小さな自然

2003-06-06
家の近所にあった小学校が統廃合でサラ地になり(少ししたら、新校舎建てて、また移って来るらしいんですが)、その跡地が、ちょっとしたバード・サンクチュアリになっています。

つい先日もその横を通りかかると、敷地内にあって、道路沿いの桜の樹の上から特徴のある鳴き声が聞こえたので自転車を止めて、見上げるままに枝の中を探してみると、いたいた、アカゲラが樹皮を盛んにつついてます!
しかも驚いたことに一羽だけではなく、さらに三、四羽いるようだぞ。
「桜切るバカ、梅切らぬバカ」ってなコトバを聞いたことがありますが、ナゼか、旧校舎を取り壊す時に、小学校の敷地の境界に沿って植えられていた桜の樹を、敷地から外の道路上にはみ出してる枝すべてを切り落としてしまったらしいのです。いったいなんのためにしたのか、誰の命令によるものなのかも判りませんが、そのせいとばかりは言えないにしても、どの樹も傷みが激しく、つまり、それだけ虫にも侵食されているワケで、どうやらその豊富な虫を求めて集まっているもののようです。

鳥たちの聖域、とは言っても、決して林でも、まして森でも無い、境界に沿って一列に並んだ桜の樹が支えている小さな生態系に過ぎないのですが、それでも、アカゲラの元気な声と、時折聞こえて来る、クチバシでかなり早いテンポで樹を穿つ「タララララ・・・」という音が、フっと日常生活のしがらみからココロだけでもワープさせてくれるようです。
でも、鳥さんたちはいいとして、無残なのはあの桜だなあ。市立小学校の敷地内にある樹木は「市」の財産だから、市当局が、それをどーしようと文句は言わせねえ、っつーこと?「市」のモノって、「市民」のモノじゃあないの?周辺住民や、たまたま花の盛りに通りかかった市民たちのココロを潤してくれた桜の樹が、「どーなっても知らん」みたいな扱い受けてていーの?
それともなにかい?桜は公園にさえありゃいい、って?ははーん、公園の有料化もそのインボーの一端だな。
てなことはともかく、あの「サクラ切るバカ」云々は、素人が切るな、ということらしく、それなりの知識を持って「ちゃんと」やれば、決して樹が死ぬことはない、てなことも聞きました。
でもねえ、それは逆にいうと、ニンゲンの都合で「矯め」てるワケでしょ?
本来ならより良い条件を求めて「自然に」伸ばして行こうとしてた枝をバッサリと切り落とし、「こっちはダメ!」と実力行使してるんじゃん。
本来、大きくなった桜が、どのくらい枝を広げるか、は予測できるワケで、じゃ、なんでそんな道路の交通に支障が起きるよなギリギリのとこに植えたのかねえ?
それとも、最初はもっと道が狭かったとでも?

なんにしてもニンゲンの都合で痛々しい姿にされちゃった桜、どうも割り切れないものが残るなあ。
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