After Hours

Eddie Taylor


03-08-18
この曲は言わずとしれた昨日の Pinetop Perkins を受けたものね。
この Ready for Eddie TRANSATLANTIC BEAR 6( BIG BEAR Records )は Eddie Taylor のバックを the Blueshounds(メンバーは、ピアノの Bob Hall─ of SAVOY BROWN、ギター Roger Hill─ of The Brumbeats、The Uglys、ベースは Graham Gallery─ of The Brumbeats、または Bob Brunning─フリートウッド・マックの最初のベーシスト。1967年7月から9月まで在籍。ファーストアルバムなどに参加、ドラム Pete York─of the Spencer Davis Group。 Eddie Playboy Taylor & the Blueshounds は、そのまま Big John Wrencher のロンドン録音でバッキング)というバンドが務めて Londonの Chalk Farmスタジオで1974年の 2月から 4月に掛けて録音されたもので、世の「純粋な」ブルース愛好家からはバッキングが不純だ(とまでは言ってないか?)とゆーワケで VEEJAY 録音などより軽く見られておりますが、ワタクシ個人としては Eddie Taylor が実にのびのびとその良さをフルに発揮してるよーでイチバン好きなアルバムです。ここでは After Hours をインストで、ドたっぷりと Eddie Taylor サウンドでお楽しみくださいませ。

確かにブルース愛好家ではあっても、Eddie Taylor にさほど思い入れのない方にとっては I Feel So BadMy Heart Is Bleeding なんかのほーがウケがいいんでしょうが、やはり至近距離であの「Ringy」でブリリアントなギター・サウンドを浴びた身としちゃあ、この Ready for Eddie が、あのカンドーにいっちゃん近いよな気がすんですよ。

1977年、12月の12日、粉雪のちらつく弘前駅に一行を迎えに行きました。
当時の駅舎はまだ木造で、降車口は「吹きっさらし」、天井には薄ら寒い裸電球。駅前の広場は開いている商店も地味で、いかにもうらぶれたフンイキで・・・降り立った一行は「おいおい、ホントにこんなトコでライヴすんのかよ?オレたち、ハメられたんじゃねえのか?」っつー不安ありありでございました。いちおーホテルに案内して荷を解かせ(これで、どーやら寝るとこだけはダイジョブ?と少し安心してたみたい)、日専連会館 3Fホール(実は会議室ねん)ちゅう会場では、その上の階にちゃんと楽屋を設け、きちんとリハもしたんで、だんだん疑い(?)も消えたみたいですけどね。

でも、リハが始まったら問題続出!まず、Eddie ちゃんのアンプでげす。彼の Gibson ES-355TDSV は「SV」とあるよに、ステレオ・ヴァリトーンってヤツなのね。アウトプットがステレオ・ジャックになってて、フロントとリアのピックアップがそれぞれ独立して L&R で出てくるんですが、アンプ側のシールドは二つに別れてその先にはモノラルの#47が付いてるんで、アンプのリヴァーブのあるチャンネルと無いチャンネルに差して使うんだって。で、彼はリヴァーブを「最大!」にまで上げちゃうんですが、そうすっと「ギシャ〜ン!」とか「ゲショ〜ン!」っつー「この世のものとは思えない」異音が出てくるじゃあ〜りませんか!ううう、そっかあ〜、スプリング・リヴァーブって、いつも一定のレベルで鳴らしてるのをツマミ上げるにしたがってそっからの信号をブレンドすんじゃなくて、ツマミ上げてくと、その分スプリングをブルブルさすパワーが上がってくのねん。だもんだから、エディくんのセッティングじゃ、もうスプリング・リヴァーブ・ユニットにしてみりゃあ「生まれて初めて」フル・パワーでブルっちゃったもんだから、あっちこっちに振れ過ぎてぶつかっちゃうんでしょなあ。

これでサイショのアンプは「クビ!」いそいで手配してフェルナンデスのアンプに JBL ユニット搭載した、ってのが持ち込まれたんですが、さっきのよりゃあマシだけど、時々「ガシャ〜ン!」ってえ音が・・・仕方無くそれ使うコトにしたんですが、Eddie くんゴキゲン斜め。
それでも本番が始まり、ステージに登場するやいなや「エディ!エディ!」のコールにだいぶ気を良くしたみたいですが、ちょとルイス&ディヴのほーを気にしてましたねえ。こいつらヘソ曲げなきゃいいが・・・ってとこだったんでしょう。

ま、ショージキ、Louis は「なんだよう、みんなエディ、エディって、ジョーダンじゃねえや」つー表情も見せてましたねえ。それでも、トマ男(スティーヴ・トマシェフスキー。ナゼか弘前では「トマ男(お)」と呼ばれる)から言い含められてるんでしょか、トリは Eddie Taylor で、っつー暗黙の諒解があったよーでして、淡々とオープニング・アクトをこなしておられましたが。
Oddie Payne Jr.のなかなか楽しいパフォーマンス(お決まりの I don't know ともひとつ、Hiyo! Silver ってえ Lone Ranger の曲やったよーに記憶してるけど・・・)の後、やはり締めは Eddie Taylor でございます。もちろん、Louis Myers だって悪くはなかったんですが、いざ彼が歌い出したらもうダメ。格が違う、と言うか、ワタクシがよく使う「プレゼンス」がある(存在感プラス手触りとしての実体感、みたいなもの)っちゅーか、もう目の前に Living Chicago Blues が輝いている!んですねえ。
この会場は細長い会議室の中央の片側にステージを作り、観客は入り口で手渡される折りたたみ椅子を持って、自分の好きなとこで座る、っつー形式です。自然とステージを取り囲む半円形の客席が形成され、どの席もステージから10m以上離れるコトは「物理的に」不可能(だって会場が 4間×8間、その中央、壁寄りにステージが 1間半×3間くらいですからねん)でございます。だもんだから、出演者からも客の表情が「カンゼンに」読めるワケです。その至近距離でやるブルースが、大ホールでやるブルースと違ってくるのも当然のことでございましょう。

1999年の 5月28日に Clarence Gatemouth Brown が、目黒の Blues Alley Japan でやったライヴも狭い会場で最高に楽しかったんですが、それよりさらに近い距離なんですから、あの Eddie Taylor のライヴはホントに「深〜く」ココロに刻み込まれたのでございます。
で、その時の印象からすると、たとえば ADVENT(最近ではHightone?)からの I Feel So Bad を聴いた時など、どっか「違う」んですよねー。いえいえ、むしろ良く出来たアルバムですよ。シブい仕上がりで。
でもねえ、なんだかツマんないんですよ。ま、こんなブンセキは間違ってんのかもしんないけど、白人のブルース・マニアが求める「シリアスな」ブルースをアカデミックにまとめてみました、みたいな感じがして、イマイチ、ピンと来ない。

そんな時に出会ったのが、この Ready for Eddie でした。一聴するなり、うわあ!これだよ!Eddie Taylor はこうじゃなくっちゃあ!つうワケで、たしかに白人のギターがタマにとるソロじゃ「お決まりの」ゲチャゲチャ・トーンだったりもしますが、それだって「微笑ましい」てなもんで、Eddie Taylor の「あの」ブリリアントな、しかも「いきいきした」ギターがたっぷり聴けるんですからタマりまへん。あ、そーいえば厚木ファッツはんもこのアルバム「いい」って言ってませんでしたっけ?みなさまも機会がございましたら、どーぞ聴いてみておくれやす。

ああっ!彼の経歴とか、いっこも書かんうちに、こんなに「重く」なっちまっただ!
まあねえ、実際に自分たちの手でやったライヴですから「思い入れ」もハンパじゃないんですよ。リハの後、楽屋で気さくなディヴと雑談したり(エディくんは、ちと気難しい感じで、「あんまり話し掛けんでくれ」ビームを放射してたんで、近寄りにくかったっす)、それとは別に会場にセットしてたヴィデオ・カメラがトマ男に見つかってモメたり、録音も卓からのライン緑りは「NG」つーことでまたひと悶着があったり、また入場料も自由意志でいくらでも「寄付していただく」ってやったら、某国立機関の職員ってのが「払う・払わない」でモメやがったり(そのおかげで「ブルース好きに悪いヤツはいない」なんてのがゼッタイ嘘っ八だ!ってコト学ぶことが出来ましたけど)、そりゃもういろんなコトがあって、これについて書き始めるとついついどっちゃり出てきちゃうんですよ。(エディ・テイラーの項、つづく・・・たぶん)

こりゃあサイト内にコンテンツとして「Eddie Taylor Live in Hirosaki 1977」ってのを作っといたほーがいーのかもねん。



9/6の公開セッションでは、いつも使ってる大きいスタジオが塞がってて、小さなスタジオでやることになってたんですが、どーもその狭さがモンダイになっております。
予想以上にひとが集まっちゃいそで、スゴいことになりそ。演奏してるひと以外は「ありとあらゆるスキ間」にもぐり込まないと入りきれないかも!ギター・アンプやベース・アンプの「上」にも座ってもらわなきゃダメかもよん。そんなジョータイじゃあキーボードなんて置くスペースも無さそだから今回はギターだけにしよかな?
今からじゃあ、なかなかタイヘンですね。たとえ場所を変更してもその通知はネットですからワリとテッテイするでしょからモンダイは無いと思うんですが、なんせその日、空いてるとこが無きゃあチェンジも出来ないし。なんかいい手は無いかなあ?
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