Workin’ on the Railroad

Walter "Buddy Boy" Hawkins


2004-02-09 MON.
タイトルからするとワーク・ソングっぽいリズムの出た曲を予想しちゃいますが、おもいがけずトロっとした「優しい」テクスチュアで意外。
むしろ、さんざん働いて来た後で、う~カッタルい!てな気分なのかも、でございます。
ギターもそれほどバリバリ弾いてるワケじゃなく、マイ・ペースでタラタラやってるふーですが、良~く聴くと、ケッコウ完成度は高いですよ。やってみろ、言われてもなかなかマネ出来ない(のはワシだけかもしれんが・・・ )ワザがさりげなくちりばめられてますからねえ。ゆったりとした独特の情感をたたえたヴォーカルは、ちょっとうわずり気味のハイ・ノート寄りですが、別に気負ってるとこも無く淡々と歌ってるみたいで、それがかえって「味」を出してるよな気がします。

しかし、この Walter "Buddy Boy" Hawkins もその出生にまつわるデータはもちろん、どんな人生を送ったのか、というコト自体、まったく判っておりません。
その誕生した年代や、デルタ地帯北部からアラバマにいたる地域的な特徴を同定しようとする研究者たちの試みも数々の矛盾や決定的な証拠の欠如、あるいは不整合によって頓挫し、結局、推定することすら難しい状態となっています。

その Walter "Buddy" Hawkins(あるいは Walter "Buddy Boy" Hawkins )は例の Wisconsin 州の家具製造会社が始めたレーベル「Paramount」に 1927 年から 1929 年にかけて 12 曲ほどを録音しておりますが、この時期の Paramount は electric recording に移行した直後で、また 1924 年に買い取った Black Swan のおかげでブラック・ミュージックのカタログが充実し、有力なプロモーター Mayo Williams が次々と才能あるブルースマンを連れて来ていたころなのですが、この Walter "Buddy" Hawkins もそうだったのがどうかは不明です。
その歌からすると、おそらく鉄道の敷設や列車に縁のある生活を送っていたのではないか?という推測が出来そうですが、いまのところそれを裏付けるようないかなる資料も発見されてはいないようです。

彼のブルースは Document DOCD-5035: William Harris & Walter 'Buddy Boy' Hawkins Complete Recorded Works ( 1927-1929 )でまとめて聴くことが出来ます。
収録曲は Workin' On The Railroad はもちろん、Shaggy Dog Blues、Number Three Blues、Jailhouse Fire Blues、Snatch It Back Blues、Yellow Woman Blues、Raggin' The Blues、Awful Fix Blues、A Rag Blues、How Come Mama Blues、Snatch It And Grab It、Voice Throwin' Blues という Paramount に入れた全曲(他に William Harris 9 曲)。

あ~あ、資料が無いからアっちゅう間に終っちゃった。ま、タマにゃあいいか。
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