Black Ace

Black Ace


03-09-12
この Yazoo L-1026 BOTTLENECK BLUES Guitar Classics 1926-1937 には Barbecue Bob の1930年の曲 Atlanta Moan も収録されているんですが、そちらが「基本的に」ノヴェルティっぽい、しかもそれぞれの小節数が歌詞によって伸縮する、という「プリミティヴ」なブルースであるのに対し、この Black Ace の場合は、現在のスロー・ブルースと基本的に共通する、I-IV-I-I-IV-IV-I-I-V-IV-I-V というコード進行になっています。いわゆる二つ目が上がる、ってヤツですね。
Spanish Tuning のオープン A で、ギターは椅子に座ったひざの上に寝かせて置く弾き方です。各弦は(太いほうから順番に) E-A-E-A-C#-E、つまり 2-3-4弦を 1音上げた状態になっています。

高音弦を使った繊細な音で始まり、やや落ちついた声でヴォーカルが滑り出しますが、ここでも、瞬間的な「裏声」が多用され、その地声と時としてヨーデル的にすらなる部分が対照的なようでいて、意外とスムースに融け合うのが不思議ですね。
アルプス地方では、ヨーデルが遠達性から通信の手段として云々、ってのを聞いた記憶があるのですが、しかし、それは岩山で周囲を囲まれた谷間などでは通用するでしょうが、フラットな綿花畑などではどうなんでしょ?ヒルビリー系、さらにルーツを遡れば、ケルト系の歌唱にまで帰着する「ある種の感情の高まりを表す、とされる記号」だったのかも?なんて、これは勝手なゴタクでして、いまだにその道の研究はいたしておりませぬゆえ、「だったりしち」レベルの思いつきでございます。え?んなもん書くんじゃねえ?ごもっとも。

Babe Kyro Lemon Turner は 1907年12月21日に Texas 州 Hughes Springs で生まれました。
子供時代から彼は自作のギターで練習し、歌の方はゴスペルの合唱団に加わっています。1920年代の後半は、地域の催しなどで演奏ていたようです。しかし彼のギターが成熟するのは、1930年代の中頃に Shreveport に移ってからで、やはり Oscar Woods に出会ったことが大きかったと思います。 Shreveport では時に Smokey Hogg とも一緒に演奏したりもしていますが、 Oscar Woods から学んだものが最も大きかったのではないでしょうか。

1937年には Decca Records に Trifling Woman、Black Ace、You Gonna Need My Help Some Day、Whiskey And Women、Christmas Time Blues、Lowing Heifer の 6曲を吹き込みました。スティール・ボディのギターに小ビンによるスライドだったようです。A.M.G.によると、このとき吹き込まれた、この Black Ace からニックネームがついたのだとか。
Black Ace はその少し前、1936年から1941年にかけて Fort Worth のローカル局 KFJZ の番組に出演しており、1941年には映画『 Blood Of Jesus 』に出演しているのですが、1943年に陸軍での兵役を終えた後は、音楽シーンから離れて行きます。

その彼が「再発見」されたのが1960年のことで、Arhoolie に録音しました。1962年には『The Blues』(こちらは「映画」というよりはドキュメンタリーと思われます。映像に関しては、どちらも未見)にも出演しています。
戦前と戦後の 2回に別かれてブルース・シーンにその軌跡を残した Black Ace は1972年11月7日に亡くなりました。
I'm The Boss Card In Your Hand Arhoolie(1992再発)でその両方を聴くことができます。



どーやら台風のせーらしいんだけど、ミョーにナマ温い風が南から吹き込んでいるみたい。
明日も雨かなあ?夜、セッションがあるんですけどね。
ま、小雨程度なら近いんで歩いて行きますが、強い雨だと、さすがにソフト・ケースじゃ水が通っちゃいます。
あ、エクスプローラー・モデル用の耐水ソフト・ケースならあるんだ!雨がハゲしかったら久しぶりに「なんちゃって RD」にしよかな?
でもアームついてないしなあ。ヴァイブローラ移植しちゃおっかな?となるとモンダイはブリッジかあ・・・ うう、いかん!また深みにハマるとこだったぞう。
RDはいさぎよくアーム無しで「硬派(ダレだそこで笑ってるの!)」で行くのじゃあ!

さて、小雨だったら久しぶりに黒ストラト持ってってみよかな?
ウィルキンソンのアームが、もー最高なんですよ。アーミングの滑らかさをヒカクすると、Fender純正が田舎蕎麦でウィルキンソンが更科。え?判らん?えーと、フェンダーが煮干でウィルキンソンがアゴだし・・・ よけーに判んないか?つーか、ネタにしてオモシロいこと言おうとしてるだけだもんなあ。
ま、ともかく、ウィルキンソンは「お気に入り」なんでございますよ。
でも、F.R.T.は圏外ざます。
だって、あんだけボディも再加工しなきゃいけないんじゃ「響き」もゼンゼン変わっちゃいますからね。
それとあの「見た目」。アーミングにイノチかけてます、みたいな「力み過ぎ」が(ブルースやるには)美しくないざます。
その意味でナットのとこでロックするのも「重装備」過ぎますね。
見た目はあんましスゴそじゃないのにやることやってる、ってのが理想でげす。(なんて言いつつ、あのひと目で判るテレの真っ黒いネックはなんと申し開きするのでしょう?うひゃひゃひゃ!)
えー、先日の公開セッションじゃモノ足りなかった方、今から向かえば明日のセッションに間に合うよん。
特にヴォーカルも出来ると大歓迎!って、いくらなんでも遠いか。
permalink No.509

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