Walking Boogie / Frankie Lee Sims

03-07-11
有名な Lucy Mae Blues を Dallas の Jackson street で吹き込んだおよそ 2ヶ月後に吹き込ま
れた曲で、これは take 4 だそう。
タイトルはブーギだけど、テキサス・シャッフルに近いかも。
ユルユル・スカスカのシンプルなリズムに、Frankie Lee Simsのこれまたスキマだらけのギター
がいい感じ(?)で乗っかり、そこにあのちょっと投げやりっぽいヴォーカルが絡み始めます。
バックはこれまたシンプルで、ややホンキー・トンクがかったピアノにブラッシュ・ワークでのドラムと、ちょっと「遠い(?)」せいなのか、どうもピッチが定かではないウッド・ベース(なんちて、ウォッシュ・タブ・ベースだったりして・・・)のし。
とーぜん(とーぜん?)伴奏者の氏名は不詳でございます。意外に「近い」ピアノの音ですが、妙な「間引き感(?)」があってとってもよろしいざます。しっかしまあ、この Frankie Lee Sims のギターと来たら・・・ もち、日暮氏によれば「エレクトリック・カントリー・ブルース」ってコトらしいんで、使ってんのは「エレキ」なんすけど、シンプルかつストレート!でもいっちゃんスゴいのはその入れ方でげす!
ある意味、アルバート・コリンズの「元祖」?と思いたくなるよな発作マン的フレーズや、突発的なオブリ、唐突なクイック・ストロークと、ああ、もしや、これこそテキサス・ギターの真髄?ってなテンション満載でございます。

いわば日頃ワタクシが腐心しておる、「ブリッジ・サドルを換えたらサステインが・・・」とか、「同じ Ernie Ball でも PRS Slinky より 5150の低音弦が・・・ 」なんてえ「エンスーな」世界(?)を遥かに超越しておられますねえ。
ギター・マニアたちの「能書の迷宮」に疲れたアナタ、ぜひ聴いてみそ。

さて、その Frankie Lee Sims ですが、まずは Chris Strachwitz のインタビューによる、本人の語るところを・・・
1906年*、New Orleans で生まれた。12才からギターを弾いていたよ。父も母もギターが弾けたし、どうやら Lightnin' はイトコらしいんだ。生まれはニューオーリンズだが故郷ってのは Texas だよ。なんたって10才のときにはニューオーリンズから、テキサス州北部の Marshal に移ったんだから。
父はダンス・パーティを演奏してまわってた。母も一緒にね。
その頃 I'm All Out and Down とか、古〜い West Texas Blues、Honey Is You Mad with Me なんてのをよく耳にしたな。父がいつも弾いてたから。
最初に教わったのは Funky Butt, Funky Butt, take it away だけど、覚えが悪いとブン殴られて半殺しさ。だがおかげで父の持ち歌は全部マスターして、いまだって忘れちゃおらん。

*─ ktate さんのブルース人名辞典では1917年生まれとなっています。なお本人によれば、13人の兄弟姉妹の一番上で、最後まで生き残ったんだそう。

(主にテキサス州 Crockett 周辺で)週末にローカルなダンス・パーティなどでギターを弾いていたようで、この頃カレッジに(たぶん)招かれて、(おそらくは、父から教わった古歌・古謡などを?)教えたりもしてたが、あまりカネにはならなかったらしく、2年で見切りをつけ、Dallas に移っています。
当時のダラスじゃT-Bone や Lightnin'、Smokey Hog などとともに数少ないギタリストだったよ。ダラスではTボーンとふたりであちこちあたりをまわったもんさ。

1948年には Bluebonnet Records のオーナーに見出され、初吹き込み。そして1953年には、あの Lucy Mae を吹き込んでいます。
その後、シカゴじゃあ 42nd & South Parkway にあった Regal Theatre で、Muddy や Screamin' Jay Hawkins、Little Milton に Etta James とも三ヶ月ほど一緒に出たよ。おお!Screamin' Jay Hawkins がここに登場するとは!

この Walking Boogie、Frankie Lee Simsの Lucy Mae Blues Specialty SPCD-7022-2 に収録されています。(ディジタル・リマスター盤)



7/10の「ぶぅちゃんの独り言」

今の若い男性のファッションって、あまり好きじゃないな。
だって一言で言うと、こきたねえよな。
こぎれいなヤツがわざと崩した着こなしをするなら分かるけど、
きたねえヤツがこきたねえ格好したって、ホントにきたねえだけなんだよ。
それは無精ヒゲか?それともわざと伸ばしてんのか?


がいいですねえ。まったくそのとおり!なんだか本人はカッコいいと思ってるんだろうけど、ハタから見ると、あのテのヒゲは「きったねえ」だけで、ますますアタマ悪く見えるよねー(ってホントにアタマ悪いんだから、それはそれでいーのか?)。
ひところグランジってのが話題になって、こきたねえファッションをワザとする、ってのがカッコいい、なんて思われてたよーだけど、あれも、めっちゃカッコいー「スーパー・モデル」が着るからサマになるんであって、最近の「こきたな」ファッションだって、どんなカッコしてたってオンナのコがキャーキャー言うよなカッコいいヤツが着ると「やるぅ!」ってなるけど、そじゃないのが着ちゃうと、タダの「こきたねえ」オトコが出来上がるだけざんす。

あれと似てるよね、ほら、「モテるやつがギター弾けるとさらにモテる。モテないやつはどんなにギター弾けても、どしたってモテない(copy by FSTさん)」ってヤツ。カッコいいヤツは「そいつが」カッコいいんであって、ファッションじゃないのにねー。
あ、そっかあ、それ言っちゃうとファッション関連産業が成り立たなくなっちゃうか?先月だっけ?各雑誌が「願いがかなう髪型」とか、「このヘアーでモテる!」なんてキャッチ連発してたの?おいおい、髪型のモンダイじゃあねえだろ!なんて言っちゃったらミもフタもないわな。「そっかぁ〜、あたしがパっとしないのってヘア・スタイル(あるいは着てる服・あるいはメイクのしかた)のせいだったのねー?」っちゅう誤解の上に、「夢を見させてあげないと」雑誌も売れんて。



TOUR de FRANCE 90eの第 5ステージ(7/10)はシャンパーニュ地方を貫くように設定されたコースで、標高136mの Troyesから、同じく標高235mの Neversまでの 196.5kmで、途中の最高標高は 126km地点の 370mです。やや起伏はありますが、山岳コースと言えるほどのものではありません。
やはりこんなコースじゃあドラマも起きないよーで、順位の大きな変化は無いですねえ。今日も(ちょっと距離は長いけど)こんな感じの平坦なコースだっちゅうから、劇的な展開は期待できそーもないか?
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