That's Chicago's South Side

Sam Theard


2004-02-12 THU.
う~ん、これの場合はちょっと、なんて言ったらいいのか、表現に迷うんですが、ある意味ジャズっぽいし、確かにあましブルースっぽくないっちゃあそーなんですが、そう、サッチモのヴォーカルのプロトタイプってえ感じかな?
南部を廻ってたサーキット出身(なんと「リトル・サンボ」って芸名でスタートしたんだって!イマだったら人権擁護団体から厳重抗議を受けちゃいそうだけど、当時の黒人自身も、あまりそのヘンの意識って確立してなかったみたいね。ちなみに南米では入植したヨーロッパ人と、奴隷としてアフリカ大陸から強制連行されてきた黒人の間の混血児を「ムラート」、ヨーロッパ人と南米の先住民族インディオ(インディヘナ)の間の混血を「メスティーソ」と呼び、黒人と先住民の間の混血を「サンボ」と称して最下等な存在、と見なす風潮があったようで、その実相がどれだけ北アメリカに伝わっていたのかは「まだ」本気で調べてみたことが無いのであまりエラそうなことは言えないのですが、恐らく南部の黒人達、中でも芸人たちがそれを「卑下して」使っていた、と言うことなのかもしれません。あるいは南米での「サンボ」の使われ方を知らずに語感だけで「黒人の代名詞」と思って使っていたのかもしれませんね。ただし「ちびくろサンボ」の場合、物語の舞台はインドだったと思うので、インドでの「サンボ」がどんな意味なのかが焦点かもしれません。とは言え、やはり白人側の視点で描かれた物語ですから、その主人公の命名に「黒人だから」サンボ、という発想があったとすれば、やはりモンダイにすべき対象であることに違いは無いのですが。これがインドの現地の人が書いた物語で、実際、インドのそのヘンじゃサンボって名前はありふれてる、ってゆーんなら「無罪」なんだけど、さて?)って言いますから、ミュージシャンってより「ヴォードヴィル」に軸足があったのかもしれませんね。

Sam Theard は 1904年10月10日、New Orleans で生まれています。
Bluebird(あ、いけねえ、Bluebird Records のこと、まだ詳しくやってねえや)のカンタンなライナーからすると、前述のように南部を巡る芸人としての生活を経て Chicago に辿りついているようです。
この曲は 1938年、3月14日に Illinois 州 Aurora の Leland Hotel でのレコーディングで、バックは「不明」となっておりますが、ど~見ても(って音だから「聴いても」か?)これブルースっつーよりジャズ系のバンドだよねー。
ま、このひとについちゃあ Fleecie Moore との 1946 年の共作「Let's The Good Times Roll」がブルース史上の「金字塔」かもしれません。
ただ、この人については今回、いい資料に出会えず、生い立ちやらその生活などがあまり判っておりません。どうやら 1982 年にお亡くなりになっているようですが、詳しいことは判りませんでした。

permalink No.658

Search Form