Checkin’ On My Baby / Freddie Below

03-07-23
1960年代、ヨーロッパでもブルース・ブームが起こり、多くのブルースマンがツアーで訪れました。特に一連の American Folk Blues Festival としてパッケージされた一行によるツアーは年度毎のライヴがアルバム化もされています。
さて、表題の Checkin' On My Baby ですが、オリジナルは確か Sonny Boy だし、ここで採り上げたヴァージョンだって、歌ってるのは Junior Wells です。「なのに」あえて Freddie Below としてあるのはなじぇか?

それはねえ、聴いてみれば判るんですが、この Checkin' On My Baby、ともかく彼のドラムが凄い!このドラムのためにあるよな曲で、もう「主役級」なんですよ!ブルース・ドラムはかくあって欲しい、っちゅーワタクシの理想とはちょっと「ちゃう」んですが、この曲に関しては、文句ございません。
もっとも、バックでこんな叩き方されたら、Junior Wells としちゃあ「あんまり面白くはない」かもしんないですけどね。終った後、「オレを立てろ、オレを!」なんて楽屋でモメてたりなんかして。

そのくらい流麗かつ華やかなドラミングなんですが、リム・ショットのキメやタムのロールなど、暴走するかに見えて破綻が無い!ホント、聴いているとタメ息の連続でございますよ。こんだけ叩けたらいーよなあ。このひとの半分程度でいーから叩けるドラマーいないのでしょか?ま、いないってえコトはないと思うんですよ。どっかにゃあいるんでしょが、いまのとこ接点が無いだけかも・・・いつの日にか、そんなドラマーにめぐり会うことを夢みて日々精進(?)いたしましょ。

ヴォーカルとハープは Junior Wells、ベースは Dave Myers なんですが、この曲でのギターはちょっと存在感がありません。
Fred Below がガンバっちゃったぶん、ギターの Otis Rush の影が薄くなっちゃってます。
それに本来、この手のアップなナンバーじゃ Rush のギターはあまし「光らない」よな気がするんですよ。ま、その辺を捉えて、Otis をあまり高く評価しない層もいるんでしょが、ワタクシは彼の、1972 Ann Arbor Blues & Jazz Festival での Gambler’s Blues が、チューニング甘かろうが、後半ダレようが、やはりココロに「来ます」。やはり Otis はスローよね(逆にマジック・サムはブーギだし)。

Freddie Below は1926年の9月16日に Chicago で生まれています。
高校時代にジャズ・ドラマーの Chick Webb( Meryland 州 Baltimore 生まれ 1909-1939。チック・ウェッブ楽団のリーダーであり、エラ・フィッツジェラルドを世に出し、さらに彼女と結婚もしている)の影響でドラマーを志し、Roy C. Knapp School of Percussion で学んでいます。
したがって、まずジャズのビバップ系の演奏をしていたんでしょうね。
大戦中は陸軍に召集され(第 427部隊)、1951年に除隊してシカゴに帰って来たときには、ジャズはやや下火となっており、一方、ブルースが隆盛期を迎えておりました。
マディのバンドでドラムを叩いていた Elgin Evans の紹介で、当時 Junior Wells、 Louis Myers( guitar )、 Dave Myers( bass )の三人で結成され、ドラマーを探していた The Three Aces に加わります。ジャズのドラムなら出来ても、ブルースでは勝手が違い、初めての音合わせはヒドい出来だったそうです。
そこから Junior Wells がマディのバンドに入るために抜け、替わって放出(?)された Little Walter が加わって The Four Aces となったようです(ただし後にはヒット曲 Juke にちなんで The Jukes という名にされちゃったりもしてたようですが)。
このいわゆる The Aces はシカゴ・ブルース・シーンにあって極めて強力なリズム・ユニットとして大きなプレゼンスを持つにいたった、と特に日本では言われているのですが、中でもこの Fred Below はそのドラミングを買われて、実に多くのレコーディング・セッションに参加しています。代表的なところを羅列すると・・・
Muddy Waters、Howlin' Wolf、John Lee Hooker、Elmore James、Otis Rush、Junior Wells、Buddy Guy、John Brim、Willie Dixon、Dinah Washington、The Platters、The Moonglows、The Drifters、Chuck Berry、Bo Diddley・・・
すんごいですねえ。まさに Chicago のリズムを作ったオトコと言ってもいいくらいでございますよ。ライド・シンバルやウッド・ブロックの使い方、タムのフィルなどに特徴のある彼のドラミングはまさに Fred Below Style とも言えるもので、日本でも多くのファンがいます。

1988年8月14日、Fred Below は死亡しました。そしてその日は Roy Buchanan が死んだ日でもあったのです。

Checkin' On My Baby( by Junior Wells, Otis Rush, Dave Myers & Freddie Below )が収録されているのは American Folk Blues Festival '66 FONTANA 885 431 BY です。でもこれはアナログ・ディスクの場合ですから、CD はちと判りまへん。



うひ〜、またキリ番踏んじゃった!
昨日の日記アップしてりっきーさんとこの板に入ってみたらジャスト「25,000」!いい数字ですねえ。「0(ゼロ)」が3つ揃うと「キリ番」つって、さらに4つ揃うと「ビッグ・ナンバー」でさらに「有り難い」んですが、この「25,000」も別格(つーことにするのじゃ?)。
なんですか、りっきーさんから記念に「お宝音源?」がいただけそうでございます。楽しみ!

ところで今回の Guitar Magazine はスライドの特集なのねん。でも、それより気になったの、山野楽器さんの広告でげす。
Gibson の Non-Reverse FIREBIRD に P-90×3ってえホワイト・フィニッシュ!なんかハムバッキングのモデルもあるみたいっすねえ。
ホワイトつっても昔あったソリッドなホワイトじゃあなく、translucent ってえ下の木地も見える半透明の感じね。
なんか、この辺のモデル、MACさんが前紹介してくれてたよな気がすんだけど、やっぱ写真で見ると存在感あります。
このギターは似合う似合わないがハッキリしそ。
見た目だけでハンダンすると、ナッシュヴィル系のC&Wなんかで、ウェスタン・シャツにテンガロン・ハットっちゅーいでたちにマッチするかも。
ん?なんか、どっかにそんなジジイがいたよな気が・・・
いやいや、きっと気のせーだ!うん、そーに違いない!



TOUR de FRANCE 90e:は山岳ステージ後の休養日です。

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