Money Tree / Byther Smith 03-07-12 | ワタシとしちゃあ珍しく(?)シカゴ・ブルースの名曲でございます。 つーても、'70年代のヒットですから、マディなんかからすると「息子」みたいな世代の作品ね。 独特なクロックを感じさせるタイトなリズムに乗せて歯切れのいいギターのリフが刻み込んで行くこの Money Tree は当時、Cavern Blues Band のレパートリィでもありました。 Byther Smith は「モダン・シカゴ・ブルース」に分類されてるようで、1996年のライヴの Niles Frantz のリポートによると、使ってるギターは Fender Stratocaster で、エルモアみたいな Crossroad を弾くそうですがスライド・バーは使ってないんだって。 また、彼の歌は strong & passionate voice と表現されています。 Byther Smith、本名 Byther Claude Earl John Smith は、1932年 4月17日に、Mississippi 州 Monticello で、10番目の子供として生まれています。 母親はその出産時に死亡し、なんと父親までがその半年後に死亡してしまう。 さらに姉のひとりが自宅の火災で亡くなってるんですから、もう「不幸」を絵に描いたような人生ですよね。この時の経験が歌になり、さらに彼のアルバムのタイトルとなっています。そのアルバムこそ、Money Tree(あ、でも最初のシングルの録音とは「かなり」違う、アルバム用の新しいテイク)が収録された Housefire(1991 Bullseye Blues BB-9503 )です。 彼は最初ウッド・ベースでロデオ・ショーで C&W を演奏してたようですが、その当時ボクサーでもあった彼が初勝利を挙げたとき、育ててきてくれた叔母さんが、彼に Fender のベースを買い与え、ボクシングをやめてオンガクに専心しなさい、と言ったそうです。 つまりベーシストとしてスタートしてるワケ。 1962年ころからギターを始めたようで、やがて Otis Rush が水曜と木曜に出る Pepper's Lounge では、そのリズム・ギターも務めています。 サウス・サイドでは Theresa's Lounge で Junior Wells とこに6年間! '70年代の中頃には George Smith や Big Mama Thornton のギタリストに転身・・・ どうやら彼は '60年代から '70年代の初頭にかけて Ena や Bea & Baby、 CJ に Cruz、 Apex そして BeBe なんて独立系のレーベルにシングルを吹き込んでおり、中でも BeBe には1976年に、「アルバムとして」録音までしているのですが、それはついにリリースされずに終っています。 その後、名も売れてヨーロッパ・ツアーも経験し、Barry Lee Pearson の著書 Sounds So Good To Me: The Bluesman's Story にも登場するまでになりました。 1985年に Grits に録音したセカンド・アルバムはレーベル側との金銭的トラブルからアメリカ国内では販売することが出来ず、ごく限られた数が日本でのみリリースされてました。しかし幸運なことに、そのマスターが Razor Records の手に移り、ついに1988年そのアルバム Housefire がリリースされ、1991年には Rounder Records による CD としてのリイシューが Bullseye Blues label から発売されたのです。 ・・・ああ、でも、こんな調子で書いてったら、すんげえ分量になっちゃうね。お名残おしいけど、エピソードとかはこのくらいにして、アルバムの紹介しましょ。 おススメはモチ、Money Tree 収録の Housefire! 他に、I'm a Mad Man( Bullseye Blues BB-9527 )や、Mississippi Kid( Delmark DE 691)、All Night Long( Delmark DE 708 )なんてのもあります。おとといの Bobby "Guitar" Bennett なんかと違って、ちゃんと自分名義のリーダー・アルバムがあるんですからいいですよねえ。 今日は夕方から寿家で、またまた「空前の」スケールのオフ会ですぜ。 ホントはワタシも行きたかったんですが、ま、しかたないざんす。 いまごろはもうあっちもセッション・タイム(?)に突入してるな、きっと。 こちらはこれから深夜にかけて、ですが、またサンバースト持ってこ。最近は最初っからベーシストが来てくれてることが多くて、愛用のヘッドレス・ベースも出さないまま、ってのが続いてますが、そーなるとタマに弾きたくなるんだから、ニンゲンって勝手よねー。 ところで本日は、「ぷ」さんと一緒に五所川原にあるソバ屋に行ってみたのでございますよん。 ま、その某ソバ屋については、「ぷ」さんのこのヒトコト「テレビCM流してるお店で、あんまし旨いとこ無い、ってホントだね」で充分でしょう。 そこからは「Deep North」─つまり津軽半島の奥深くまで北上し、海のキレイな小泊(こどまり)村からさらに北の、もう北海道が見えてる海岸沿いの道を行きましたが、眺めが良いハズの、途中の山頂を見上げると、な〜んと!カンゼンに雲の中じゃあないの。これじゃあ、あそこまで行ったら一面の霧の中で、なんにも見えやしない・・・ 北海道に近付くにしたがって雲も割れて陽光が地表を焙り始めていたんですが、ちょうどその展望台のあるところはミゴトに雲の中に達していたのです。 ま、こんなコトもあるさ。と、そっから引き返して来ました。 弘前からの往復で、距離はほぼ180km。 ツール・ド・フランスの昨日のコースなんてさらにそれプラス 50kmを自分の足で走り、しかも、ただダラダラ走るんじゃなく「レース」して、しかもそれ10日連続でやって、間にお休みあるけど、もう一回!だなんてホント凄いざます。ま、なんの道でもプロはちびしいのう。 TOUR de FRANCE 90eの第 6ステージ(7/11)は、標高217mの Neversから、同じく標高 152mの Lyonまでの 230kmですが、途中の最高標高は今年のコースで「今のとこ」最高の 159km地点の 708mです。明日からはいよいよ山岳コースに突入ですから、スプリンターたちは、ここでいいとこ見せとかないと、とーぶん出番ないぞ。 しかし Alessandro Petacchi(FAS)強いなあ。これでステージ優勝4つめだよ。 さあ、明日(って正確には日本時間では今夜なんだけどね)からはクライマーたちの出番。作戦をミスったり、ちょっとでも体調が悪かったり、あるいはメカニシャンの選択したギアのレシオがコースに、そして、その選手に合わなかったりすると、軽く10分なんて差をつけられることもありますからねえ。いやホント、登りはキツいっす! |
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No.447