偽音盤日誌
『一日一杖』


2003-06-01
#3フリー『HEARTBREAKER』(ユニヴァーサル UICY-2401)
1973年に(二度目の!そして今度こそ永久に・・・ あ、でも'72年の4月に一度オリジナルメンバーで集まって『FREE AT LAST』作ってたんだ。)解散をしたフリーの最後のアルバムです。とは言っても、既にアンディ・フレイザーもポール・コゾフも(あ、ゲストでギターは弾いてるけどね)メンバーではなく、最初の解散( 1971年5月1日、オーストラリアのランドウィック競馬場でのコンサート後、トツゼン「解散」を宣言し、以降のバンドとしてのスケジュールをすべてキャンセル!ついでだけど、この時、一緒に出てたのはディープ・パープルとマンフレッド・マンだよん)の後、ポール・コゾフとサイモン・カークが、ベースの山内テツ、キーボードのラビットと結成したグループ「Kossoff/Kirke/Tetsu/Rabbit( 1972年初頭にアルバム発売)」にポール・ロジャースが「乗った」カタチになっております。
その頃( '72年のアタマね)ポール・ロジャースはナニしてたか、と言えば、スチュアート・マクドナルド( B.)、マイク・アンダーウッド( Ds.)と「Peace」ってえグループを作ってたらしい(モット・ザ・フープルの前座で出演)。でもアンディ・フレイザーはエイドリアン・フィッシャーなどとグループを作ろうとはしたみたいですが、結局ヴォーカリストが決まらないうちに自然消滅だったようです。
そして1972年の4月にはオリジナル・メンバーで一度集まってはみた(『FREE AT LAST』ね)のですが、7月には「Kossoff/Kirke/Tetsu/Rabbit」のポール・コゾフの替わりにポール・ロジャースが入ったカタチで第二期(?)「FREE」がスタートしています。やっぱしダメだったのねん。覆水盆に復らず(あれ?「かえる」の字、違うかも)ってヤツでしょか。
最後には、ポール・ロジャースとアンディ・フレイザーとの対立が「致命的」だったのでしょうが、この第二期「FREE」でも、'73年の3月にはもはやグループとしての結束はガタガタだったようで、ここでもポール・ロジャースと、kbd.のラビット(ジョン・バンドリック)の対立が軸となった、って言われてますね。
5月には山内テツがフェイセズに行っちゃうし、11月にはポール・ロジャース自身もサイモン・カークとともに「BAD COMPANY」を始め( with ミック・ラルフス&ボズ・バレル。このあたりはMACさんが詳しいぞ、きっと)、'69年から '73年までの僅か4年間の輝かしい軌跡を残して、事実上「FREE」は消滅しちゃいます。

てなゴタクはこのくらいにして(だって、ヒマさえありゃ、こんなコト、「誰にだって」調べられますからね。こゆデータってのは、「ついでながら、こーなってましてん」ちゅー「参考資料」として「さりげなく」出すもんであって、おめえら知らねえだろ!なんてエバるもんちゃいます。いっちゃんダイジなんは、聴いたアナタのココロの「揺れ」ですから!)、このアルバム、良くも悪くも、FREEの「最期」って感じがヒシヒシと伝わってくるような気がします。特に、あの名曲「ALL RIGHT NOW」のアンディ・フレイザーのベースの唄い方が懐かしい、なんて言ってもせんないことなのですが、この第二期 FREE、もちろん、ポール・ロジャースの「声」という共通項はあるんですが、逆に(それゆえにか)違いが際立っているように思えます。
あと、ポール・コゾフがギターを弾いてるトラックでは、初期のサウンドがよみがえるか?と思うと、そーでもないのよねー(ま、一説ではポール・コゾフ、もー「ヤク」でメタメタだったっちゅうハナシもありますが。あ、そのコゾフ、この後、違うツアー中の機内で眠るよーに死んじゃったとか・・・)。やはり、かなり違うスタンスで音が作られている印象でございます。

ま、だからと言ってダメっちゅうんじゃなく、これはこれで大ヒットも出してるし、マチガイ無くウケる要素は持っています。ただ、その前を知る身としてはちょっとフクザツ。そんなアルバムです。ウチにあんのはオリジナルのアナログ・ディスク(アイランド ILS-80253)ですが、CD ではこれに6曲の(と言っても別テイクなどがメイン)ボーナス・トラックが追加されてるみたい。

〈筆者の私的ベスト3〉
3位「WISHING WELL」
大ヒットを記録したこの曲ですが、かっての(?)FREEからするとミョーに耳触りが良く、スンナリ流れてっちゃいがちです。でも、やはり、重要なマイル・ストーンであることはマチガイございませんし、それに、なんだかんだ言ってもこのメロディにあの歌詞、キョーレツにココロに刻み込まれております。
2位「COME TOGETHER IN THE MORNING」
かなりウェット(?)な「愛の終焉」を歌うナンバーですが、ポール・コゾフのギターがまた低空飛行(?)でいい!ただ、好き嫌いは別れるかもしれませんね。甘過ぎる、ってえ声も聞いたことありますし。
1位「SEVEN ANGELS」
アルバム・タイトル曲の「HEARTBREAKER」も悪くはないのですが、心情的には、この曲かな?ポール・コゾフのギターが「断末魔」の悲鳴にも聞こえる、まさに沈みゆく世界(は、ちとおーげさ)の最期の「輝き」を放っているように思えるのですが。

あ、でも今から「FREE」を聴いてみようかな?ってんなら、FREE "LIVE"のほーがいいかも?ねえMACさん。
〈独断評価〉★★★☆
permalink No.407

Search Form