Paddlin’ Blues

Gitfiddle Jim


03-09-16
おそらく Vestapol チューニングのオープン D(でも Yazoo のカイセツじゃ、そー言ってるけど、一緒に弾くと、これ「E」だよね、ゼッタイ!)の早いテンポのインスト・ナンバーです。コード進行は、ってえと、基本的にトニックのワン・コードっぽいんですが、時々思い出したよに A-E-B-E ってのが入ります。おまけにトニックで流してたのからいきなり F# に上がるっちゅうトコも一箇所ございます。ま、ひとりでやってて時々「語り」みたいなんを入れるだけですから、ダレに遠慮することもなく、好き勝手に「伸縮」やら気分転換も「し放題」なのではございますが。
さて、この Gitfiddle Jim ですが、知ってる方もおられるでしょうが、実は後の Kokomo Arnold なんですよね。で、どうやら、この曲が彼のレコーディング・デビューらしいのですが、その時に名のっていたのが、この Gitfiddle Jimってワケでございます。

その「Gitfiddle」、ギターとフィドル(つまりヴァイオリンね)の混血したワケ判らん楽器かいな?と思ったら、ギターを表す隠語だったのねん。ま、それはともかく、軽やかにホップするギターとそれに乗せて語るように歌う特徴的な声が良くマッチして、この時代としては珍しい「見もの」的仕上がり(?)となっております。イヨっ!大統領!

1901年 2月15日に Georgia 州 Lovejoy で生まれた James Arnold は、いとこの James Wigges( alt.John Wiggs )からギターを教わりました。当初から左利きだったようですが、向き合って弾く分にはかえってベンリかも。
彼は Georgia 州から北上し、New York 州では農場労働者(?)、Illinois 州や Pensilvania 州では製鉄所で働いていたようですが、1929年 Chicago にいた時はなにやら「お馴染み」の酒類密造&密売人となっており、音楽は副業扱いだったようですが。
彼のギターは南部のブルースマンによくあるスタイル(ギターを水平においてスライドで演奏)だったようですが、表題曲を聴いても、それだけじゃなく、彼ならではの Something を感じます。ま、アコ系の奏法にはヨワいワタクシとしては説明のしようが無いのが歯がゆいけど。
その彼が初レコーディングをしたのが1930年、Victor Records のために、表題となっている Paddlin' Blues( Paddlin' Madelin' Home の個人的解釈ともいえる曲)と、Rainy Night Blues の二曲を Memphis で録音しています。この時に使った演奏者名が Gitfiddle Jim なんですねえ。ただ、この二曲はセールス的にはさほどのことは無かったようですが。

その後も、1930年代を通して彼は Decca Records にレコーディングを続けますが、Old Original Kokomo Blues と Milk Cow Blues が1934年にダブル・サイド・ヒットを記録します。本来、Kokomoってのは、Indiana 州の街で、また、コーヒーのブランドでもあった( alt.このヒットによってその名を冠したコーヒーが出た、という資料もあります)そうで、一説では Robert Johnson の Sweet Home Chicago のベースともなった、とも言われてますが、このヒットで Kokomo Arnoldってゆー、みなさまお馴染みの名前を名乗るようになったようですね。
彼は Roosevelt Sykes や、Mary Johnson、そしてPeetie Wheatstraw などのセッションにも参加しましたが、次第に Decca Records の Mayo Williams と意見が合わなくなり、1938年を最後にレコーディングをやめてしまいます。

やがて1960年代に入り、主に若い白人を主体とするフォーク・ブルース・リヴァイナルの波の中で担ぎ出されますが、それを利用することには成功しなかったようです。

1968年 11月8日、Chicago で亡くなりました。



ラーメンも始めちゃったソバ屋のこと書いたら、友人からメールが来て、だいぶ前に日記で書いたことがある青森市のソバ屋「H」の看板が「手打ち蕎麦」から「寿司・和食・そば」に変わってたんだって!なんだかなあ。
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