Lonesome Lover Blues

Joe Richards


04-02-16 MON.
I need your lovin'・・・と始まる、これはまた実に牧歌的(?)なスローなブルースでございます。
とは言っても、我々がセッションなんぞで良く言う、「次は Aのスローね、二つ目上がりま〜す」っちゅうあのスロー・ブルースみたいなんじゃぜんぜんなくて、あくまでもユルユルの、「横揺れ」を伴った(?)独特のアンチ緊張感に溢れた、でも、レイド・バックなんてゆうのとはどっかちゃう茫洋としたタイム感⋯ってなんのこったか言ってる本人も判らなくなって来ちゃいましたが、この London GXF 2001 の Blues Obscurites シリーズの Vol.1、『Dark Muddy Bottom』のいきなり一曲目にこのトロトロのナンバーに遭遇すると、1960年代初頭の南部のブルースのフトコロの深さに「めまい」すら感じてしまいますよ。

シンプルでややプリミティヴなハープに露を払わせて、歌いだす Joe Richards ですが、彼自身がギターを弾きながら歌ったのかどうかは不明でございます。じゃ、ハープはどうか?って言うと、フツーなら、この部分が少しカブってるよに聞こえるから別人かなあ?って気がしますが、先日の Alfred Lewis なんてゆー歌いながらホントにハープも吹いてる超人がいますから、それに比べりゃ、この程度は(つまり歌にレスポンスしてく)「軽い」もんじゃないでしょか。
ま、どっちにしてもレコーディング・データがケツラクしてるようで、バックがハープ、ギター 2 本、ベース、ドラムいずれも演奏者不明となっちょりますんでサッパリ判りません。
ま、ワタクシの印象といたしましては、このハープのメロが歌のそれとホントよく似てるとこから、スタンダップ・シンガーじゃ「なかったとしたら」このハープも彼のかもしれんなあ⋯って気はしておりますが、なんたってまったく資料が無いブルースマンなんで(他には 1963年に同じく T-Bird に吹き込まれて T 3050 としてリリースされたらしい「 Dreaming Dreaming 」があるだけのようです)、このアナログ・ディスクに付いてきたライナーは Neil Slaven ってひとの英文を日暮氏が訳したものですが、そこでも Joe Richards について、Louisiana 州 の Opelousas のミュージシャンだと「考えられており」なんて表現があるだけです。ダレがそう考えたのか、そのコンキョは?についちゃあ一切、不明なんでなんとも言えませんね。

ところで、その和訳されたライナーですが、Joe Richards のとこにフザけた表現がございました。そこには「こうしたレコーディングに血をにじませる思いをしながら数多く付き合った白人のセッションマンたちの話では〜」って一節があって、「血をにじませる思い」なんてえコトバを白人の側(それも誰に強制されたワケでもなく、それで喰ってるワケでしょ?)に使う神経はワタシには理解できません。
このライナー書いた Neil Slaven ってのゼッタイ白人だな、きっと(と思ってちょと調べてみたら The Guitar Magazine UK のライターでもあるようで、どうやらイギリス人なんでしょか。London Records 経由のようだし。ま、そんなとこ、あまし深くツイキューする意義も無さそーなんでいいんですが)。
それにしても「血をにじませる思い」をして付き合うレコーディングって、いったいどんなの?「血がにじむ」なんてえ表現をこゆとこで使って欲しくないなあ。アホくさ。

と、書くことないもんだから、ライナーにツッコミ入れてお茶を濁してるってのがバレバレだね。
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