Shotgun

Junior Walker & The All Stars


03-09-15
先日の King Curtis につづいて、サックス・プレイヤーの第二弾でございます。
銃声(らしき音)が轟いた後、ファンキーなリズムが始まります。そこに Junior Walker のサックスがいきなり斬り込んで来ますが、門外漢のワタクシの勝手な印象としちゃあ、King Curtis には「及ばない」よな気がするんですが、斯界の先達のみなさまがた、如何なもんでしょ?
ま、そりゃあともかく、この曲は「カヴァーされてる率」で言えば Memphis Soul Stew に「勝って」るかもしれません。
日本で1966年あたりから本格化した「グループ・サウンズ」のブームの中で、まずスパイダーズがこれを演奏してるのを TV番組(曜日は忘れましたが、午後 7時半からの 30分番組で、後にはブッカー T &MG's も出て、スティーヴ・クロッパーのカッコ良さにブっとんだもんでしたよん)で観たのが最初でございます。メンバーの井上尭之(ギター)がどーやらそのヘンが好きだったみたいで、Mustang Sally や Knock On Wood も彼らの演奏で「知った」記憶があります。

次がゴールデン・カップスかな?これもカッコ良かったなあ。エディ蕃のギターがめっちゃディープにファズをかけてて、それでオブリを入れてんですが、それがバリトン・サックスみたいにも聞こえ・・・ ないか、やっぱし。彼らもまた、数々の R&B やソウルのナンバーを採り上げてましたね。Sam & Dave の Hold On や Otis の Dock Of The Bay、さらに Gimme Little Sign そして In The Midnight Hour などなど・・・

Junior Walker は、1931年の 6月14日、Arkansas 州の Blytheville で Oscar G. Mixon として生まれています。ただしすぐに Autry DeWalt II と改名したんだそうで(?)資料によっては本名をその Autry DeWalt II としているものもあります。(例外→ Audrey Dewalt by A.M.G。でも、Audrey って女性の名前じゃあ?さすが AMG・・・)
彼が育ったのは、Indiana 州の South Bend です。そこのハイ・スクールに在学中にサックスを始め、すぐに自分のバンド The Jumpin' Jacks を作りました。メンバーは他にピアノの Joe Neil(後に Fred Patton )、ドラムの Paul Smith からなり、ジュニアが他のグループにも加わった後は Michigan 州 Niles のジャズや R&B のクラブに出演するようになりました。
やがてドラムも Billy Nicks に変わり、トリオ名も Billy "Stix" Nicks and the Rhythm Rockers となっています。メンバーは Fred Patton のピアノ&オルガン、そしてドラムが Billy Nicks で、サックスはもちろん Junior Walker。
ここに時にヴォーカルの Willie Woods を加えたクァルテットになりますが、Woods は後にギターも弾くようになって行きます。
その Billy Nicks が陸軍で兵役につくため抜けたグループを、ジュニアはまた The Jumpin' Jacks として復活させ、Michigan 州 Battle Creek に移り、さらに The Junior Walker All Stars としてスタートさせました。メンバーはキーボードに Fred Patton(後に Victor Thomas に変わっています)、ギターとバック・グラウンド・ヴォーカルに Willie Woods、ドラムに Tony Washington(後に Jack Douglas に変わりますが、ライヴで叩いているものの、録音には参加してないみたい)です。
Johnny Bristol(シュプリームスでお馴染みの Someday We'll Be Together を1961年に歌ったひとだよん。Johnny And Jackie のかたわれ)のススメで Harvey Fuqua の Harvey label と契約したのですが、1963年に、その Harvey label と Tri-Phi labels は、丸ごと Motown Records の傘下に組み入れられてしまいました。
したがって Junior Walker and the All-Stars もモータウンの傘下のレーベル Soul に吹き込みを開始しています。
1965年のアタマに入れたこの Shotgun は R&B チャートで堂々の 1位!ポップス・チャートでも 4位にまで駆け上がり、一躍スターとなったのでございます。
そっからはもう連続して Do the Boomerang( R&B チャート 10位)、Shake and Fingerpop( R&B #7 )、How Sweet it is( R&B #3 / Pop #18 )とヒットをトバしてます。
このころはドラマーが James Graves だったようですが、その彼が去った後、再び Billy "Stix" Nicks を招き、さっそく彼がパワーを発揮したのが1966年の I'm a Road Runner( R&B #4 / Pop #20 )のヒットでした。この曲はあの Humble Pie も Fleetwood Mac も、先日の King Curtis も、そしてお馴染み Peter Frampton 自身も、さらには Dr Feelgood もカヴァーしているのねん。スゴいでしょ?あ、ついでに、Shotgun は?ってえと、こちらは前述の日本のバンドや Kingsmen、Clover、Cilla Black、Vanilla Fudge、Ventures(!)、Lonnie Mack、Clarence Clemons などなど・・・これもかなりカヴァーされてますねえ。しかも、レコーディングされてなくても、ライヴ・ステージではやってる、ってえグループもかなりあるんじゃないでしょか?
1967年には Pucker Up Buttercup( R&B #11 / Pop #3 )、Come See About Me( R&B #8 / Pop #24 )、1968年には Hip City, Part Two( R&B #7 )、1969年 What Does It Take( R&B #1!/ Pop #4 )、These Eyes( R&B #3 / Pop #16 )、1970年 Gotta Hold On to This Feeling( R&B #2 /Pop #21 )、Do You See My Love( R&B #3 / Pop #32 )、1972年 Walk in the Night( R&B #10 / Pop #46 )・・・

Junior Walker は1970年代を通じてレコーディングをしていますが、1979年には元モータウンの Norman Whitfield のレーベルにも録音し、さらに Foreigner のヒット「Urgent 」でもサックスのソロをやってます。1990年代にはツアーも組みましたが、1995年11月23日、Michigan 州 Battle Creek で癌のため死亡しました。

彼の死後も Billy "Stix" Nicks は Billy Wilson を擁してバンド活動を継続し、Junior Walker & The All Stars として 21世紀を迎えています。現在のメンバーは、Billy "Stix" Nicks のドラム、サックスは Willie Rankin、バッキング・ヴォーカルは Roschelle Laughhunn と Kathy Hannemann(いわゆる Kat Webb )、リード・ヴォーカルは Jon Gee、ギターが Kevin Lewis、ベースは Billy Wilson となっています。

Shotgun 収録アルバムは(ってウチのはドイツ原盤だなあ・・・参考になんないかも?)CEDAR CD CRB 522 GROOVIN' WITH JUNIOR です。







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