Bad Boy

Eddie Taylor


2004-03-09 TUE.
昨年の 8月18/19/20日と三日連続で Eddie Taylor 特集(?ま、ともかく、この連続が、それ以降の連載もの:Robert Johnson の五日連続、さらには Screamin' Jay Hawkins のドトーの 17日間の連載へとエスカレートしてったキッカケだったことは確かでございます)から半年以上すぎて、だいぶほとぼりもさめてきたと思うんで、またまた登場でございます。
よーするに Eddie Taylor、自分たちでライヴやった、ってこともあるかもしんないけど、ともかく「好き」なのよねん。

セッションでもダディ正井をギターに迎えてよく演ってたんですが、最近では時々そのダディ・テイラーこと正井氏が自分で歌うようになり、時には高山クンも歌う、と Bad Boy がスタンダード化しておるのでございますよ。とってもシンプルかつストレートなブーギで、基本中の基本って感じですが、それだけに奥が深いナンバーでございます。
ただ自分でやってて思うんですが、この曲だけは 335 や 355 なんてえハコものの「音」が似合いますねえ。ストラトじゃあちょっとちゃうんだなあ。と言いつつもだからって「この曲のためだけに」 Gibson 買うほどマスト!ってえワケじゃないんですが。

ま、それはともかく、彼の切るブーギのパターンが、そりゃもう「無形文化財」モノだと思いませんか?
A からの Boogie だと 5-7(つまり 5弦の 7フレット)と 6-5(同じく 6弦の 5フレット。以下同様に前が弦を、後がフレットを表しま〜す)のコンビを基本に、小指で 5-9 を付け足す、最もシンプルなパターンの他に、 5-9/5-7→5-10/5-7→5-9/5-7 というちょっと装飾の入ったもの、さらに 5-9/5-7→5-7/5-10/5-9/5-7 というヒネリの利いたもの、そればかりか、5-7 から6-7/5-7/5-10/5-9/5-7/6-7/5-7/6-7 なんちゅー華麗なものまで、やろうと思えば Boogie だけで何種類も出来る、しかも、それでも基本はリズム感だ、ってのを教えてくれた(つーかワタクシが勝手に「学ばせていただいた」)のが、偉大なる Eddie Taylor 大先生だったのでございますよ。

その後、主にテキサス系のブルースマンに魅せられ、シカゴを後にしてはや幾星霜(つまり Long, long way from home ってヤツですねえ)・・・いまじゃあすっかり熱気にあてられてタガのユルんじまったあっしでげすが、たとえドコにいようとも忘れちゃならねえあの Boogie のリズム。ってワケで、今でも時たま、天国の大先生に届けとばかり(ウソつけ!)セッションでこの Bad Boy を演奏し、初心に還るようにしておるのでございますよん。

さて、ご自分でも歌われる方はお判りのことでしょうが、この曲、ヴォーカルのタイミングがフツーとちゃいます。

I'm just a bad boy

の Bad と Boy の間、どっちかってえと Bad 寄りのとこに 12小節のスタート・ポイントがあって、ユダンしてると歌い出すタイミングをやり過ごしちゃったりするんですよ。
自分でカウンター入れてたりしてて、ちょっとそっちに気が行っちゃうと「しまった!」なんてことになりがち(なんちて、そりゃワタクシだけかもね)。それでもこの曲、なんだかホっとするものがありますね。
なんちゅうか、ワタクシが思う「Chicago スタイル」の良き典型って感じがしております。(ま、実は他にもそゆ曲があって、それは Jimmy Rogers のChicago Bound なんですが、なまじご当地ソングみたくなってるんでキモチ的にちと歌い辛いんですよ。Chicago に住んでるんならいいんでしょーが)

Eddie Taylor の Biography については Blues After Dark のページに、もー書いちゃってますんで、詳しくはそちらをご覧くださいませ。
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