」ディッキー・ベッツの仲介でキャプリコーンに移籍。
これはたしか’75年のリリースじゃなかったかな?(キャプリコーンでの3作目。南部、つまりキャプリコーンの本拠地メイコン・ジョージアで録った『Let it flow』、彼にとっては、かってのホームグラウンドだった、ゴールデン・ゲー ト・ブリッジを挟んで、サン・フランシスコとは対岸に位置するサウサリートで録音された『Juke joint jump』に対し、このアルバムは思いっきり東に跳んで、マイアミ録音。あ、カンケー無いけど、そのサウサリートと姉妹都市となっているのが香川県の坂出市です。「さかいで大橋」とゴールデン・ゲー ト・ブリッジのアレゴリーが縁か?)
このアルバムではイキのいいツイン・リードが聴けるんですが、かっての Cavern Blues Bandの Billy Winterこと、入江ビリに言わせれば、「スゴいのは Johnny Vernazzaのほーでしょ。」だそう。う〜ん否定しきれんとこがなんとも・・・
<筆者の私的ベスト3>
3位「Struttin’ my stuff」
アルバムのタイトルにもなってる曲で、ファンキーなクラビネットのリフがココロヨいのですじゃ。
Don Baldwinの転がるようなトリッキィなドラムが下を支えて始まるこのナンバーは、ブルースから、かなり離れたトコまで来ちゃってます。さっそくのツイン・ギターは粘り系(でもレイナード・スキナードのような「深み」は無く、やや軽いかな?)だけど、ソロに入るとやはりファンキーな音作りが目立ちます。このアルバムを象徴するよな、「キレ」が身上の曲やね。「コク」は・・・無い。

2位「My girl」
こりゃもう、あまりにも有名な、あの「マイ・ガール」でございます。そう、スモーキィ・ロビンソンの。それが、「Messin’ with the kids」みたいなリズムに乗せて、そりゃもう「あっけらかん」と疾走して行っちゃう!なんつー「マイ・ガール」じゃ!とお思いでしょうが、ふむふむどうして、これはこれでオモシロいじゃあないの。ちょっぴり「おバカ」な匂いはしますが、いーのよ、楽しけりゃ。みたいな「割り切り」で聴いてみましょう。
あ、このアレンジ、日本のワイルド・ワンズがアタマからケツまでパクってましたっけ。

1位「Fooled around and fell in love」
1位はやっぱり、これでしょ。もはやブルースの残り香すら薄れちまった「大ラヴ・バラード(?)」ですが、そのかいあって(?)それまでの彼のファンとは違う層にもかなりのセールスを上げたハズ。
やや「ロマンティックな」イントロに続いて、いかにも、なラヴ・バラードが始まり、コーラスまで動員して盛り上げてます。「星空」をイメージしそーなキラキラ・ピアノまで散りばめて、と。でも、ギター・ソロとなると、いきなり例のきちゃない、いやさ、エグい音を粘っこく引っ張るフレーズがケッコー、ミス・マッチながらも面白いんですよ。

とゆーワケで、このアルバム、誰にとっても「マスト」でも「ベスト」でもなさそな(はヒドいか?)一枚なんですが、アメリカの、かげりの無い「サニー・サイド」を無邪気に楽しんでいるような「おめでたさ」が、今となってはミョーに懐かしいんですねえ。誰も世界貿易センター・ビルが忽然と消えた N.Y.C.なんて想像もしていなかったあの時代が。
<独断評価>★★★☆
permalink No.391

Search Form