Ora Nelle Blues

Othum Brown


2004-03-15 MON.
ムカシ(つったって 1970 年代ですが⋯ あ、まだそのころにゃあ生まれてない、なんて方もおられるでしょうから「ムカシ」ってのも当たってるか?)これをアナログ・ディスクで聴いてたころは、たしか「オッサム・ブラウン」と「読まれてた」ような記憶があるのですが、このたび、P-Vine から CD 化されたのを手に入れてそのライナー(永田 清さん)を見てみたら「オーサム・ブラウン」になってます。なんだか「お〜寒!」っぽくない?

ま、そんなこたあどっちだっていいんですが、ワタクシの HN、Othum の原典であることには違いありません。その彼の代表作(と勝手に決めつけちゃってますが) Ora Nelle Blues でございます。
意外とスローなテンポなんですが、シンプルな構成─ヴォーカルとギターとハープだけ、っちゅう割にはなかなか完成度が高く、これだったらヘタなドラムなんぞ要らないね、まったく。
「お言葉」に「ブルースなんてもんは歌とタイコ」なんて投稿もありましたが、ワタクシはドラムに関して、居なくても「ちっとも構わない」、いやそれどころか、特に名を秘す某「バカ」ドラマーもどきなんぞと一緒にやるくらいなら、ドラマーなんかいねぇほ〜がいい!なんて思ってるのは、この Chicago Boogie のせいですね、マチガイ無く。
ですからお言葉にも一度はアップしましたが、絶対にナットクできないんで、完全に抹殺しときました。がはははは!ここワタシの HP ですからねえ、そんな気に喰わないバカの戯言を載せとくこともないワケで。

I Just Keep Loving Her なんて聴くと、ドラムもベースも居ないのに、ものスゴいグルーヴを感じるんですよ。やはりブルースは「歌」ですっ!あとは、それを「盛り立てる」二・三の楽器がありゃ充分でげしょ。ドラムなんて最後。

さて、この Chicago、Maxwell Street の一角、店頭に設置したスピーカーからブルースや、初期のリズム&ブルースを流していたレコード・ショップで、他にも Radio Set やギターの弦、ハープなどを売ってた Maxwell Radio and Records というお店をやっていた Bernie & Red Abrams が、そこにたむろするブルースマンたちの演奏を自主録音し、Ora Nelle Records Company の名でリリースした中の一曲でございます。ま、実際にリリースされたのはたった二枚、4曲にすぎないのですが。
この曲はその記念すべき一枚目で B-Side には、これもワタクシの大好きな I Just Keep Loving Her という、まさに「黄金の」カップリングじゃあ〜りませんか!

しかし!しかしでございますよん、たしか I Just Keep Loving Her って、以前は Jimmy Rogers & Little Walter(!)ってクレジットされてなかったっけ?アナログ時代。
その永田さんのライナーでも、I Just Keep Loving Her を「記念すべきリトル・ウォルターとジミー・ロジャースのコンビによるオラ・ネール第一回発売作は、まずまずのセールスを記録したようだが、(中略)その後発売されたのはジョニー・ヤングとジョニー・ウィリアムスのコンビによる作品だけだった(以下省略)」と、まるっきり Jimmy Rogers & Little Walter の作品として解説されておるのでございます。
ですが、そのライナー中には SP 盤のセンター・レーベルの画像が(写真というより、コピー機でとったらしく、かなりハイ・コントラストではありますが)掲載されておりまして、そこにはハッキリと Ora Nelle 711A ORA NELLE BLUES と、その裏面、Ora Nelle 711B I JUST KEEP LOVING HER Little Walter J.─ Harmonica、Othum Brown ─ Guitarと記されておるじゃあないの!

711ってナンバーが最初なワケはない!だから第一回発売ってのはやはり Jimmy Rogers & Little Walter で存在してるんじゃ?って疑問(悪あがき?)に対しては、その永田さんが解説しておられます。
そんなナンバーから始まったのは、ダイス・ゲームで二個のサイコロを振って、出目の合計が 7 か11になれば「勝ち」ってのがあったんだって。その「勝ち目」をふたつくっつけた「 711 」からシリアルを開始したんだそうでございます。ううむスキねえ。
ん?待てよ?じゃあセヴン・イレヴンもカンケ〜ある? 判らん? あっそ⋯
てなことはともかく、ワタクシも実に永〜いこと、I Just Keep Loving Her は Jimmy Rogers & Little Walter だ、とばっか思っておったのですが、どーやら正しくは Little Walter のヴォーカル&ハープに Othum Brown がギターでバッキング、という構成だったようでございます。
なんたって、動かぬショーコのセンター・レーベルの画像がある以上、もはや悪アガキはヤメにいたしましょ。

え〜、その Othum Brown ですが、めぼしいことはなにも判っておりません。
Mississippi 州の Richland から出てきたんじゃないか?と言われておりますが、それを裏付ける資料は発見されていないようです。
1950年代の初頭には Chicago のブルース・シーンからは姿を消してしまいますが、Homesick James によれば、その後 New York に移り、1960年代に死亡したのではないか、とされておりますが、そちらも未確認で、真相は歴史の中で埋もれてしまったもののようでございます。
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