Mary Had A Little Lamb

Buddy Guy


2004-03-25 THU.
1990年の Austin でのライヴ録音です。
Silvertone からアルバムを出し始めるころの演奏で、この曲そのものは Vanguard 時代に吹き込んだ有名なナンバーで、カヴァーされたりもしてますが、ここでは本人がモダナイズして採り上げておりますね。

なにより特徴的なこのギターの音ですが、いわゆるミッド・レンジをブースターで持ち上げて「飽和」させたレース・センサー仕様の Fender Stratocaster でございます。
インタビューでは「ああ、あれかい、ありゃクラプトン・モデルさ」などと屈託なくバラしておりましたが、その後 Fender 社も、これじゃあんまりだ、と思ったのか(?)ちゃんと Buddy Guy Signature Model っつうのをスタートさせておるのでございますよ。
世の半可通どもにゃクラプトンのほーが名は通ってるでしょうが、かって某国営放送で流されたセッションでは、クラどん、Buddy Guy の前ではそのギターもチンモクしちまった、ってえ有名なエピソード(それが契機となって、ウェスト・ロードの山岸だったか塩次が Buddy Guy に「狂い」始めた、ってえのを読んだキオクがあります)がございます。一緒にやっちゃうと、もー「一目遼然」ダレが見てもホンモノとそのフォロワーで、もちろん、クラプトン自身だって、それ判ってるから、Buddy Guy の前じゃ借りて来たネコ状態だったワケですが、クラプトンを「神」とあがめてる東洋の小国のギター・フリークたちゃあ信じないだろうなあ。ま、クラプトン自身がそのへんのケンキョさを持ち合わせた人間である、ってのが、ひとつの「救い」ではありますが。

その飽和したトーンでパワフルに弾きまくる Buddy Guy のギターですが、そのアグレッシヴさ( Albert Collins ちゃんなんかとはまた違ったイミで、ね)から数多くのロック・ギタリストにも影響を与えています。
1990年代には日比谷野音、クワトロ、オン・エアー・イースト( 2回)と日本でのライヴを経験しましたが、会場にいるお客さんのロック度(?)が非常に高いのが特徴でございます。
ひと目で、「あ、こいつ、ロック・バンドでギター弾いてるな?」ってえ感じの「おにいちゃん」から、前はやってただろう「元おにいちゃん」まで、共通した「匂い」があるのねん。
ここで例に出すのもアレですが、どーも Junior Wells のファンでもある、ってひとは少ないんじゃないか?って気がするんですよ。あんだけ長い間、一緒にやってきた Junior Wells ですが、この二人のそれぞれのファンってのはまったく別なんじゃないでしょか?
ま、それはただワタクシがいま思いついただけですから、ちゃんとしたアンケートやら出口調査とかをしたデータに裏付けられてるワケじゃないのですけどね。

たしかこの曲、かっての「ぶぎうぎぶ」の高橋マチャオもやってなかったっけ?あれって S.R.V.のヴァージョンだったような気がすんだけど、違う?
S.R.V.じゃ「ラヴ・ストラック・ベイビー(だっけ?)」とかってのくらいしか知らないんで(ホント、白人のやってるブルースにゃ「冷淡」なんだから)あまりサダカじゃないんですが。

それはともかく、日本のブルース界(って括っちゃうのも語弊があるんですが)では、この Buddy Guy、どうやらかなり軽んじられてるよーで、「また来たの?」やら「 Buddy Guy じゃな・・・」などとまで言われておるようでございます。
でも、そんなコトでメゲたりしないのが Buddy Guy ファンのいいところ。能書きはどーだっていい!ライヴで「血が騒ぐ」かどーかじゃん!
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