Nothin' But The Devil

Lightnin' Slim


2003-10-13 MON.

ちょいかったるいスローなブーギに、やや落ちついたトーンのヴォーカルが淡々と乗って、Lazy Lester のミョーに息の長いハープがこれまた「 Lazy 」に絡んで、いささか「タイトさ」には欠
けますが、独特のユルユル感がいかにも「らしい」 Lightnin' Slim の1960年の録音です。
録音技術が悪いのか、殆どまったくと言っていいほど聞こえないベースは(ホントにいるのかギモンだなあ、と思ってたら、クレジットも自信無さげに「たぶん」って書いてあるよん) Bobby McBride。ドラムは Warren Storm。
でも、やっぱり全体のサウンドを決めてるのは Lazy Lester のハープでしょうねえ。
ワタシが「 Excello サウンド」ってことで真っ先に連想すんのがこの独特のハープなのです。
悠々と Goin' My Way てなこのハープがバックに流れているだけで、ああ、シカゴとはちゃうなあ・・・ と実感する、ってワケでして。
とは言え、ここでも主役はあくまで Lightnin' Slim ですからねえ。
実はワタクシ、その Lightnin' Slimっちゅう名前だけで彼のことを軽く見ておった時期がございました。
と申すのも、わが敬愛する Lightnin' Hopkins 師の冠詞たる「 Lightnin' 」を名乗る以上、そーとーなもんじゃないとショーチしないよっ!てなトンガってた○十年前に、初めて聴いたこの曲のあまりの「テンションの低さ」にズッコケて、どこが Lightnin'じゃ〜っ!・・・ありゃ聴いた時期が悪かったんでしょねえ。
ハードにブルースをツイキューしてたばかりか、それが次第に、いつの間にかハードブルースをツイキュー、になっちゃってたんですね。

Lightnin' Slim こと Otis Hicks は Missouri 州 St. Louis 近郊の農場で1913年の 3月13日に生まれています。
10代にはいってすぐ Louisiana 州 St. Francisville に移動したようですが、そこではまだ音楽で生活していたわけではなく、1930年代には兄の Layfield Hicks から(父からも、という資料もあり)ギターを学び始めています。そして1940年代後半には Baton Rouge のブルース・サーキットで、Arthur Kelly( 1917.11.14 - 2001.9.17。Louisiana 州 Clinton 生まれ。ヴォーカルとギター。別名 Arthur "Guitar" Kelly、代表作に Arhoolie の How Can I Leave など。 ルイジアナ・ブルースの知る人ぞ知る存在だったが、ついに全国的スケールでの認知を得るまでにはいたらなかった)と出会い、一緒に活動するようになります。
1950年代には Slim Harpo とも仕事をし、さらに1960年代には共演もするようになっています。
1954年には Jay Miller の Feature レーベルに初吹き込み。この時から彼がデトロイトに移る1960年代の中期にいたるまで、この有名なプロデューサーとの長い関係が始まりました。彼の録音の多くが Excello にリースされ、そこからリリースされています。この曲でもそうですが、彼のブルースと表裏一体な関係なのが Lazy Lester のハープでしょう。
このパートナー・シップからは数々の名曲が生まれています。
1972年にはイギリスでの American Folk-Blues Festival に出演、同年の Montreux Jazz Festival にも出演しています。1973年にはスイスにも American Blues Legend Tour の一員として行きました。
しかし、その翌年、1974年 7月27日、彼はガンのために死亡し、Michigan 州 Pontiac の Oak Hill Cemetery に埋葬されました。

って、フダンに比べるとずいぶんアッサリした紹介だわねん。
これは、っちゅーエピソードに行き当たらないこともある、っちゅうこっちゃね。



いきなり天気が悪くなって、気温も下がっちゃいました。
今日お休みだったひとも多かったんでしょが、この天気じゃつまんないよねー。

ところで昨日はイーストサイド・トーキョーで大江戸セッションが行われ、例によって大盛況だったようでございます。
しかも、今回は会場(?)が寿家に近いですから、セッション終ったら、ソクなだれこんでドトーのアコギ・セッション!っつー楽しみがあるワケですね。
うう、これがもっと近けりゃなあ。ゼッタイに押し掛けてくんだけど。
permalink No.538

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