Sweet Black Angel

Buddy Guy


2004-01-14 WED.
およそ「コッテコテ」のブルース・ギター、ってことになるとワタシなどは Vanguard での Buddy Guy の Come See About Me が真っ先にアタマに浮かぶのですが、あれはいつでしたっけ?Buddy Guy が渋谷クワトロでやったの。1995 年かな?あの時はとめごろおさんと二人、少し早めに傍まで行って(場所をチェックしといたのね。夕食を摂ってからまた来るから)階段を昇ってったら頭上から、ゾクゾクっと来るよな「粘り気」タップリのギターの音が降ってきて、一瞬、金縛り状態になっちまいましたっけ。ハード・ロック系のオーヴァー・ドライヴやディストーションでもない、かといって Gibson 系のクランチがかったアタックとも違う、野太い、しかしタッチのニュアンスの生きたフシギなギターに思わず、その場に座り込んでズっと聴いてたい、と思ったもんですが、スタッフに発見されたら追い出されちゃうだろし、それにリハなんで、それは演奏ってよりも音を確かめてるよな単発フレーズでございます。恐らく本人にしても、こんなの聴かれたいとはあまし思わないだろな、ってことでその場を離れましたが、やはり「衝撃」でしたね。

そして、ホンバン。やはり、気合が違うのか、しかもアンプの音をダイレクトに浴びてるせいか、音のプレゼンスがケタ違いでございますよ。もう、この時に確信しましたね。正統的ブルース・マニアからは「ロックに近い」と見做されてるかもしんないけど、逆にロックをやってる若いひとたちをブルースの世界へ誘いこんでるイチバンの営業マン(?)は彼に違いない、って。
こー言っちゃなんだけど、いくら B.B. が偉大だ、なんて言っても、あのギターを聴いて「うわ!ブルースってカッコいい!」なんて思うスナオなワカモノはもはやゼツメツしてるんじゃないでしょか?
30 年も前ならともかく、イマでは、あれにココロ打たれるのは、もはやオヤジ世代のみなさまでしょ。
そういえば「オヤジ・バトル」ってのでも、まんま B.B.ってえ感じのオッサンが出てましたっけ。
それ見た時は、うへっ!B.B.もヴェンチャーズみたくなった?とオドロきましたが、そゆバンド好きのオヤジも Buddy Guy はやらないもんね。ま、だからこそ Budy Guy がいいんですけど。

あの時のライヴをモロ、思い出させてくれるのがこの BMG BVCQ-649 Live! The Real Deal なのです。なかでも、この「 Sweet Black Angel 」でのギターが最も「クワトロの記憶」に近いよな気がしますね。たしかに I've Got News For You あたりもコテコテのスロー・ブルースで聴き応えはあるんですが、クワトロに比べると(って比べることも無いんですがね、ホントは)出来すぎ、って言うか、カッコ良過ぎ(?)なとこが・・・
しかし、それにしても饒舌なギターですよね。「通」からはそこらが嫌われるのかもしれませんが、やはり Buddy Guy はこうでなくちゃあ。

と、ここで、Buddy Guy を聴き始めてみよか?と思っている初心者のみなさまへ。
ブルース界では彼の代表作として『I Was Walkin' Through The Woods 』って Chess のアルバムを挙げることが多いのですが、それは「ゼッタイに」お薦めいたしません。そこには我々「 Buddy Guy フリーク」が期待する「音」はありません。
この Silvertone 原盤や、遡ったとしても、前述の Vanguards 時代の『Hold That Plane 』や『This Is Buddy Guy 』をどうぞ。ただし Chess でも『I Left My Blues In San Fransisco 』はちょっとはマシかも?
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