You Can’t Keep No Brown
Bo Weavil Jackson
03-09-21 | | これまた Yazoo の BOTTLENECK BLUES Guitar Classics 1926-1937 に収録された、そのアルバムにあっては、もっとも早い時期に録音された曲でございます。 およそ、史上初の「録音されたブルース」ってのが、1920年のヴォードヴィル系のブルースながら Mamie Smith の Crazy Blues じゃないか、と言われておりまして、次いで 1920年から1922年にかけて Edith Wilson、Lucille Hegamin に彼女の Blue Flame Syncopators などが続いています。 1923年には Ma Rainey と Bessie Smith がレコード・デビューして、同様に Clara Smith と Rosa Henderson も後を追いました。 一方、この年には、初の「土くさい」ブルースとして、ギターのインストで奏でられた Sylvester Weaver の Guitar Rag も録音されています。 この曲は後に白人のカントリー・ミュージシャン、Bob Wills & His Texas Playboys によって『Steel Guitar Rag 』としてリメイクされてヒットしています。 さらにこの年にはこれもヴォードヴィル・スタイルながら初めてのフィールド・レコーディングが行われ、Lucille Bogan が吹き込みをしています。 つまり、ここまでは、インストの「Guitar Rag 」以外は「すべて」女性シンガーなのでございますねえ.
1924年には、初のジャグ・バンド、Old Southern Jug Band、そして、初の男性ブルース・シンガーが三人録音されました。Ed Andrews、Daddy Stovepipe、そして Papa Charlie Jackson です。 そして本格派(?)ブルース・シンガーの吹き込みとも言える1925&1926年の Blind Lemon Jefferson と今日のブルースの主人公 Bo Weavil Jackson。さらに Blind Blake に Mr.Freddie Spruell は、初のデルタ・スタイルのシンガーとして。そして Georgia の Peg Leg Howell。 1927年には Blind Willie McTell に Barbecue Bob がレコーディング・デビュー・・・
こうして見てくると、ブルースの歴史の中でも Bo Weavil Jackson が、(少なくとも「録音されたブルース」という位相の上では)かなり初期のマイル・ストーンとなっているような気がいたします。
この You Can't Keep No Brown は Chicago で録音され、年代的には当然ながら 78回転 SPの Paramount 12389となりました。この時に録音されたのは6曲(他には Poor boy: Yazooo L-1016や Pistol blues; Yazoo L-1013など)ですが、これに Sam Butler を同一人物としてその名義での6曲を足して 12曲を残した、とする説もありますが、さてどうでしょ? 同じひとだ、とする「決め手」にゃ、やや「欠ける」よな気もするので、ここでは Sam Butler は別項とさせていただきます。
Birmingham の街頭で歌っているところを発見されて Chicago で録音されたそうですが、どうも今のところいつ、どこで生まれて、どーやってミュージシャンになったのか?など、ナニひとつ判りましぇ〜ん。つまり書き甲斐の無いコトおびただしい!ま、仕方無いんすけどね。
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