Ice Cream Man / John Brim

03-07-28
ポッコポッコという独特の「のどかな」リズムに乗って、「今日もアイスクリーム売りのおっちゃんが来たでえ!」てな、そう、まるで向島五丁目あたりの水戸街道に斜めに出て来る小路をカンカン照りの昼下がり、麦ワラ帽かぶってランニングに腹巻、下はトラディショナル・ステテコ(?)のいでたちでリヤカー引っ張ってんのが似合いそうなこの曲でございます。
とはいっても、おーかたのセーショーネン並びにチューネンのみなさまには、かの VAN HALEN の1976年の(あ、日本では1978年だったっけ?)「衝撃の」デビュー作『炎の導火線=ヴァン・ヘイレン』Warner Bros. Records P-10479W(とーぜんアナログ・ディスクねん)の B-5。いまなら CD でしょうからたぶん10曲目の Ice Cream Man のほーをご存知のことでしょう。

アコースティックでシブく刻むミドル・テンポのブーギに乗せて David Lee Roth のスケベったらしいヴォーカルが滑りだして、一度、軽くブレークを挟みつつも、軽々と流してく。おお、なかなかアーシィなブルースも、やれば出来るのねん・・・ と思わせといて、トツゼン隣りの暴走族のバカ息子が帰ってきたみたいな爆音が炸裂して、Eddie のギターが暴れまわる。お馴染みの赤ストライプのストラト・シェイプが目に浮かびますねえ。もーギター弾けるのがウレシくてしょーがない、ってえ笑顔満開の彼の右手はもちタッピング全開!この演奏はいまだにファンが多いみたいで、以前「ぶぎうぎぶ」でもジロー君がこのヴァージョンでやりたがってました。
この Van Halen の Ice Cream Man に比べると、John Brim のそれは、ヘンなたとえだけど、昭和初期のアイスクリーム売りみたいな(って、そのコロはまださすがに生まれてないんで「想像」したイメージなんすけどね)ミョーな懐かしさがありますよ。

で、Ice Cream Man ってえと、実はもひとつアヤしいのがあるんですよ。
そう、言わずとしれた「アヤしい」と言えばこのヒト。おちゃらけ怪人 Screamin’ Jay Hawkins の BLACK MUSIC FOR WHITE PEOPLE( DEMON RECORDS FIEND CD 211、うひひひ、そーなのじゃ、日本人のねーちゃんが迫る Voodoo priestess が収録されとる「あの」アルバムなのよん)にも Ice Cream Man ってのが入っておるのでございます(作者クレジットは Tom Waits となってます。どーやら1973年に吹き込んでるようですが、Tom Waits は聴いたことないんで判らないんですよ)。聴いてくと、歌詞も John Brim のとはかなりちゃうよーだし、John Brim にインスパイヤされてトム・ウェイツが作った「似た」曲?じゃないでしょか。参考までに、John Brim じゃないほうの歌詞の一部を紹介すると・・・

2:45 にゃあんたの家によってクリック(この場合のクリックは「よろしくやる」の意味らしい)
歩道じゃストロベリー・サンデー
桜色のアイス・キャンデーはちょうど時間通り
ちょっとブっといスティックだぜ、いいだろ!
なんたって、オレはあんたのアイスクリーム売りだからね
オレはあんただけのワンマン・バンドさ。

裏通りでオレを見失ってもうろたえるこたあない
オレは必ず帰ってくるからね、忘れやしないさ
あんたが疲れてハラペコでクールなもんが欲しい時ゃあ
オレがいいもん持ってるよ、スイミング・プールに行くよりゴキゲンなのをね
なんたって、オレはあんたのアイスクリーム売り
オレはあんただけのワンマン・バンドさ。

(訳:Othum、間違ってたらゴメン。あ、原文は著作権に触れるとヤだから↓の URLからどんぞ)
http://home.datacomm.ch/mik/ba/h/hawkins_jay/texts/icecreamman.html

どーです?おヒマな方は江戸川スリムさんとこの John Brim のほーの訳詩とじっくり比べてみてくださいませ。これとはゼンゼンちゃうでしょ?
Screamin’ Jay Hawkins の CD のクレジットにある song by Waits とあるのは、おそらく作詞&作曲の両方をトム・ウェイツがやってる、ってことだと思うんですよね。したがって、やはり基本的には「別な曲」のよーです。
さらに、なんたって Screamin’ Jay Hawkins ですからね、どこまでホンキなんだか?ってな感じの、まっこと彼らしい、アヤしい仕上がりとなっております。しかもデータを見たら、1990年の8月から12月にかけてハリウッドで録音、ってなってますよ。つまり、John Brim はもちろん、Tom Waits に「 Van Halen まで聴いた上で」ワザと「まぎらわしく(?)」作ってたりして。

ま、そんなことはともかく、John Brim の Ice Cream Man ですが、ハープとギターに誰が参加していたか?で多少の異論があるようで、詳しくは江戸川スリムさんのサイトの Sweet Home Chicago で、この John Brim* を選んでくださいませ。ワタシの知る限りでは、John Brimに関するもっとも詳しく、かつ愛情あふれる解説を目にすることが出来ると思います。
その江戸川スリムさんも書いておられますが、この Ice Cream Man 、Elmore Jamesとのカップリング・アルバム Whose Muddy Shoes( MCA VICTOR MVCM-22029 )に収録されたおかげで、おそらく今後も廃盤の憂き目にあうことはないでしょう。まことにもって御同慶の至りでございます。

生い立ちその他、詳しいところは、ワタクシがどうこう言うより、その江戸川スリムさんのサイトにキチンとしたのが載っておりますので、そちらをご参照ください。
え?手抜きじゃないのか?でへへへ、いつもならガンバっちゃうとこなんですが、江戸川スリムさんのを読んじゃうと、うわっ!これを上回るよなのムリじゃん!とゆーワケで、今回はちょっとね。他力本願ってことで・・・



TOUR de FRANCE 90e:も終っちゃいました。ケッキョクあのタイム・トライアルがすべてだったのねん。
あ、カンケーないけど、なんだかスタジオ・ジブリのアニメでスペインのヴェルタ・エスパ〜ニャを舞台にした「茄子(なんで茄子やねん?)」がどーたら、ってえタイトルのがあるみたいですね。テレビ・スポットで見た限りじゃ、アクションとしちゃあ良く描けてるよだけど、主人公(?)らしーのがメガネかけてる、ってのはいただけないなあ。過去の名選手であんなメガネかけてるヤツはいないよん。とゆうか、メガネかけてるよな視力じゃレースは出来ないざんす。
ま、日本人はメガネかけてるの多いから?いや違うね。あっしがニラんだとこじゃ、あの作画カントクあたりが「自分がメガネかけてるから」そーしたんじゃねえの?って気がするよ。ッタクもう!

え?なんでメガネ必要な視力じゃレースなんて出来ないのか、って?
一度でも実際に公道をレーサーで走ってみれば判りますよ。
そんな気も機材もタイリョクも無い方は、どうぞフィクションの世界でお遊びくださいませ。

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