After Hours Jimmy Nolen 2003-11-22 SAT. | かなりクリーンでジャズゥイ~な仕上がりの Pinetop、時としてリリカルですらある Eddie Taylor のギターでのそれからすると、この Jimmy Nolen のはいささかアッパーな(つーか、パッパラパーちゅう声もアリ)、酒場の喧騒や酔っぱらいたちのわめき声なんかにも負けないよな独特な「タフさ」がありますよね。 さすがテキサス系ギターだけあって、クドいよなトレモロで畳みかけるよに演奏される旋律は、ザワついたホールの中でも「どうじゃ~っ!」つう気迫に満ちていて、なかなかよろしい。 ま、その分、しっとりとした情感、なんてえもんはやや薄れてはおりますが、いーのじゃ!タマにはこんな After Hours も悪くないよん。 Jimmy Nolen は、1934年 4 月 3 日、Oklahoma 州 Oklahoma City で生まれています。 最初はヴァイオリンを学んでいたようですが、14 才からはギターに集中したようで、彼が当時、影響を受けたのが T-Bone Walker だったそうです。 Tulsa で演奏しているのを見た歌手の Jimmy Wilson は彼を Los Angeles に連れ帰ったのでした。そこで Jimmy Nolen はトランペッターの Monte Easter と Chuck Higgins のバックとしてレコーディング・キャリアをスタートさせています。 彼自身の名義では John Fullbright の Elko label に録音。1956年の秋には Federal にレコーディングしています。3 度のセッションで 6 枚のシングルが発売され、多少の売上はあったようですが、ヒットとまでは・・・ この時期、彼は Johnny Otis のもとでも仕事をしており、その Dig レーベルへの吹き込みに参加したり、自身の吹き込みもしています。有名なナンバーとしては Willie And The Hand Jive でしょ。1959年には Specialty Records の子会社 Fidelity とサイン、1 枚のシングルをリリース。 1960年代の前半はハーモニカ・プレイヤーの George Smith のバッキングを務めますが、そこから James Brown のバンドに参加し、1965年 2 月の有名なナンバー Papas Got A Brand New Bag のギターで一躍、有名になりました。1970年から1972年の Maceo And The Kings Men にいた時期を挟んで JB と行動を共にしていたのですが、1983年12月18日、バンドとしてツアーして訪れていた Georgia 州 Atlanta で突然の心臓発作で急死してしまいました。 この After Hours は、CD: House Of The Blues Vol.1 J!MCO / JICK-89690 のライナーによれば、1955年の録音、だそうです。 あ、ついでに、この After Hours のオリジナルは Erskine Hawkins でございます。 1914年 7 月26日に Alabama 州 Birmingham で米国軍人の息子として生まれていますが、その父は第一次世界大戦中に戦死しています。 弱冠 7 才にしてまずドラムを始め、やがてトロンボーンに転向するのですが、13 才の時にトランペッターとなることを決断し、それ以降1980年代までトランペッターであり続けました。 Montgomery にあった Alabama 州立の教育大学に入学し、そこで彼は the Bama State Collegians というバンドのリーダーとなっています。 このバンドは1934年に New York 進出を果たし、the Erskine Hawkins Orchestraとなりました。 1936年からはレコードの作成に着手し、1938年にはそれに成功しています。 Erskine Hawkins と Dud Bascomb がトランペット・ソロ、Paul Bascomb か Julian Dash のテナー・サックス、Haywood Henry のバリトン・サックスにピアノの Avery Parrish といった陣容で、ジャズのファンからダンス・マニアにまで人気を博しています。 1940年には彼がその前年に作ったナンバー Tuxedo Junction が Glenn Miller のバンドによって Billboard Magazine の「第一位」に輝き、自らの the Erskine Hawkins Orchestra による演奏も 7 位にまで達しています。そしてこの After Hours も1940年の作品で、チーフ・アレンジャーでもあった Avery Parrish のピアノをメインにして Bluebird に吹き込まれたブルースで、発表されるとすぐに「スタンダード」として広がっていきました。 この曲をとりあげたジャズ畑のプレイヤーでは Dizzy Gillespie、Woody Herman、Hazel Scott、Phineas Newborn、Hank Crawford、Buck Clayton、Jeannie & Jimmy Cheatham などが挙げられます。 Erskine Hawkins には他にも Tippin In のヒットがあり、これらのヒットは彼のオーケストラを1953年まで充分に維持させてくれたのです。ただ、1971年にはオーケストラ時代のメンバーの再結成で録音もしていますが後半には R&B 色を強くし、さらにより小さい編成へと変化してゆきます。1978年、Alabama 州のジャズの栄光の殿堂入り。 トランペッターとしての活動は1980年代まで続いたようです。1993年11月11日に死亡 |
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